教員名 : 井上 靖子
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授業科目名
臨床心理学特論
(英語名)
Advanced Study for Clinical Psychology
科目区分
ー
博士前期課程科目 保健体育・栄養教諭専修免許(選択科目)
対象学生
環境人間学研究科
学年
学年指定なし
ナンバリングコード
HHHME5MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
(Fall semester)
担当教員
井上 靖子
所属
環境人間学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標3/目標4/目標16
オフィスアワー・場所
日時:メールによる連絡を受けて決定する
場所:E棟204の教員研究室 連絡先
オフィスアワー一覧表(ユニバーサルパスポートに掲示)
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
ー
研究科DP
2◎/1〇
全学DP
4-1◎/1-1〇/2-1〇
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力/目標2:教え、寄り添う力/目標3:協働する力
講義目的・到達目標
本講義は、臨床心理学の基礎知識を獲得し、人間のこころとは何かについて自らの言葉で説明できること、日常生活において気になるこころの諸問題について振り返り、臨床心理学的な観点から検討を行い、自らの考えや意見を表現できることを目的とする。さらに、心理テストや心理療法の演習を行い、人と人との関わりで癒える力とは何かを探究していく。さらに各自が、自らの研究テーマに関係づけられる、もしくは各自が興味関心をもった心の諸問題をテーマにして発表し、それらの個別事例や体験談に対してどのような捉え方をしたり、関わっていくのがよいのかを討論していくことを目標とする。
本講義の到達目標は、1)臨床心理学の基礎知識を獲得し、人間のこころとは何かについて自らの言葉で説明できる、2)こころの諸問題を臨床心理学的な観点から検討して、自らの考えや意見を表明できる、3)心理テストや心理療法の演習を通して、人と人との関わりで癒える力とは何かを探究していく、4)自らの研究テーマに関係づけられる、もしくは各自が興味関心をもったこころの諸問題をテーマとして取り挙げられる、である。 授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:こころの深みやこころの多様性に寄り添い、こころの癒しについて探る
キーワード:こころの世界(意識と無意識)、自分を知る、悩みを上手に聴く方法、癒える力、こころの変容や成長、運命との付き合い方、心理テスト、箱庭療法、表現療法、夢分析 講義内容・授業計画
【講義概要】
本講義では、臨床心理学の基礎知識を獲得し、そのうえで、心理テストや心理療法演習を行い、自分を知り、他者のへの傾聴や共感を通して、こころの深みやこころの多様性に触れる。こうした体験演習において、心身の感受性の涵養が心理療法(カウンセリング)の基本にあることを実践してもらう。各自が、自らの研究テーマに関係づけられる、もしくは各自が興味関心をもったこころの諸問題をテーマにして発表し、それらの個別事例や体験談に対して、学生同士で対話し、議論することを重視する。自分および他者に対する臨床心理学的な見方や捉え方ができることをめざす。 【講義の進行計画】 1.ガイダンス 本講義の目的と概要説明 2.こころとは何か(意識と無意識) 3.こころの悩みと見立て・運命との付き合い方 4.心理テストの演習(質問紙法・投影法) 5.箱庭療法の概説 6.箱庭療法の実践 7.箱庭療法の解釈 8.夢分析の概説 9.夢分析の実践 10.夢分析の解釈 11.心理療法とは何か・悩みを上手に聴く方法 12.心理療法の事例検討(不登校) 13.心理療法の事例検討(児童虐待) 14.現代社会における心の諸問題と将来への課題 15.まとめと評価(到達度の確認) 単位認定課題 パソコンの利用:資料等を印刷して持参できない場合はパソコンを持参してもよい。 生成系AIの利用:生成系AIの利用については、教員の指示に従うこと。生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AIによる出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない。又は認定を取り消すことがある。 教科書
講義時間中および体験演習の再、適宜、プリント資料を配布したり、その都度、参考文献を紹介する
参考文献
井上靖子編(2020)『経験と理論をつなぐ 心理学』 八千代出版
