シラバス情報

授業科目名
非線形振動論
(英語名)
Nonlinear Vibration
科目区分
機械工学専攻科目
対象学生
工学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HETMK5MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
担当教員
黒田 雅治
所属
工学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9
オフィスアワー・場所
オフィスアワーは事前にメールにて予約すること。場所は書写6401室。
連絡先
m-kuroda@eng.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
1◎
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
講義目的
 「機械力学」を発展させ、各専門分野にて将来遭遇するであろう非線形力学的諸問題を自力で解決するための基礎を造る。

到達目標
 与えられた非線形振動系に対して、適切な解析法を選択して具体的に計算でき、その力学的本質を抽出して説明することができること。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:
学部でマスターした機械力学(=線形振動)に飽き足らない人は、ぜひ非線形振動を勉強してください!

キーワード:
平均法、調和バランス法、多重尺度法、高調波振動、分数調波振動、自励振動、係数励振、カオス
講義内容・授業計画
科目の位置づけ・教育内容・方法
 線形系の振動現象については、学部の「機械力学」において学習した。大学院では、それを非線形系における振動現象に発展させる。非線形系においては、低自由度な系でも複雑な振動が起きる。それら複雑な非線形振動を理解するための基礎となる解析方法について解説する。

授業計画
1.非線形振動とは?:線形系と非線形系の相違について理解する。
2.平均法の原理:定数変化法に基づいた近似解法である平均法を習得する。
3.調和バランス法の原理:ガラーキン法に立脚した近似解法である調和バランス法を習得する。
4.多重尺度法の原理:摂動法を一般化した近似解法である多重尺度法を習得する。
5.多重尺度法の線形系への適用:多重尺度法を線形系に適用する。
6.多重尺度法の非線形系への適用:多重尺度法をダフィング系に適用する。
7.高調波振動:高調波振動の発生メカニズムについて摂動法を用いて理解する。
8.分数調波振動:分数調波振動の発生メカニズムについて摂動法を用いて理解する。
9.自励振動の分類:自励振動の種類を発生メカニズムに基づいて分類する。
10.自励振動の解析:摩擦に起因する自励振動の発生メカニズムについて理解する。
11.係数励振:マシュー方程式でモデル化される係数励振振動について平均法で解析する。
12.カオス振動の特徴:フラクタル次元、リアプノフ指数等、カオス現象の特徴量について理解する。
13.カオス振動の発生メカニズム:サドルの安定多様体と不安定多様体の間のホモクリニック点の存在からカオス現象の発生について理解する。
14.カオス振動のシミュレーション:ソフトウェアMATLAB/Simulinkを用いて実際にカオス振動のシミュレーションを実行する。
15.全体総括:改めて、非線形振動とは何かについてまとめる。

生成系AIの利用については教員の指示に従うこと。生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AIによる出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。
教科書
特に用いない。板書およびプリント配布で講義を進める。
参考文献
藪野著「工学のための非線形解析入門」(サイエンス社)、十河著「非線形物理学」(裳華房)など。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業資料の該当部分を事前読み込み(30h)。
【復習】レポート作成(1回、10h)、講義内容の理解を深め定着させるために授業資料・ノートを読み直し(20h)。
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
レポート(40%)、期末試験(60%)を総合して評価する。S(90点以上),A(80点以上),B(70点以上),C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。ただし、期末試験を受けない者は評価しない(したがって、単位を与えない)。
課題・試験結果の開示方法
レポートは、講評が欲しい学生にはユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使って講評を返す。
期末試験は、全体的な講評をユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使って示す。

履修上の注意・履修要件
「機械力学I」および「機械力学II」の既習が望ましい。

実践的教育
該当しない。

備考
学生の理解度により、授業計画の時間配分を変更することがある。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。