シラバス情報

授業科目名
プロジェクトゼミナールⅡ
(英語名)
Project Seminar II (J)
科目区分
専門教育科目
対象学生
国際商経学部
学年
2年
ナンバリングコード
KCCBK2MCA3
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
演習 (Seminar)
開講時期
2024年度前期
(Spring semester)
担当教員
大澤 篤
所属
国際商経学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標11
オフィスアワー・場所

月曜日12:00〜13:00
研究棟Ⅰ A217

連絡先

aosawa@em.u-hyogo.ac.jp


対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
1◎/3◎/4◎
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】

「経済史・思想ゼミ」では、アクティブラーニングによる学生の「学びの成果」を地域に還元することを通じて、人口流動化のもたらす地域社会の分断の問題の解決に取り組む。

阪神大震災以降、兵庫県では特に神戸市において人口流動化が大きくなり、地域社会に旧住民と新住民間の分断が加速した。この分断は、例えば町内会や祭・行事に対する新住民の参加が、その子供が小中学校就学時期に限られている点にも確認することができる。地域内の住民間の紐帯の弱さは、災害発生時などに受けられる行政サービスの質にも影響するものと考えられている。そのため、地域コミュニティの課題の一つは、出自にとらわれずに持続的な住民間関係を構築する点にある。

言い換えれば、新住民が地域社会に組み込まれるにあたって、彼らの地域アイデンティティの欠如を払拭することは解決策の一つとなりうる。特に、旧住民が生まれる以前の地域の記憶(歴史・文化・思想)は、新旧の住民が対等に共有しうるものであり、地域アイデンティティの構成要素となる。しかしながら、そのような地域の記憶は、一定の専門性がなければ掘り起こせるものではない。そこで、地域アイデンティティ再構築に資する共同研究発表会の実施を目指す。

【到達目標】

 1.事前調査、インタビューや観察など、フィールドワークの基礎的なスキルを習得する。
 2.文献調査や資料収集に基づいたレポートの作成やプレゼンテーションができる。
 3. 研究成果をグループでまとめるなど、他者と協力しながら課題に取組む経験を積む。
 4. 地域社会の抱える課題を理解し、その解決に資する地域住民を主な対象とする学外発表会を実施する。

授業のサブタイトル・キーワード
兵庫県の歴史・文化・思想〜阪神大震災以降の地域アイデンティティ再構築をめざす〜
講義内容・授業計画
【講義内容】

日本経済史・経営史、日本思想、経済思想の学術的な手法を基礎にした研究発表会を主催することを目標に、本期は必要とされる調査を進めて、講演内容の骨格を固める。5〜7人のチームを結成し、聞き取り調査を通じて人口流動化に伴う地域アイデンティの消失という地域社会が抱える問題を把握したうえで、兵庫県の歴史に関係したテーマを選び、PDCAサイクルを活用しながら発表のための研究を進める。

本講義では、兵庫県武庫郡住吉村(現神戸市東灘区)と近隣地域に関係の深い企業家およびその関係した企業に焦点をあて、その1つをグループで自由に採り上げて歴史分析を実施する。

神戸市東灘区は阪神大震災の被害が最も深刻な地域の一つであるが、特に「日本一の富豪村」と称される旧住吉村一帯は、近代日本を代表する企業家が集住し、「阪神間モダニズム」とも関係の深い地域でもある。

グローバル化が進む現代社会では、社会に組み込まれた存在としての企業の姿を冷静に捉える力が必要とされる。そして歴史は様々な形で現代社会を深く理解するための豊富な材料を提供してくれる。そこで本講義では、旧住吉村とその周辺地域に住居を構えた企業家やその関連企業の活動についての考察を進め、地域アイデンティティの再構築に資する企画にむけて、グループ研究の成果として地域住民を主な対象とする学外発表会を実施する。


【授業計画】

1.ガイダンス
2.学術論文輪読
3.グループワーク1(スライド作成等)
4.グループワーク2(スライド作成等)
5.学外者講演(神戸市役所職員)
6.グループワーク3(スライド作成等)
7.グループワーク4(スライド作成等)
8.予行練習会1
9.予行練習会2
10.事前最終確認
11.学外発表1
12.学外発表2
13.報告書作成1
14.報告書作成2
15.振り返り
教科書

適宜、プリントを配布する。

参考文献
必要に応じて適宜示唆する。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安

【予習】授業で取り組む課題を考える(15h:各回1h)

【復習】授業で決定した課題に取組む(45h:各回3h)

アクティブ・ラーニングの内容
・5〜7名のグループに分け、グループ単位でプレゼンを予定
・その他必要に応じて学外調査を実施(適宜)
成績評価の基準・方法

【成績評価の基準】

・地域内の住民間の紐帯の弱さのもたらす現状のもたらす問題を理解したうえで、歴史的視角から地域アイデンティティ再構築にむけた調査・研究への取組と成果を評価して単位を支給する。

・知識・技能、思考力、表現力等の到達度に応じて、S(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)による成績評価を与える。


【成績評価の方法】

・授業への貢献度(発言・質問・積極的に参加する姿勢):50%
・授業の区切りごとの提出物:50%

課題・試験結果の開示方法
必要に応じて適宜フィードバックを実施するが、総評は最終講義時に行う。
履修上の注意・履修要件
【履修上の注意】

・プロジェクトゼミナールⅠ(1年次後期)と連続して受講することが前提に授業は計画されている。

・他者と協力しながら課題に対して積極的に取り組むことが必要なため、チームメイトおよび教員との報告、連絡、相談を欠かさないこと。

・講義・報告会等は、星山ゼミとの共同開催になる。

・原則、遅刻や欠席は厳禁である。

・月曜日の講義時間以外に活動することがある。


【履修要件】
プロジェクトゼミナールⅠの単位を修得していること。
実践的教育
学外調査、グループワーク、プレゼンテーションを実施することから、実践的教育に該当する。
備考

・ 担当教員の専門は経済史・経営史であり、必要に応じて専門的な知識を提供する。



英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。