教員名 : 西村 洋平
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授業科目名
人間学特論
(英語名)
Advanced Course in Philosophical Anthropology
科目区分
ー
博士前期課程科目
保健体育・栄養教諭専修免許(選択科目) 対象学生
環境人間学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HHHME5MCA3
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
演習 (Seminar)
開講時期
2024年度前期
(Spring semester)
担当教員
西村 洋平
所属
環境人間学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標1/目標4/目標10
オフィスアワー・場所
オフィスアワー一覧表(ユニバーサルパスポートに掲示)を参照のこと
連絡先
オフィスアワー一覧表(ユニバーサルパスポートに掲示)を参照のこと
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
ー
研究科DP
1◎/2〇
全学DP
1-1◎/2-2〇
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力/目標2:教え、寄り添う力/目標3:協働する力
講義目的・到達目標
【講義目的】 現代アメリカの政治哲学者マーサ・ヌスバウムは、人間が尊厳ある生を営むために必要なものを人間の可能力(ケイパビリティ)に基づいて規定し、その可能力リストを充足することが社会的正義であると論じる。本講義は、ヌスバウムの「可能力アプローチ」を取り上げて論じ、人間の本質とは何か、尊厳ある生とは何か、その実現のためにどのような教育や支援が必要なのかを考える。 【到達目標】
授業のサブタイトル・キーワード
人間の本質、可能力、尊厳、人間性の教育、ケア
講義内容・授業計画
【講義内容】
本講義では、まずヌスバウムの『正義のフロンティア––障碍者・外国人・動物という境界を超えて』での障碍者に対するケアの問題を読み、「可能力アプローチ」について理解を深める。次に、『経済成長がすべてか?デモクラシーが人文学を必要とする理由』で論じられる、他の集団や劣った者を排除してしまう傾向を克服するための、人間性涵養のための教育論を取り上げる。最後に、現代日本における様々な問題を取り上げて、教育や社会的支援の現場においてどのように可能力アプローチが応用可能かを考える。 【授業計画】 第1回:イントロダクション:ヌスバウムについて 第2回:背景にある正義の問題(『正義のフロンティア』第1章の解説) 第3回:忘れられた障碍者へのケア(『正義のフロンティア』第2章前半を読む) 第4回:ケアの倫理とその問題(『正義のフロンティア』第2章後半を読む) 第5回:可能力アプローチによるケアのあり方(『正義のフロンティア』第3章前半を読む) 第6回:人間の尊厳について(『正義のフロンティア』第3章後半を読む) 第7回:人間性涵養のための教育(『経済成長がすべてか?』第3章を読む) 第8回:他者と対話することの重要性(『経済成長がすべてか?』第4章を読む) 第9回:世界市民のための教育(『経済成長がすべてか?』第5章を読む) 第10回:教育現場への応用(1)人間の尊厳と道徳教育 第11回:教育現場への応用(2)いじめの問題 第12回:教育現場への応用(3)ヤングケアラー問題を通して家族・学校の関係を考える 第13回:社会的支援への応用(1)ジェンダー格差や性的マイノリティへの差別の問題 第14回:社会的支援への応用(2)高齢者の可能力を考える 第15回:現代日本社会の問題に応用する(履修者によるレポート・ディスカッション)*生成系AIの利用については教員の指示に従うこと。 教科書
マーサ・C・ヌスバウム『正義のフロンティア––障碍者・外国人・動物という境界を超えて』(神島裕子訳)法政大学出版局,2012年。 マーサ・C・ヌスバウム『経済成長がすべてか?デモクラシーが人文学を必要とする理由』(小沢自然・小野正嗣訳)岩波書店,2013。*必要な箇所をコピーして配布する。 参考文献
神島裕子『マーサ・ヌスバウム––人間性涵養の哲学』中央公論新社,2013。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】指示されたテキストを読み、要約と問題点の整理、レジュメの準備(30h)、現代日本の社会問題に応用するレポートの準備(5)
【復習】授業内容の理解を深め定着させるためにテキストを読み直す(15h)、議論で出た問題点を整理し調査する(10h) アクティブ・ラーニングの内容
演習形式のため,ディスカッションを中心としたアクティブ・ラーニングを行う。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
課題・試験結果の開示方法
授業で課すレジュメやレポートについては授業の場で講評する。
履修上の注意・履修要件
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
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