教員名 : 佐々木 貴宏
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授業科目名
特殊講義A(情報科学) システム思考とシミュレーション
(英語名)
特殊講義A(情報科学) システム思考とシミュレーション
科目区分
専門教育科目
ー
対象学生
社会情報科学部
学年
学年指定なし
ナンバリングコード
KCJBS1MCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
担当教員
佐々木 貴宏、中村 知道
所属
非常勤講師(ソニーコンピュータサイエンス研究所)
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
該当なし
オフィスアワー・場所
講義終了後の1時間・中村教員の研究室
連絡先
tomo@gsis.u-hyogo.ac.jp
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
3◎/1〇
研究科DP
ー
全学DP
ー
教職課程の学修目標
ー
講義目的・到達目標
●講義目的
システム思考に関する理論や方法論を理解し、システムの構造的モデリングの一連の流れを理解することを、本講義の目的とする。 ●到達目標 システム思考の基礎を理解し、着目する現象や問題に関して、システムダイナミクスの記法を用いて定性モデルおよび定量モデルを構築し、簡単なシミュレーションが出来るようになることである 授業のサブタイトル・キーワード
未来をたぐりよせるモデリングとシミュレーション
講義内容・授業計画
本講義の対象は、1年生から4年生である。
開講時期は、現在のところ、9月2日(月)〜6日(金)の2限、3限、4限を予定している。 ●講義内容 本講義では、人類・社会の持続可能性評価モデルの作成演習などを通じて、システム思考に基づいたモデリングに必要な基本的な理論や方法論について解説する。 ●授業計画 1. 概要:システム思考とは? ロジカル思考との違いは? システムダイナミクスの手法 2. システムの表現:因果のネットワーク構造とその時間発展(ポジティブフィードバック、ネガティブフィードバック) 3. システムダイナミクスのモデリングツールのチュートリアル(インストールと主要機能の使用法についての説明) 4. モデル作成実践その1 入門:感染症の基本モデル (SIR) をシステムダイナミクスの手法で作成し、これに社会的フィードバックの効果を追加拡張する 5. モデル作成実践その2 別事例:効果的なスキル上達のための練習強度に関してモデルを作成して考察する 6. 複雑性を捉える:時間発展系のシミュレーションによる非直感的な振る舞いの観察(ロトカ・ヴォルテラ系から資源枯渇問題へ) 7. 持続可能性の問題とその解決に向けたシステム思考の必要性について 8. ワールドモデルの作成 準備:狩猟・採集の原始社会のモデルの作成と考察 9. ワールドモデルの作成 その1:生産・消費・投資からなるマクロ経済循環の基本骨格の構築 10. ワールドモデルの作成 その2:人的資本、自然資本との連結 11. ワールドモデルの作成 その3:モデルの最終調整とシミュレーションの実行 12. 自由研究 その1:各個人の興味に基づきテーマ設定 13. 自由研究 その2:モデル作成(1) 14. 自由研究 その3:モデル作成(2) 15. 自由研究 その4:プレゼンテーション 全ての講義で、パソコンを使⽤する。 自由研究については、状況に応じて、数名でチームを組んだグループワークの形式を取ることも検討する。 ※生成系AI の利用については教員の指示に従うこと。生成系AI による出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AI による出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。 教科書
講義で必要な資料は配布する。
参考文献
世界はシステムで動く —いま起きていることの本質をつかむ考え方、ドネラ・H・メドウズ、英治出版
実践システム・シンキング 論理思考を超える問題解決のスキル、湊 宣明、講談社 成長の限界 —ローマ・クラブ「人類の危機」レポート、ダイヤモンド社 事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】参考文献などを利用して事前に各講義の内容を把握すること (15h)
【復習】講義内容の理解を深め自由研究を行うために配布資料を読み直し、レポート課題に取り組む際は自らコンピュータプログラムを作成し実行すること (15h) アクティブ・ラーニングの内容
報告や討論を通じて、テーマを検討し、調査、開発、分析を能動的に行うことを支援する。
成績評価の基準・方法
最終レポートにより、講義内容の理解度を評価し、評価が60点以上のものを合格とする。
●成績評価の基準 システム思考に基づいたモデル構築の基礎を理解し、コンピュータを利用して簡単なモデルのシミュレーションを実行し、出力について論理的な考察を行えること。 ●成績評価の方法 定期試験は実施せず、最終レポートの内容により総合的に評価する。 課題・試験結果の開示方法
希望者に対して個別に対応し、オンラインで講評を伝える。
履修上の注意・履修要件
高度な数学や情報科学に関する知識は必要ありませんが、コンピュータを用いた演習に重きを置いた内容になるため、PC上での全般的な操作(一般的なアプリケーションにおけるキーボードやマウスの操作、プログラムのインストール、ファイルの操作など)についてある程度の習熟が必要です。
履修者各自で自由に使えるPCが必要です。(専用の開発ツールをインストールします。OSはWindows もしくは MacOS。Linux系は非対応) レポートの未提出は不可の認定となるので、期限を厳守し提出すること。但し、やむを得ない理由で提出期限内に提出が出来ないときは、提出期限前に連絡すること。 レポート内にwebからのコピー(引用、参考文献を明記している場合は除く)や、他の人と同じものがある場合は不可の認定となります。 履修定員は20名前後の予定です。履修定員を超えた場合は、ランダム抽選により履修者を決定します。 <<生成AIの利用について>> レポート、小論文、学位論文等については、学生本人が作成することを前提としているため、生成系AIのみを用いて作成することはできません。 実践的教育
該当しない。
備考
この授業を理解するのに、高度な数学、情報科学、難しい科学の専門知識は必要ありません。コンピュータのプログラミングに関する経験も必要ありません。プログラミングに関する高度なスキルは必ずしも必要ではありませんが、(プログラミング言語の種類は問わず)条件分岐など基本的な記述法についての理解ないしは経験があると、演習を行う際の理解が早まります。必要なのは、観察力、発想力、想像力、そして最低限のロジカル思考、そして好奇心です。演習を中心にした授業の中で、自分で手を動かして作ったモデルがコンピュータ上で動く様子を見ることで驚きと感動を覚えることでしょう。この授業で習得する考え方や手法は、将来どのような分野に進んでも、強力で頼りになる汎用的なスキルとなります。自分の興味・関心のある社会課題への適用を通じて、問題を根本から解決し、より良い社会を築くために活躍してくれることを期待します。
条件分岐:プログラム中である条件が満たされているかどうかによって、次に実行内容を変えること。 ロジカル思考:ロジカルとは、「論理的な」「筋の通った」という意味です。論理的思考とは、物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法のことです。 英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
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