シラバス情報

授業科目名
疫学
(英語名)
Epidemiology
科目区分
専門基礎科目(専門関連科目)
対象学生
看護学部
学年
3年
ナンバリングコード
ANNBN3MCA1
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
片山 貴文
所属
看護学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標3
オフィスアワー・場所
木曜日・明石5F研究室
連絡先
takafumi_katayama@cnas.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
3◎/1〇/8〇
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
本講義では、さまざまな研究によって得られた健康情報から、正しい情報と誤った情報を分類する力を身に付けることで、真の科学的根拠に基づいた看護の知識を収集できるようになることを講義目的としています。到達目標は、1) 人間集団を対象としたデータを扱う上で紛れ込む様々な「みせかけ」の存在を説明できること、2) 「みせかけ」が調査結果に与える影響を説明できること、3) 「みせかけ」の種類を分類して、「みせかけ」の影響を減らす方法を提案できることである。

指定規則に定める別表の種類とそれぞれの別表に定める教育内容のうち、当該科目で教授する教育内容
別表1:「疫学」
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル: 人間集団を対象としたデータを扱い見せかけの効果を見抜く批判的思考を身につける保健統計
キーワード: 人間集団、疫学、論文、批判的吟味、偏り、交絡、偶然
講義内容・授業計画
Ⅰ 講義内容
 疫学では、人間集団を対象としたデータを扱う上で生ずる特殊性を理解することに重点を置いている。これは、看護系の論文を理解する上でも、患者から得た情報を分析する上でも、知っておかなければならない重要な内容である。こうした内容について、テキストに沿って講義をすすめるとともに、具体的な事例(各種場面での落とし穴)を紹介しながら、理解を深めていく。

Ⅱ 授業計画
1. 数字の落とし穴 (断面調査の限界)
2. 検査・アセスメントの落とし穴 (感度、特異度、的中率)
3. 健康診断の落とし穴 (リードタイム、レングスタイムバイアス)
4. 目に見えない看護の力の落とし穴 (ホーソン効果、プラセボ効果)
5. 改善の落とし穴 (平均への回帰、比較対照)
6. 頑張らない人の落とし穴 (脱落、偏り)
7. 老化予防の落とし穴 (因果関係、必要条件、十分条件)
8. 健康長寿の落とし穴 (因果の逆転)
9. 認知症予防の落とし穴 (研究デザイン、交絡因子、目隠し)
10. 研究の落とし穴 (偶然、ネガティブデータ、出版の偏り)
11. 特定保健用食品の落とし穴 (真の指標、代理の指標)
12. リスクの表現 (相対危険、オッズ比、寄与危険、死亡と致命)
13. ポピュレーションアプローチ (人口寄与危険、罹病率、有病率)
14. 交絡因子の制御 (マッチング、層化、多変量解析)
15. 看護実践への応用 (エビデンス・ガイドライン、推奨レベル)
定期試験

※ パソコンの利用: 毎回実施する確認テストへの回答時に使用(スマートフォンで代替可能)
※ 生成系AI の利用: 生成系AI の利用については教員の指示に従うこと。生成系AI による出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AI による出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。
教科書
臨床疫学 EBM実践のための必須知識 第3版 福井 次矢(監訳)、メディカル・サイエンス・インターナショナル、ISBN : 978-4895928533(生協等で購入する)
参考文献
指定なし
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業に際して公開する授業資料の事前読み込み(15h)、テキストの該当する章を事前読み込み(15h)
【復習】確認テストへの回答(5h)、講義内容の理解を深め定着させるためにテキスト・授業資料を読み直し(15h)

アクティブ・ラーニングの内容
提示した課題に対して、数人のグループ単位でディスカッションする時間を設ける
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
 人間集団を対象としたデータを扱う上で紛れ込む様々な「みせかけ」の存在を説明できること、「みせかけ」が調査結果に与える影響を説明できること、「みせかけ」の種類を分類して「みせかけ」の影響を減らす方法を提案できることについて、その到達度に応じてS(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)による成績評価を実施し、単位を付与する。
【成績評価の方法】
 確認テスト(20%)、定期試験(80%)を基準として、授業態度を含めて総合的に評価する。
課題・試験結果の開示方法
確認テストは、次の講義の中で紹介しながら講評する。定期試験は、授業評価アンケートの教員コメント欄に試験結果に関するコメントを合わせて記載する。
履修上の注意・履修要件
事前の予習(テキストを事前に読み、理解できない所を書き留めてくる)、講義後の復習(学習した内容をノートに記載する)をして講義に出席すること。講義ノートを用意して、大切なことはノートに記載すること。
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。