シラバス情報

授業科目名
金属学
(英語名)
Metallic Materials
科目区分
専門教育科目/教職課程科目
対象学生
工学部
学年
2年
ナンバリングコード
HETBO2MCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
山本 宏明
所属
非常勤講師
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9
オフィスアワー・場所
講義終了後30分

連絡先



対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
4◎/1〇
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力

講義目的・到達目標
【講義目的】状態図には,温度,圧力,組成によって物質がどのような状態で存在するかが示されている.この状態図から物質に関する情報を収集する力は,単に物質の状態を知ることだけでなく,各産業で利用されている材料の製造プロセスや新しい材料の開発・利用を考える上での基礎知識となる.本講義では,状態図から物質の状態を読み取る方法,ならびに,相平衡に関連する熱力学を理解し状態図を読み解く力を養うことを目的とする.また,状態図から得られる情報をもとに,鉄鋼材料への熱処理が組織や機械的性質に与える影響や,合金鋼の特徴を理解することも目的とする.
【到達目標】1)相平衡に関する熱力学的な理論を説明できるようになること,2)諸条件における物質の状態を状態図から読み取ることができること,3)状態図を用いて諸条件の変化による物質の変化を説明できること,4)鉄鋼材料の熱処理を相平衡・相転移の観点から説明できるようになること,5)合金鋼の特徴や用途を整理して説明できるようになること,である.
授業のサブタイトル・キーワード
講義内容・授業計画
【講義内容】本講義では最初に相平衡に関する熱力学的な理論を説明する.次いで,温度,圧力,組成などによって物質(一成分系,二成分系,三成分系)がどのような状態をとるかについて,実際の状態図を参照しながら,状態図における特徴や重要な法則について講義する.また,状態図から得られる知識を活かして鉄鋼材料の熱処理やそれにともなう微細組織変化を説明し,合金鋼の特性についても講義を行う.

【授業計画】
1.ガイダンス 本講義の概要を説明する.
       物質の状態と相(状態図の読み取りに必要になる用語や概念の説明)
2.相平衡と相律(相平衡の条件,ギブズの相律について)
3.1成分系平衡状態図(純物質の相の温度・圧力依存性について)
4.2成分系状態図(その1)(2成分系の相平衡,溶体とは何か,溶体の組成依存性について)
5.2成分系状態図(その2)(全率固溶型の状態図とてこの原理について)
6.2成分系状態図(その3)(不変系反応:共晶・共析型について)
7.2成分系状態図(その4)(不変系反応:包晶・包析型について)
8.2成分系状態図(その5)(その他の不変系反応について)
*第1回から第8回まではテキストの1章と3章の内容を説明する
9.中間試験(第1回から第8回までの内容で実施)
10.3成分系状態図の基礎(3成分系状態図の表示法と種類について)
11.Fe–C系状態図と微細組織(鉄鋼材料の分類と共析反応について)
12.鉄鋼材料の熱処理1(焼入れとマルテンサイト)
13.鉄鋼材料の熱処理2(TTT図およびCCT図)
14.表面熱処理と合金鋼(表面硬化熱処理とステンレス鋼について)
*第10回から第14回まではテキストの2章と4章の内容を説明する
15.まとめと評価(到達度の確認)
※定期試験を実施
※パソコンの利用:講義資料の閲覧に使用しても可
教科書
坂 公恭 著:材料系の状態図入門,朝倉書店(生協等で購入する)
各回の講義内容で使用するスライドを講義資料としてダウンロードできるようにする
参考文献
アトキンス物理化学(上),東京化学同人(物理化学でも使用する)
化学熱力学 香山滉一郎 アグネ技術センター(図書館にあり)
金属組織学序論 阿部秀夫 コロナ社(図書館にあり)
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】テキスト・配布講義資料の関連部分の事前読み込み(15 h)
【復習】講義内容の理解を深めるため,該当部分のテキスト・配布講義資料を読み直し(20 h),配布講義資料の演習問題を解く(25 h)
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】相平衡に関する理論を説明でき,状態図を読み解く能力を有する者,鉄鋼材料の熱処理や機能性材料の特性について説明できる者については,講義目的・到達目標に記載する能力(知識,思考力,判断力,応用力等)の到達度に基づき,成績評価のうえ,単位を付与する.
【成績評価の方法 】中間試験50%(6月に実施)と定期試験50%(8月に実施)を基準として、受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する.
課題・試験結果の開示方法
中間試験・定期試験は,模範解答をユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使って示す。
履修上の注意・履修要件
講義内容に該当する箇所に関して,テキストや配布資料,参考文献を読んで予習・復習をして講義に出席すること.特に講義資料に付した演習問題を解答し,講義内容に対する理解を深めること.
生成系AIの利用については教員の指示に従うこと.生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない.生成系AIによる出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある.
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。