シラバス情報

授業科目名
工学倫理
(英語名)
Engineering Ethics
科目区分
全学共通科目
対象学生
全学部(全学共通科目、教職課程科目、副専攻科目)
学年
2年
ナンバリングコード
HETBK2MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
柳谷 彰彦
所属
金属新素材研究センター
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9/目標12
オフィスアワー・場所
金属新素材研究センター2F
センター長室
連絡先
xxssv442@guh.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
1◎
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標
目標3:協働する力

講義目的・到達目標
講義目的:科学技術の発展は、人々により豊かで、快適な生活をもたらす一方、技術の不適切な使用や安全への配慮の不足など、技術者の不適切な対応による不祥事・事故も多発している。社会が求める技術の高度化・多様化に対応して、技術者には技術知識・能力の向上に加えて、技術を開発したり、使用する際の判断基準としての倫理観が強く求められている。技術者が “高い倫理観”をもって仕事に取り組むことの必要性と意義について様々な実例を挙げながら理解を深め、学生自身が将来、技術者として高い倫理観を持って、授業の内容をもとに実際の場で適用・実施・実行できるようにする。さらに今後増えるであろう、データ・生成系AIの活用を自ら想定し、データ・生成系AIを扱う上での留意事項、守るための留意事項を実際の場で適用するレベルに到達する。
達成目標:1.工学倫理についての理解、2. 技術者としての誇りと責任についての理解、3.倫理に関連する諸問題についての理解、4.実践的対応力
、これら学んだことをもとに、学生が今後、実社会で正しく状況把握し、実践適用・実施し、さらに周りにも指導していくように応用できるようになること。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:「工学倫理からみた技術者の社会的責任」
キーワード:公衆の安全、技術者使命、安全、リスク、職場環境&風土、研究不正、検査不正
講義内容・授業計画
講義内容:最近、社会の様々な所で倫理の必要性や重要性が叫ばれているにもかかわらず、たとえば検査不正等技術者が関わった事例が多く報告されている。本科目では将来、産業社会で活躍する際に、研究者、技術者として備えるべき「工学倫理」について学ぶとともに、過去に実際に起きた様々な事例を通して、現実の倫理問題に直面した場合にどう対処できるか、どうすれば防げるかを考える。職場や製品の安全確保やリスク管理について学ぶとともに、技術者の責任が大きい地球温暖化や環境問題、研究者や技術者として知っておかなければならない関係法規や知的財産、研究倫理や情報倫理も取り上げる。さらに、今後様々な局面でデータ、AIの活用の機会も増え、データ・生成系AI利活用における現状と留意事項を講義する。工学倫理を履修するうえで全体を通して学期中、社会で話題となった好事例が出てくれば、授業の中で教材として取り入れていく。
授業計画:
1.工学倫理とは、技術者と倫理(テキストⅠ部第1章、第2章、第5章)【対面形式】、
2.安全問題(テキストⅡ部第1章)【対面形式】、
3.製造物責任(PL法)(テキストⅠ部第6章)【対面形式】、
4.リスク問題(テキストⅡ部第2章)【対面形式】、
5.演習KYK(配布資料)、事例研究(カビ取り剤、チャレンジャー号事故他)(テキストⅠ部第8章)【対面形式】、
6.環境問題(テキストⅡ部第3章)【対面形式】、
7.大気汚染防止(テキストⅡ部第3章)【対面形式】、
8.地球温暖化問題(テキストⅡ部第3章)(科学技術者の責任)【対面形式】、
9.品質問題(テキストⅡ部第1章)【対面形式】、
10.人的要因と組織風土(テキストⅡ部第1章)【対面形式】、
11.技術者と法規(テキストⅡ部第4章)【対面形式】、
12.知的財産(テキストⅡ部第5章)【対面形式】、
13.研究倫理(テキストⅠ部第3章Ⅲ部第1章)【対面形式】、
14.データ・生成系AI利活用の現状と留意事項・(配布資料)【対面形式】、
15.望まれる技術者になるには、総括【対面形式】
定期試験
教科書
教科書:近畿化学協会工学倫理研究会編著(化学同人)「技術者による実践的工学倫理 第4版−先人の知恵と戦いから学ぶ−」、
データサイエンスに関する講義、ならびにタイムリーな教材事例が発生した場合、資料を配布する。
参考文献
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業に際して指示するテキスト・オンデマンド教材の部分を事前読み込み(15h)、
【復習】資料学習(15h)、講義内容の理解を深め定着させるためにテキスト・オンデマンド教材を読み直し(15h)、自己模擬事例学習(15h)
アクティブ・ラーニングの内容
KYK(危険予知訓練)演習
過去の事例研究、タイムリーな事例について研究
成績評価の基準・方法
成績評価の基準:講義目的・達成目標に記載した内容の達成度に基づき、S(90 点以上)、A(80 点以上)、B(70 点以上)、C(60 点以上)とする。評価方法:期末試験(100点満点)で評価(60点以上で合格)する。なお、データサイエンスに関する講義はレポート課題等で評価する。
課題・試験結果の開示方法
KYK(危険予知訓練)演習は、事例研究、課題は原則講義内で解説・フィードバックする。
学生自身の演習内容(回答)を活用して解説・フィードバックする。
定期試験は、
(1)授業評価アンケートの教員コメント欄に試験結果に関するコメントもあわせて記載する、
(2)全体的な講評や模範解答をユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使って示す。

履修上の注意・履修要件
本科目は、教科書に基づいて講義を行い、特に、事例研究では、教科書記載の事例について熟読し復習すること。ニュースなどで問題となった事例について講義で紹介し学習するので、講義後復習すること。

実践的教育
製造メーカーの研究部門、営業部門、生産部門での長年の経験を活かし、安全衛生、KYK、品質問題、検査不正、知財問題、環境問題その他、企業経験者からみた身近でかつ陥りやすい倫理問題について公開された他社事例の事例研究を示し、卒業後社会に出てから倫理問題に遭遇した場合にでも、適切に判断、正しく行動でき、人にも指導できるレベルにめざせるように教育する。
備考
授業中に受講生に直接質問する場合があるので、回答できるように授業内容を良く考えながら受講すること。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。