教員名 : 大岩 和弘
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授業科目名
生体分子機能計測学
(英語名)
Functional Dissection of Bio-molecules
科目区分
ー
生命科学専攻・生体物質機能解析学・選択科目
対象学生
理学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HSSML5MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
(Spring semester)
担当教員
大岩 和弘
所属
非常勤講師
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9
オフィスアワー・場所
月曜日 10:00−12:00 教員研究室 604 及び 授業終了後30分間
連絡先
oiwa@nict.go.jp
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
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研究科DP
1◎/6〇
全学DP
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教職課程の学修目標
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講義目的・到達目標
【講義目的】生命機能の理解には生体高分子の分子レベルでのダイナミクスの理解が不可欠である。本講義では、生体高分子ダイナミクスの理解を深めることを目的として、その機能・特性を生理学的条件下で直接観察・計測する技術と、この計測法の基本となっている光学顕微鏡の原理、蛍光分光計測の基礎、酵素反応速度論を対象に、概念やそれを取り巻く課題について論究する。
【到達目標】この講義の到達目標は、独創的かつ先駆的な基礎研究を推進する能力として、1)生体高分子の機能計測の基礎理論を修得することであり、基礎的な専門知識の体系的理解として、2)その計測が示す生体高分子の機能動態を描像できるようになることである。 授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:タンパク質の構造と機能を物理学的視点から捉えるための基礎力を身につける生物物理学的タンパク質機能論
キーワード:ブラウン運動、レイノルズ数 講義内容・授業計画
【講義内容】高精度・高機能の光学顕微鏡の開発によって、生体高分子の機能・特性を単一分子レベルで直接測定することが可能となり、これまでの集団平均を用いた測定では検出できなかった生体高分子のダイナミックな特性が明らかになってきている。この測定法を理解するためには、巨視的・集団平均を対象にしたものとは異なる物理学・化学の知識が必要となる。本講義では、生体高分子の中でも特に細胞骨格・タンパク質モータに関する最新の研究成果を例にして、微視的世界での生体高分子の挙動を理解するための基礎的知識を修得する。また、生体におけるタンパク質の機能を解析する手段として重要な光学顕微鏡の基本原理、ディジタル画像処理、および最先端の超解像高性能光学顕微鏡の原理とその利用法について具体的事例を通して講述する。
【授業計画】 第1回−第2回 タンパク質の基本構造・基本的性質と熱揺らぎとの関連 第3回−第4回 ナノメートルの世界を理解する為の生物物理学的基礎 第5回 細胞運動の物理学特性の概説 第6回 タンパク質モータの構造概説 第7回 タンパク質の物性測定:磁気ピンセット 顕微操作技術 第8回 光ピンセット技術 第9回 原子間力顕微鏡 第10回−第12回 先端的光学顕微鏡の原理とその応用 単一蛍光分子観察法、超解像光学顕微鏡 ディジタル画像処理技術 第13回−第15回 光学顕微鏡技術に関連した最新研究の論考 【生成AIを利用する授業について記載】 生成系AIの利用: 生成系AIの利用については教員の指示に従うこと。課題レポートの作成や事前・事後学習に当たり、事例検索、翻訳等に補助的に生成系AIを使用しても良い。しかし、生成系AIの出力した内容について、事実関係の確認や出典・参考文献を確認・追記することが重要である。 教科書
・Jonathon Howard, 2001. Mechanics of Motor Proteins and the Cytoskeleton, Sinauer Associates, Sunderland, MA
・David Boal, 2012. Mechanics of the Cell, 2nd ed. Cambridge University Press 参考文献
生物物理学 (物理学アドバンストシリーズ)鳥谷部 祥一 (著),(日本評論社)。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【事前学習】受講者は指定された原著論文を事前に読み込む(15h)、原著論文が扱ったテーマに関連する基礎知識を指定の教科書などを参考にして、十分事前に理解して講義に臨む(15h)。
【事後学習】レポート作成(3回x5h)、講義内容の理解を深め定着させるための指定テキスト教材を読み直し(15h)。 アクティブ・ラーニングの内容
採用しない。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
生体分子の機能発現の物理を理解し、機能状態を描像することができる者については、講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に基づき、S(90点以上),A(80点以上),B(70点以上),C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。 【成績評価の方法】 レポート・小テスト100%を基準として、受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する。 課題・試験結果の開示方法
小テストは、原則 次の講義内で解説する。
レポートは、優れた内容のものを講義の中で紹介しながら講評するほか、最終レポートについてはユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使って講評を返す。 履修上の注意・履修要件
・履修定員を10名とし、履修希望者が定員を超える場合は、ランダム抽選により履修者を決定する。なお、履修希望者が定員を若干名超える場合は、履修希望者全員の履修を認める場合もある。
・授業中に指示した宿題や事前・事後学習はもとより、「講義内容・授業計画」に記載したテキスト等の該当箇所などについて、十分な予習・復習をして講義に出席すること。 ・情報通信研究機構(神戸市内)の見学(希望者のみ)を行う予定である。(交通費等は各自の負担とする) 実践的教育
該当しない。
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
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