シラバス情報

授業科目名
熱化学Ⅱ
(英語名)
Thermochemistry Ⅱ
科目区分
化学工学専攻科目
対象学生
工学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HETMP5MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
山本 宏明
所属
工学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9
オフィスアワー・場所
火・木曜10:30〜12:00・書写C503号室
連絡先
hyama@eng.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
2◎/1〇
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】標準生成ギブズエネルギーなどの熱力学的諸量を用いて,化学反応や平衡反応の反応性を考察したりポテンシャル図や状態図などの化学平衡図を作成することは,材料の製造プロセスを考えたりリサイクルプロセスを構築する上で重要である.本講義では,熱力学的な計算方法や化学平衡に関する理解を深めることを目的とする.また,熱量計法や起電力法による標準生成ギブズエネルギーの決定に関する研究や,活量や化学ポテンシャルの計算,化学平衡図の作成について解説する。
【到達目標】1)熱力学データを任意の反応に応用することができ,化学平衡の概要を説明することができるようになる,2)標準生成ギブズエネルギーの決定に関する方法を整理し説明できるようになること,3)熱力学データを用いて化学平衡図などを作成することができること,4)作成した化学平衡図を応用して酸化などの化学反応の過程を説明できるようになること, である.
授業のサブタイトル・キーワード
講義内容・授業計画
【講義内容】本講義では,学部時に学習した物理化学Iおよび物理化学IIの内容の内,化学平衡の基礎について復習する.次いで,熱力学諸量を利用して化学反応が進行する過程の系のギブズエネルギー変化を実際に算出し,その結果に基づき平衡に至るまでにどこまで反応が進行するかなどを考察する方法について解説する.また,標準生成ギブズエネルギーを決定するいくつかの方法について説明する.特に,代表的な方法の一つである起電力法を取り上げ,測定原理や手法について解説するとともに関連論文を紹介し,測定・決定した熱力学諸量に基づいて活量の算出や、化学平衡図を作成する原理について解説する.

【授業計画】
1.ガイダンス 本講義の概要を説明する.
2.物理化学に関する基礎的事項の復習(物理化学I,物理化学IIの内容を中心に)
3.標準生成ギブズエネルギーの利用(データベースの利用)
4.標準生成ギブズエネルギーに関する演習問題
5.標準生成ギブズエネルギーと反応ギブズエネルギー(化学反応の方向性について)
6.反応進行度と化学平衡(反応の進行に伴う系のギブズエネルギーの変化について)
7.化学平衡に与える圧力・温度の影響(ルシャトリエの原理について)
8.ハーバー・ボッシュ法に関する演習問題
9.熱力学諸量の測定に関する概要(熱量計法や起電力法について)
9.起電力法による熱力学諸量の測定方法と原理
10.起電力法に関する演習問題
11.熱力学諸量の活用方法(その1)(活量,平衡酸素分圧の計算について)
12.活量の算出に関する演習問題
13.熱力学諸量の活用方法(その2)(酸素ポテンシャル図の作成について)
14.酸素ポテンシャル図の作成に関する演習問題
15.全体を通じてのまとめ

※定期試験は実施しない
※パソコンの利用:講義資料の閲覧に使用しても可
※生成系AIの利用については教員の指示に従うこと。生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AIに
よる出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。
教科書
各回の講義内容で使用するスライドを講義資料としてダウンロードできるようにする
参考文献
香山滉一郎著、化学熱力学、アグネ技術センター
アトキンス物理化学(上),東京化学同人(学部の物理化学で使用)
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】配布講義資料の関連部分の事前読み込み(20 h)
【復習】レポート作成(5回、20h)、講義内容の理解を深めるため,該当部分の配布講義資料を読み直し(15 h)
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
熱力学の諸法則を用いて熱力学データを活用して化学平衡図などを作成する原理を理解し,その化学平衡図を通して材料設計・製造プロセスを構築し,現象の考察へ応用できる者に単位を授与する.講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能,思考力,判断力,表現力等)の到達度に応じてSからCまで成績を与える.
【成績評価の方法】
課題についてのレポートを評価し,受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する.
課題・試験結果の開示方法
レポートの模範解答は次回の講義内で解説・コメントし,最終のレポートについては模範解答を配布する.
履修上の注意・履修要件
講義内容に該当する箇所に関して,配布資料,参考文献を読んで予習・復習をして講義に出席すること.特にレポート課題を通して講義内容に対する理解を深めること.

実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。