シラバス情報

授業科目名
高信頼回路工学
(英語名)
High-Reliable Digital Circuits
科目区分
電子情報工学専攻科目
対象学生
工学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HETMN5MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
担当教員
上浦 尚武
所属
工学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標3/目標4/目標5/目標9
オフィスアワー・場所
木曜 10:40〜12:10 6202号室
連絡先
kamiura@eng.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
1◎/2◎/3〇
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】
ディジタル情報の伝送または処理系を取り扱うための基礎的学力の充実および応用的知識の習得を目的として、論理回路、符号回路、演算回路および順序回路を専門的な見地から解説する。さらに、以上の基本回路により構成された情報処理装置群に対する高信頼化技術として、故障検出、故障診断、フェールセーフ等を講義する。
【達成目標】
本講義の到達目標は、1)ディジタル回路に対する故障検出や診断について基礎的知識を理解し,説明できること、2)被検査回路の構成が比較的複雑であっても、各故障検出アルゴリズムを適切に応用できること、3)フェールセーフやディペンダビリティの基礎的事項を理解し、高信頼システム構築に活用できること、3)基礎的知識(故障検出、診断)に関わる演習問題を解けること、また高信頼システム構築についてレポートやプレゼンテーションで明瞭に報告できること、である。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:高度情報社会を支えるディペンダブル技術
キーワード:ディペンダブル技術、誤り検出・訂正、故障検出、万能テスト方式、ランダムテスト方式、テスト容易化設計、組込み自己テスト、テスタビリティ解析、ネットワーク信頼性評価、フェールセーフ
講義内容・授業計画
【講義内容】
ディペンダブル技術を適用して構築されたシステムには、フォールト(故障)発生に際してもそれに耐えて稼働し続ける頑健な特性が付与されている。コンピュータネットワークシステムの大規模化・広域化が進むにつれて、その信頼性向上に対する要請は高まる一方であり、これからの高度情報化社会ではディペンダビリティがますます重要なものとなることは間違いない。本講では、ディジタル回路レベルにおけるディペンダブル技術を主に学ぶ。特に、論理回路に対する故障検査・診断、故障補償については、これまで発表されている重要な学術報告を、簡単な例題を多用しつつ詳述する。
【授業計画】
1.高度なディジタル回路(その1)(口述による講義、キーワード:算術演算回路)      
2.高度なディジタル回路(その2)(口述による講義、キーワード:記憶回路)
3.高度なディジタル回路(その3)(口述による講義、キーワード:インターフェース回路)   
4.システム高信頼化概説(口述による講義、キーワード:ディペンダブル技術)
5.故障検査技術(その1)(テキスト第2章、キーワード:誤り検出、誤り訂正)       
6.故障検査技術(その2)(テキスト第2章、キーワード:誤り制御)
7.故障検査技術(その3)(口述による講義、キーワード:ENF、SPOOF、経路活性化法)   
8.高カバレッジな検出アルゴリズム(口述による講義、キーワード:ブール微分、Dアルゴリズム、FANアルゴリズム)
9.テスト容易化設計(その1)(テキスト第5章、キーワード:万能テスト方式) 
10.テスト容易化設計(その2)(テキスト第5章、キーワード:ランダムテスト方式)
11.テスト容易化設計(その3)(テキスト第5章、キーワード:スキャン方式)   
12.組込み自己テスト(テキスト第5章、キーワード:擬似ランダムテスト、全数テスト、シグネチャ解析)
13.テスタビリティ解析(テキスト第5章、キーワード:計算複雑度、テスト複雑度)       
14.ネットワークの信頼性評価(テキスト第6章、キーワード:階層ルーティング、高信頼ルーティング、メッシュネットワーク、リンク故障) 
15.安全性とフェールセーフ(テキスト第8章、キーワード:安全制御、フェールセーフ信号処理、フェールセーフ論理演算)
 
生成系AIの利用:
生成系AIの利用については教員の指示に従うこと。生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AIによる出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。
教科書
向殿政男編、フォールト・トレラント・コンピューティング、丸善株式会社
参考文献
①当麻喜弘編著、フォールトトレラントシステム論、電子情報通信学会編、コロナ社
②樹下行三、藤原秀雄共著、ディジタル回路の故障診断(上)、工学図書
(②は姫路書写学術情報館にあり)
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業に際して指示するテキスト教材の部分を事前読み込み(10h),プレゼンテーションの準備(3回、15h)
【復習】レポート作成(5回、15h)、講義内容の理解を深め定着させるためにテキスト教材を読み直し(20h)
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
講義目的・到達目標に記載する事項について十分習得した者に単位を授与する。同事項に関する到達度に応じてSからCまで成績を与える。レポートおよびプレゼンテーションを課す。レポート(30%)、プレゼンテーション(70%)を基準として、100点満点で採点し、60点以上を合格とする。
課題・試験結果の開示方法
レポートは、ユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使って講評を返す。
プレゼンテーションは、プレゼンテーション内容について議論をする。
履修上の注意・履修要件
大学において論理数学、ディジタル回路、集積回路、システム設計言語に関する十分な知識を修得しておくことが望ましい。なお、出席、受講態度も採点時に参考とするので、積極的に講義に参加するとともに、予習・復習を怠らないことを望む。
実践的教育
該当しない
備考
論理ゲートに対するトランジスタレベルの動作解析に関する基礎知識を最低限の準備学習課題とする。


英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。