シラバス情報

授業科目名
田園生態資源論
(英語名)
Ecological Resources in Rural Regions
科目区分
専門科目
対象学生
地域資源マネジメント研究科
学年
1年
ナンバリングコード
TGRMR5MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
(Fall semester)
担当教員
出口 智広、西村 いつき
所属
地域資源マネジメント研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標12/目標13/目標15
オフィスアワー・場所
講義終了後、教室にて
連絡先
学務課に問い合わせ

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
2◎/1〇/3〇
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
水田を中心とする田園風景は、多くの日本人にとって郷愁を誘うものであり、その景観自体が重要な地域資源と言える。そして、その本質的な価値は、農林水産業という人の営為を通した食糧供給と生物多様性保全にあり、この価値を生み出しているのが、田園生態系を構成する森・川・水田といった各景観要素のもつ生態的機能と、水による景観要素間の連結である。本講義では、これらの要素と連結が、各種生物の生活史特性を通して、地域固有の関係性を築き上げている仕組みを理解することを目的とする。田園生態資源とは、適切な人為的撹乱をともなった、地域における生物と環境、および生物同士の適切な相互作用が生み出す機能系であることを理解し、この機能を他者に解説できることを到達目標とする。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:地域の自然資源を活用するための洞察力を身につける学問
キーワード:生態系サービス、里地里山イニシアチブ、環境経済
講義内容・授業計画

田園を構成する環境要素の生態的機能とその連続性の意義や、そこに生息する生物群集と各動物群の代表種をとりあげ、それらの生活史特性と田園との関わりについて講義する。さらに本講義では食料供給と生物多様性保全の両立を目指した環境創造型農業とそれを後押しする公共政策についても取り上げる。

1.田園と農林水産業(出口:概念・行政施策の紹介)

2.田園を構成する環境要素Ⅰ(出口:資料の理解確認と概念の紹介)

3.田園を構成する環境要素Ⅱ(出口:資料の理解確認と概念の紹介)

4.環境創造型農業Ⅰ(西村:概念・事例の紹介)

5.環境創造型農業Ⅱ(西村:概念・事例の紹介)

6.水がつなぐ田園生態系(出口:概念・事例の紹介)

7.河川の生態的機能(出口:資料の理解確認と概念・事例の紹介)

8.田園生態系の生物群集(出口:資料の理解確認と概念・事例の紹介)

9.環境創造型農業Ⅲ (西村:概念・事例の紹介)

10.環境創造型農業と公共政策(西村:概念・行政施策の紹介)

11.田園生態系に生息する動物群Ⅰ(出口:概念・事例の紹介)

12.田園生態系に生息する動物群Ⅱ(出口:資料の理解確認と概念・事例の紹介)

13.田園生態系に生息する動物群Ⅲ(出口:資料の理解確認と概念・事例の紹介)

14.田園生態系に生息する動物群Ⅳ(出口:資料の理解確認と概念・事例の紹介)
15.まとめと評価(到達度の確認)(出口・西村:受講者によるワークショップ)
※パソコンの利用:特に必要なし
※生成AIの利用の際には担当教員に申し出ること
教科書
講義内容について詳しく書かれた論文もしくは解説文を各回の講義後に配布する。
参考文献
適宜指示する。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
予習は不要。
復習については、当回講義で扱った事例の詳細を示した資料を配布するので、次回講義まで(第15回講義については期限なし)に読み込んでおくこと(60h)。
アクティブ・ラーニングの内容
受講者は、配布資料に対する関心や疑問を発表することで、参加者との情報の共有および意見交換を求める。最終回の講義では、教員からの問いに対し、受講者はワークショップ形式で意見をまとめて発表する。
成績評価の基準・方法
本講義では農地における環境や生態系の概念を理解し、その内容を口頭説明できる者に単位を与える。具体的には、各回の講義後に配布する、詳しい内容が書かれた論文・総説について、次回講義時に行う意見や感想の口頭発表(80%)と、講義参加者と意見交換する受講態度(20%)を元に、S(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)の成績を与える。基本的に筆記試験やレポートなど記述能力では評価しない。
課題・試験結果の開示方法
各回講義時の受講者の発表に対して、他の事例を紹介しながら講評する。
履修上の注意・履修要件
地球科学、生態学、生物学、社会学を履修しておくことが望ましい。授業は田園生態系を自然科学的視点、工学的視点、社会科学的視点、教育学的視点などの多様な価値観をもって考えることができる素養を習得することを目指している。当授業は、原則すべての授業を対面で実施する予定。
実践的教育
該当しない。
備考
この講義は,担当教員の専門分野である生態学の基礎的側面と応用的側面を解説するものである。詳細は教員研究者データベースHPhttps://cv01.ufinity.jp/u_hyogo/)を参照のこと。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。