シラバス情報

授業科目名
無機化学Ⅲ
(英語名)
Inorganic Chemistry Ⅲ
科目区分
専門基礎科目(専門関連科目)
対象学生
工学部
学年
3年
ナンバリングコード
HETBO3MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
担当教員
潘 振華
所属
工学部・大学院工学研究科
授業での使用言語
英語
関連するSDGs目標
目標7/目標9
オフィスアワー・場所
平日12:00〜18:00・C625
(上記に限らず可能な限り対応する)
連絡先
メールアドレス 未定

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
5◎
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】無機化学IIの講義に続き、本講義では特に錯体化学に焦点を当て、関連する先端研究領域について学ぶ。近年急速に進展している錯体化合物の構造(物理化学)と反応(有機金属化学)、自動車の排気管内で使用される不均一系触媒の性質と実例(触媒化学)、錯体化合物の吸光と発光性質(分光化学)、そして地球環境と太陽光エネルギーの利用に関連する光反応と光触媒反応とその実例(資源・エネルギー工学と光電気化学)について理解を深め、知識を身につけることを目的とする。
  さらに、錯体化学の重要な側面を理解し、先端的な研究分野に触れ、化学の応用と将来の可能性について論究する。

【到達目標】1)錯体化合物の定義と構造を説明でき、IUPACによる正しく錯体化合物を命名できること、2)結晶場理論と配位子場理論に基づいて錯体化合物の物性を説明できること、3)錯体化合物のスペクトルを説明でき、さらに、錯体化合物の吸光と発光特性を分析できること、4)錯体化合物の反応性(置換、酸化還元等)及び関連する応用(触媒反応、有機金属化合物の合成など)についての基礎的な事項を説明できること、5)地球環境と太陽光エネルギーの利用に関連する光反応と光触媒反応を説明でき、それに関する応用例を示すことができること、である。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:錯体の構造と反応性
キーワード:錯体化学、結晶場理論、配位子場理論
講義内容・授業計画
【講義内容】本講義では、主に『Inorganic Chemistry, Shriver Atkins』に基づいて錯体化学に焦点を当てて解説する。100年以上の歴史を有する錯体化学は無機化学の根幹領域であり、有機化学、物理化学、及び分析化学とも密接に関連している。この講義では、まず初めに錯体化学の導入として、錯体化合物の発展史、基礎、構造などを取り上げる。次に、結晶場理論や反応機構、触媒化学、太陽光エネルギーの利用に関連する光反応などにも触れ、最新の研究動向や実験技術についても講述する。このコースでは、学生たちが錯体化合物に関する基礎を築き、実践的な例や応用事例を通じて理解を深める機会を提供する。問題解決演習を通じて学生の理解を強化し、無機化学の錯体に関する知識を幅広く網羅する。

【授業計画】
1. 金属錯体の歴史 (錯体化学の概要を説明する)
2. 金属錯体の基礎 (テキスト7.1, 7.2)
3. 金属錯体の構造と立体配座 (テキスト7.3, 7.4, 7.5, 7.6)
4. 金属錯体の異性化とキラリティ (テキスト7.7, 7.8, 7.9, 7.10, 7.11)
5. 錯体形成の熱力学と安定化する因子 (テキスト7.12, 7.13, 7.14, 7.15)
6. 金属錯体の電子構造—結晶場理論(テキスト20.1)
7. 金属錯体の電子構造—安定化エネルギーと磁気的性質 (テキスト20.1,20.8, 20.9)
8. 配位子場理論 (テキスト20.2)
9. 原子の電子スペクトル (テキスト20.3)
10. 金属錯体の電子スペクトル(テキスト20.4)
11. 金属錯体の電荷移動吸収帯と発光(テキスト20.5, 20.6, 20.7)
12. 錯体の反応—配位子置換反応、平面四角錯体の配位子置換反応(テキスト21.1, 21.2, 21.3, 21.3)
13. 八面体錯体の配位子置換反応(テキスト21.5, 21.6, 21.7, 21.8, 21.9)
14. 錯体の酸化還元反応 (テキスト21.10, 21.11, 21.12)
15. 錯体の光反応と光触媒反応(テキスト21.13, 21.14, 21,15)

定期試験

※パソコンの利用:使用予定なし。
※生成系AIの利用: 生成系AIの利用については教員の指示に従うこと。生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AIによる出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。
教科書
Mark Weller, Tina Overton, Jonathan Rourke, Fraser Armstrong 著: Inorganic Chemistry, 6th edition, Oxford University Press
和訳書:「無機化学」シュライバー・アトキンス(東京化学同人)
(専門語を理解する為に、英語のバージョンを強く推奨します。)
参考文献
「無機化学 その現代的なアプローチ」(東京化学同人)
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業前に指示されたテキストを事前に読み込む(15回 × 2h=30h)
【復習】講義内容を理解を深め、定着させるためにテキストを読み直す(15回 × 2h=30h)
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
錯体化学を理解し、錯体化合物の反応性についての説明ができる者については、講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に基づき、S(90点以上),A(80点以上),B(70点以上),C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。
【成績評価の方法】
定期試験100%(6月最終週に実施)を基準として、受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する。
課題・試験結果の開示方法
小テストは、原則次の講義内で解説する。

定期試験は、授業評価アンケートの教員コメント欄に試験結果に関するコメントもあわせて記載する。
履修上の注意・履修要件
予習・復習は必ず行うこと。初めの方は予想以上に時間がかかるかもしれませんが、英語力の向上に伴い、後半では予習・復習の時間が短くなることが期待されます。
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。