教員名 : 八重 真治
|
授業科目名
固体表面科学
(英語名)
Material Surface Science
科目区分
専門教育科目
-
対象学生
工学部
学年
3年
ナンバリングコード
HETBO3MCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
八重 真治
所属
工学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9/目標12
オフィスアワー・場所
C502号室
随時、可能な限り対応する、事前に電子メールなどで連絡することが望ましい。 連絡先
yae@eng.u-hyogo.ac.jp
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
7◎/5〇
研究科DP
ー
全学DP
ー
教職課程の学修目標
目標2:教え、寄り添う力
講義目的・到達目標
【講義目的】物質の表面は、固体が気体や液体あるいは他の固体と接するところであり、特有の構造や現象が見られる。理論物理学者W.Pauli (パウリの原理で著名)は、「表面は悪魔の創造物である」と断じたとされている。これは、物質のバルク(かたまり)からは、理論的に予想できない現象が「表面」で起こることを意味している。本講義では、表面科学の基本および固体表面に特化した諸現象の工学の基礎について理解することを目的として、固気界面を対象とする固体表面物理、固液界面を対象とする電気化学とくに腐食防食の基礎的な事項を講述する。
【達成目標】1)固体表面の特徴をバルクと対比して具体的に述べることができる。2)固体表面での動的な挙動について計算や数値を用いて議論できる。3)固液界面の化学である電気化学の基本事項を説明でき、電位-pH線図の作図とターフェルプロットによる腐食速度の予測ができる。4)各種金属の腐食挙動と代表的な防食方法を説明できる。 授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:バルクに比べて圧倒的に少ない物質量で材料特性を左右する表面の科学
キーワード:固気界面、真空技術が拓く世界、固液界面、腐食防食はGDPの2%、材料環境学 講義内容・授業計画
【講義内容】前半では、既に修得した物理化学や物質創成工学の内容をもとに、固体表面の結晶構造や物性の特徴をバルクと比較する。後半では、前期開講科目の電気化学に基づいて、固液界面とくに金属と水の界面現象である腐食防食について講義する。
【授業計画】(関係するテキストの章、テキスト欄に示した通り前半と後半でテキストが異なる点に注意) 1.ガイダンス 固体表面とは? 表面と内部 表面と界面(第1章) 2.表面の構造 バルクとは異なる原子の並び方(第2章) 3.表面エネルギーと表面張力 表面構造形成の駆動力(第2章) 4.界面の構造 固体と固体の間で起こること、エピタキシャルと不整合(第2章) 5.表面・界面の電子状態 金属/半導体接触(第3章) 6.表面の動的挙動1 吸着(第4章) 7.表面の動的挙動2 酸化、結晶成長(第4章) 8.表面物理および固気界面に関わる演習(第1〜4章)・固液界面の現象への導入 9.固液界面の現象 腐食と防食の概要(第5章、プリント) 10.平衡電気化学1 浸漬電位と電位-pH線図(第4章、第5章、プリント) 11.平衡電気化学2 電位-pH線図の作図と利用法(第5章、プリント) 12.動的電気化学1 混成電位とターフェルプロット(第4章、プリント) 13.動的電気化学2 金属の腐食速度と環境因子(第5章、プリント) 14.金属の防食 各種防食技術と瀬戸大橋(第5章、プリント) 15.表面処理と防食 めっき、アノード酸化、塗装と機能性表面(第8章) 定期試験 ※パソコンの利用:なし ※生成系AIの利用について:課題・レポート等は学生本人が作成することを前提としており、生成系AIの出力をそのまま提出することは原則認めない。不正に生成系AIを使用したことが判明した場合は単位を認定しないことがあるので、注意すること。 ※この科目は、教職課程 工業(高一種免)工業の関係科目に含まれます。 教科書
前半 したしむ表面物理 志村史夫 著 朝倉書店(生協などで購入する)
後半 「これでわかる電気化学」 矢野 潤、木谷 晧 三共出版(電気化学(A)と同じ) テキスト以外に、関連資料をプリント配布します。 後半は 前期の電気化学(A)で使用したテキストを使用します。 応用化学コース所属の受講生には、電気化学(B)のテキストが有用です。また、希望者にはプリントを用意します。 参考文献
アトキンス 物理化学 上下 東京化学同人
現代表面科学シリーズ1と2 日本表面科学会編 共立出版 材料環境学入門 腐食防食協会 編 丸善出版 防蝕技術 第2版 北村義治、鈴木紹夫 著 地人書館 基礎化学コース 電気化学 渡辺、金村、益田、渡辺 共著 丸善出版 いずれも学術情報館にあります。 事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業計画や授業に際して指示する部分のテキストや参考書・資料の事前読み込み(15h)
【復習】講義内容の理解を深め定着させるためにテキストや配布資料・参考書を読み直し(15h)、毎回の演習課題への取り組み、教科書の章末問題などによる演習(30h) アクティブ・ラーニングの内容
該当しない
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】表面科学の基本および固体表面に特化した諸現象の基礎について理解し、到達目標に挙げた4点ができるものについては、その能力(1)固体表面の特徴をバルクと対比して具体的に述べることができる。2)固体表面での動的な挙動について計算や数値を用いて議論できる。3)固液界面の化学である電気化学の基本事項を説明でき、電位-pH線図の作図とターフェルプロットによる腐食速度の予測ができる。4)各種金属の腐食挙動と代表的な防食方法を説明できる。)の到達度に基づき、、S(90点以上),A(80点以上),B(70点以上),C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。
【成績評価の方法】毎回配布する演習課題(第8回と第15回に提出する「まとめ」の課題は配点が大きい)40%、学年歴記載の定期試験中に実施する定期試験60%を基準として、受講態度(積極的な質問など)を含めて総合的に評価する。 課題・試験結果の開示方法
毎回の課題は、次回の講義の冒頭で回収したのちに内容を解説し、その次の講義の冒頭で返却する。最終回のまとめの演習は、ユニバーサルパスポートからファイルで提出することとし、原本を手元に残して講義内で解説する。定期試験は、授業評価アンケートの教員コメント欄に試験結果に関するコメントもあわせて記載する。
履修上の注意・履修要件
定期試験には関数電卓を持参すること。
実践的教育
該当しない
備考
演習などに関する質問を歓迎します。
同時期に開講される物質創成工学Ⅲと密接に関連しており、理解を深めるために合わせて受講することが望ましい。 英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
|