シラバス情報

授業科目名
応用国際経済学Ⅱ (国際商経・専門科目)
(英語名)
Applied International Economics II (J) (国際商経・専門科目)
科目区分
専門教育科目
対象学生
国際商経学部
学年
2年
ナンバリングコード
KCCBK2MCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
西山 博幸
所属
国際商経学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
該当なし
オフィスアワー・場所
随時 研究室(A419)
来室希望の場合は、Emailにて事前に問い合わせること。
連絡先
nisiyama@em.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
1◎/4◎/2〇
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】
学生が、国際間の資本移動とくに海外直接投資(以下、FDI)の実態を理解したうえで、多国籍企業の海外進出行動を目的別に分類し、FDIの発生メカニズムやその経済的影響を理論的に分析することができる能力を培うことを目的とする。

【到達目標】
1.多国籍企業の海外進出の要因やFDIの性質を理解すること。
2.FDIの発生メカニズムとその拡大が各国経済に及ぼす影響に関する諸理論を習得すること。
授業のサブタイトル・キーワード
【サブタイトル】
FDIおよび多国籍企業の海外進出行動に関する基礎知識と、FDIの経済的影響を理論的に理解するための論理的思考力を身に付ける直接投資論

【キーワード】
国際資本移動、FDI、多国籍企業、Hymer-Kindleberger命題、内部化理論、折衷理論、MacDougall-Kemp model、経営資源アプローチ
講義内容・授業計画
【講義内容】
本講義では、FDIの定義やその特徴を紹介したうえで、多国籍企業の海外進出行動に関する伝統的な学説を紹介する。さらにFDIの発生メカニズムやその各国・世界経済への影響を分析するための国際経済理論、および理論分析の基礎となる数学的手法についても講義する。

【授業計画】
1.講義目的と概要の説明
2.国際資本移動の基礎概念
3.FDIの定義
4.数学的予備知識(微分・積分法、生産関数、最適化問題)
5.FDIと多国籍企業:Hymer-Kindleberger命題
6.FDIと多国籍企業:内部化理論
7.FDIと多国籍企業:折衷理論
8.FDIの理論1:MacDougall-Kemp model(基本的枠組み)
9.FDIの理論2:MacDougall-Kemp model(FDIの経済効果)
10.FDIの理論3:経営資源の移動とFDI
11.FDIと貿易との関係
12.FDIの類型
13.企業の異質性モデルとFDI
14.貿易・FDI・フラグメンテーションと国際分業の実態:タイの事例
15.講義内容の総復習
定期試験
教科書
特定テキストは使用しないが、講義内容に関連する書籍・資料等は講義中に指示する。
参考文献
下記数点を挙げておくが他にも良書や優れた論文は多数ある。参考までに以下の文献をあげておく

Ⅰ 著書
小島清『海外直接投資のマクロ分析』文眞堂、1989年。
洞口治夫『日本企業の海外直接投資』東京大学出版会、1992年。
清田耕造『拡大する直接投資と日本企業』NTT出版、2015年。
松浦 寿幸『海外直接投資の理論・実証研究の新潮流』三菱経済研究所、2015年。
Markusen JR., 2002, Multinational firms and the theory of intl. trade, The MIT Press.
Helpman E. and Krugman PR., 2002, Market structure and foreign trade, The MIT Press.

Ⅱ 論文
Helpman E., 1984, A simple theory of international trade with multinational corporations. Journal of Political Economy, 92(3), 451–471.
Helpman, E., 2006, Trade, FDI, and the organization of firms. Journal of Economic Literature, 44(3), 589–630.
Helpman, E., Melitz, MJ., and Yeaple, SR., 2004, Export versus FDI with heterogeneous firms. American Economic Review, 94(1), 300–316.
Horstmann, I., and Markusen, JR., 1992, Endogenous market structures in international trade. Journal of International Economics, 20, 225–247.
Markusen, JR., 1984, Multinationals, multi-plant economies, and the gains from trade. Journal of International Economics, 16(3–4), 205–226.
Markusen, JR., and Venables, AJ., 1998, Multinational firms and the new trade theory. Journal of International Economics, 46(2), 183–203.
Melitz, MJ., 2003, The impact of trade on intra-industry reallocations and aggregate industry productivity. Econometrica, 71(6), 1695–1725.
Tomiura, E., 2007, Foreign outsourcing, exporting, and FDI: A productivity comparison at the firm level. Journal of International Economics, 72(1), 113–127.
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】
参考文献等の講義内容関連箇所を事前に読み込むこと。(各2時間)

【復習】
講義内容の理解を深め定着させるために講義ノートを読み直すこと。(各2時間)
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
講義内容の理解度・論証能力の程度に応じて、S(90点以上)、A(80 点以上)、B(70 点以上)、C(60 点以上)、D(60点未満)の5段階成績評価を行い、C以上のスコアを獲得した学生に単位を付与する。

【成績評価の方法】
定期試験100%(後期末に実施)
課題・試験結果の開示方法
授業評価アンケートの教員コメント欄に、試験結果に関するコメントもあわせて記載する。
履修上の注意・履修要件
・不明点はそのままにせず、早い段階で質問すること。復習は十分に行うこと。
・国際経済学領域の応用科目であるので、国際経済学Ⅰ・Ⅱを履修しておくことが望ましい。
・講義は板書形式で行う。
実践的教育
該当しない。
備考
担当教員の研究領域は国際経済学であり、本講義は直接投資・貿易分野の専門的知識を用いて学部レベル科目として開講するものである。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。