シラバス情報

授業科目名
細胞生物学5
(英語名)
Cell biology 5
科目区分
専門教育科目/教職課程科目
-
対象学生
理学部
学年
3年
ナンバリングコード
HSSBA3MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
(Spring semester)
担当教員
吉久 徹
所属
理学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
該当なし
オフィスアワー・場所
講義日、午後12:15〜13:00(講義室あるいは研究棟501号室)。メールにての質問は随時。
連絡先
tyoshihi@sci.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
2◎/10◎/11◎
研究科DP
全学DP
1-1◎/1-2〇
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力

講義目的・到達目標
【講義目的】
 本講義では、遺伝子発現という事象を、RNAを中心にした視点から捉え直す。また、RNAやタンパク質がどのように適切な細胞内区画に運ばれるかといった、セントラルドグマとそれ以降の遺伝情報の「空間的な流れ」を、細胞生物学見地から理解する。
【到達目標】
 遺伝子発現における転写以降のRNAの修飾・品質管理、タンパク質の翻訳とその制御に関する個別の事項を説明でき、これらをRNAの細胞内動態を関係づけて記述できるようになること。タンパク質の様々な細胞小器官への局在化や品質管理の機構を記述でき、タンパク質の機能化について、セントラルドグマ以降のシステムも意識しながら統合し、それを説明できるようになること。
授業のサブタイトル・キーワード
RNA、RNAの成熟化、non-coding RNA、翻訳、翻訳制御、局在化シグナル、核−細胞質間輸送、(タンパク質の)膜透過、小胞輸送、エンドサイトーシス、オートファジー
講義内容・授業計画
【講義内容】
 本講義は大きく二つのセクションからなる。セクションAでは、転写されたRNAの修飾、機能化や品質管理、タンパク質の翻訳や翻訳制御に関する事項を、RNAを中心とした視点より詳しく解説する。さらに、より多様なRNAの機能とその進化的な意味についても概説する。セクションBでは、翻訳されたタンパク質が様々な細胞内外の区画に運ばれて機能するのに必要な生体高分子の細胞内区画間輸送のうち、核–細胞質間輸送、オルガネラ膜透過、小胞輸送、エンドサイトーシス、オートファジーについて解説する。本授業内容は、教科書Essential細胞生物学第5版第7章の転写を除く部分、第8章の転写後の調節、第15章の全体に相当するが、内容はより詳しいものである。
【授業計画】
第1回 授業の説明とイントロダクション、§A1-1(mRNAの末端修飾)
第2回 §A1-2(mRNAのスプライシング)
第3回 §A1-3(tRNAやrRNAの成熟化、核内での修飾機能の空間的分担)
第4回 §A1-4(RNAの分解と品質管理)
第5回 §A2-1(リボソーム、開始、延長、終結)
第6回 §A3-1(翻訳制御、mRNAの局在)
第7回 §A3-2(RNA干渉)
第8回 §A3-3(non-coding RNAによる制御)、§A4-1(多様なRNAの機能、RNA World)
第9回 §B1(様々な細胞内区画、オルガネラへのタンパク質局在の原理)
第10回 §B2(核膜透過)
第11回 §B2(ミトコンドリア膜透過、色素体膜透過)
第12回 §B2(小胞体膜透過と品質管理、ペルオキシソーム膜透過)
第13回 §B3(小胞輸送)
第14回 §B3(層板成熟、分泌経路とゴルジ体での選別)
第15回 §B4(エンドサイトーシス、オートファジー)
 各回において配布する授業資料を見る、あるいは、時々授業中に行う簡単な課題(クイズ)をUniversal Passportを利用して回答してもらうために、PCもしくはタブレットを使用する。


*生成系AI の利用について
 生成系AI の利用については教員の指示に従うこと。生成系AI による出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AI による出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。
教科書
B. Albertsら「Essential細胞生物学 第5版」(南江堂)、および、講義の際に配付されるPowerPointのスライド。スライドのpdfファイルは、Universal Passportにアップされる。また、各サブセクション終了毎に自宅学習をサポートするための学習項目を「自宅学習の参考」として配布する。
参考文献
説明資料として、B. Albertsら「Molecular Biology of the Cell, 7th edition」(WW Norton & Co)、J. Watsonら「Molecular Biology of the Gene, 7th ed.」(Cold Spring Harbor Press、Pearson)、Cassimerisら「Lewin's Cells, 2nd ed.」(Jones and Bartlett)、Lodishら「Molecular Cell Biology, 9th ed.」(Macmillan)、Voet and Voet「Biochemistry, 4th edition」(Wiley)等の図版も用いる。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】
 Essential細胞生物学第5版の各サブセクションに対応する部分を予め読んで理解し、また、配布された授業資料に予め目を通しておくこと(15 h)。
【復習】
 講義内容の理解を深め定着させるために、各授業後に授業資料と授業ノートを読み直し授業内容の整理を行うこと。また、サブセクション終了時には、「自宅学習の参考」を元に、授業内容をまとめ理解を深めること(40h)。レポート作成(2回、5 h)。
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
 到達目標に記載する能力(各項目の知識、個別の知識を結び付けて統合的な理解に導く思考力、これらを適切かつ論理的に記述する表現力等)の到達度に基づき、S(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。
【成績評価の方法】
 クイズ10%、レポート20%、定期試験70%を基準として、総合的に評価する。
課題・試験結果の開示方法
クイズは、同じ授業時間内で解説する。レポートは、全体の講評や、特に優れた回答、あるいは、問題の多かった課題の内容について(個人の特定はしない)、Universal Passportのクラスプロファイル機能を用いて発信する。必要に応じて、授業でも触れる可能性あり。
履修上の注意・履修要件
分子生物学1と分子生物学2を履修しておくことが望ましい。
実践的教育
該当しない。
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。