井上靖子(2021)『「母なるものの元型」イメージがもたらす心の変容−事例にみる「二度生まれの心理療法」論』創元社 氏原寛・小川捷之・東山紘久・村瀬孝雄・山中康裕共編(1992)『心理臨床大辞典』培風館 事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】事前に配布した講義資料等を十分に読み込みをしておく(0.5h×15回 7.5h)。また、適宜、事前学習用のコメント用紙を配付するので、講義時間中に提示された課題(講義の数回以内で予定)について、事前学習用のコメント用紙に記入して準備する(0.5h×5回 2.5h)。なお、各自の研究テーマに絡めた内容でよいので、「こころの諸問題とカウンセリング」に関するテーマで2h程度のPPTによる個人発表の時間も予定している。それについて文献等で調べたうえで、PPTの準備と配布資料の作成を行う(10h程度×1回 10h)。予習には合計20h。
【復習】講義資料をもとに、各自の疑問や意見を相互に発表しあった内容、各講義の内容について疑問点やより詳しく調べたい点について文献等を読み込む(1h×15回 15h)。心理テスト演習のレポート2件(5h×2件 10h)、表現療法、箱庭療法、夢分析の体験演習レポート3件(5h×3件 15h)。復習には合計40h。 アクティブ・ラーニングの内容
こころの深みやこころの多様性に寄り添い、こころの癒しについて探るには、自分や他者の言語的、非言語的なメッセージに耳を傾け、そこで感じたこと、気づいたことを意識し、必要に応じて共有し、対話や共感を体験することが重要である。そこで、各講義について、自分の感じたこと、気づいたことを表現したり、他者と共有するなどの体験演習を重視する(15回)。ただし、気持ちの許せる範囲でよく、無理に強制するものではない。本人が言いたくないことまで話さなくてもよいので、安心してほしい。心理テスト、表現療法、箱庭療法、夢分析などにおいても、自分の感じたこと、気づいたことを表現したり、他者と共有するなどの体験演習を行う(7回)。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
臨床心理学の基礎知識を取り入れ、人間のこころとは何かについて、自らの考えや意見を言葉やイメージで表現できる、心理テストや心理療法演習、および各自が、自らの研究テーマに関係づけられる、もしくは各自が興味関心をもったこころの諸問題をテーマにして、パワーポイント等を用いた発表に出席した者に単位を授与する。講義目的・到達目標に記載する能力(知識、思考力、想像力や共感力等)の到達度に応じてS(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。 【成績評価の方法】 単位認定課題レポート35%、心理テストおよび体験演習レポート35%を基準とし、受講態度(出席率、演習への取り組み、積極的な質問等)30%を含めて総合的に評価する。特別な事情がない限り、単位認定評価は2/3以上の出席者に限る。 集中講義の場合も、単位認定課題レポート35%、心理テストおよび体験演習レポート35%を基準とし、受講態度(出席率、演習への取り組み、積極的な質問等)30%を含めて総合的に評価する。特別な事情がない限り、単位認定評価は2/3以上の出席者に限る。集中講義で実施した場合は、2から3日はオンライン講義、1日は対面講義となるため、半日以上休むと不可になる。 課題・試験結果の開示方法
講義毎の学生同士の意見交換や体験演習について教員が適宜、意見や気づきを伝えたりする。
なお、各自の研究テーマに絡めた「こころの諸問題とカウンセリング」に関する発表について、教員が適宜、意見や気づきを伝えたりする。 心理テストおよび体験演習レポートについては、学生からの要望に応じてコメントを付して返却する。 履修上の注意・履修要件
心理テストや心理療法の体験演習についてはその演習の内容とそれについて自己分析した内容を、レポートとして提出する。また、各自が、自らの研究テーマに関係づけられる、もしくは各自が興味関心をもった心の諸問題をテーマにして、パワーポイント等を用いた個人発表も行なうため、その際、テーマに関するレジュメやパワーポイントの資料などの作成準備をしてもらう。最終的に、発表内容や発表時で討論したことをもとに、単位認定レポートを作成して、提出する。
特別な事情がないのに20分以上過ぎての遅刻、途中退席は欠席扱いとなる。欠席の場合は、所定の用紙に理由を記述して提出する。1/3以上の欠席の場合、特別な事情がない限り、原則として単位を認めることが難しい。 実践的教育
臨床心理士、公認心理師の資格をもつ教員が、様々な心理療法の演習、相談事例の検討を指導することから、実践的教育に該当する。
備考
担当教員は心理臨床実践研究を行っている。本講義は主として、臨床心理学の専門研究に入るための基礎的知識の習得と臨床実践を行うための基本的態度の育成をめざしている。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
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