シラバス情報

授業科目名
物質創成工学Ⅱ
(英語名)
Materials Production Engineering Ⅱ
科目区分
専門教育科目
対象学生
工学部
学年
3年
ナンバリングコード
HETBO3MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
山本 宏明
所属
工学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9
オフィスアワー・場所
火・木曜10:30〜12:00・書写C503室
連絡先
hyama@eng.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
7◎
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力

講義目的・到達目標
【講義目的】金属製錬において,現在の製錬の方法を学びその問題点を把握することは,今後,有害物質の使用・排出制限,省エネルギーや脱炭素社会の実現に向けた課題を解決する上でも重要となる.また,製錬方法について知識を得るだけでなく,理論と実操業との関係および熱力学的背景を考察する力は,様々な分野において課題解決のための有益な基礎となる.本講義では,非鉄金属の製錬において,鉱石や金属の性質に応じた還元方法・精製方法が用いられていることを知り,その物理化学的・化学熱力学的背景に対する理解を深めることを目的とする.
【到達目標】1)非鉄金属がその性質に応じてどのように製錬されているか整理し説明できるようになること,2)製錬反応の標準反応ギブズエネルギーや平衡定数を計算でき,反応条件の妥当性について説明できるようになること,3)製錬に関係する酸化物や硫化物、あるいは水溶液中のイオン種などの平衡条件を基礎的な化学熱力学の関係式から導出できるようになること,4)平衡図から情報を読み取り製錬反応の熱力学的背景が説明できるようになること,である。
授業のサブタイトル・キーワード
講義内容・授業計画
【講義内容】本講義では最初に物質創成工学Ⅱを学ぶ上で必要な物理化学の内容を復習する.次いで,非鉄金属として銅,亜鉛,シリコン,チタン,マグネシウム,アルミニウムを取り上げ,各非鉄金属やその鉱石の特徴を説明し,各製錬法の化学熱力学的な理論を解説する.また,関連する酸化物や硫化物あるいはイオン種について,平衡関係を視覚的に図示したポテンシャル図や電位-pH図などの作成・利用について講義する.

【授業計画】
1. ガイダンス 本講義の概要を説明する.
2. 物質創成工学IIで必要な熱力学(物理化学の復習およびエリンガム図について)
3. 非鉄金属製錬の概要(製錬で用いられる用語の説明)
4. 銅の乾式製錬(銅の鉱石,製錬の方法,製錬の熱力学的理論について)
5. Cu-S-O系の相平衡(ポテンシャル図の作成)
6. 電解製錬(銅の純度を高める電解精製について) 
7. 亜鉛の乾式製錬(亜鉛の鉱石,製錬の方法,製錬の熱力学的理論について)
8. 中間試験(第2回から第7回の内容で実施)
9. 亜鉛の精製(中間試験の講評,亜鉛の工業的製錬法や蒸留精製の方法・理論について)
10. 亜鉛の湿式製錬(亜鉛の電解採取について) 
11. Zn-H2O系の電位-pH図の作成
12. シリコンの製錬と精製(シリコンの鉱石,製錬の方法,製錬の熱力学的理論,高純度のシリコンを得る方法について)
13. チタンの製錬(チタンの鉱石,製錬の方法,製錬の熱力学的理論について)
14. マグネシウムの製錬(マグネシウムの鉱石,製錬の方法,製錬の熱力学的理論について)
15. アルミニウムの製錬(アルミニウムの工業的製錬法について)
※中間試験と期末試験を実施する。
※パソコンの利用:講義資料の閲覧に使用しても可
※生成系AIの利用については教員の指示に従うこと。生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AIによる出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。
教科書
各回の講義内容で使用するスライドを講義資料としてユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使ってダウンロードできるようにする.
参考文献
香山滉一郎著、化学熱力学、アグネ技術センター(図書館にあり)
日本金属学会編、金属製錬工学、丸善株式会社(図書館にあり)
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】配布講義資料の関連部分の事前読み込み(20 h)
【復習】講義内容の理解を深めるため配布講義資料を読み直し(20 h),レポート作成(3回,15h)
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】非鉄金属の製錬方法や理論を説明でき,平衡計算や化学平衡図を作成することができる者については,講義目的・到達目標に記載する能力(知識,思考力,判断力,応用力等)の到達度に基づき,成績評価のうえ,単位を付与する.
【成績評価の方法】レポート課題20%,中間試験40%(10月末〜11月に実施)と定期試験40%(2月に実施)を基準として,受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する.
課題・試験結果の開示方法
レポート課題・中間試験は,原則次の講義内で解説・コメントする.
レポート課題・中間試験・定期試験は,模範解答をユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使って示す.

履修上の注意・履修要件
物理化学I,物理化学II,金属学,化学熱力学の講義内容について復習しておくこと.
化学熱力学を履修していることを推奨する.
講義内容に該当する箇所に関して,配布資料を読んで予習・復習をして講義に出席すること.
実践的教育
該当しない
備考
試験では関数電卓を使用するため、各自の関数電卓の使用に慣れておくこと。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。