シラバス情報

授業科目名
現代物質科学特論Ⅰ
(英語名)
Modern material sciences Ⅰ
科目区分
専門教育科目
対象学生
理学部
学年
学年指定なし
ナンバリングコード
HSSBM3MCA1
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
担当教員
村上 雄太、草部 浩一、有田 亮太郎
所属
非常勤講師
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9
オフィスアワー・場所
講義後・教室にて
連絡先
メールアドレス
arita@riken.jp
yuta.murakami@riken.jp


対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
6◎/7◎/8◎
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】
本講義では、物質の性質を支配する電子状態の基礎、ならびに電子間に働く相互作用に由来する様々な物性とその理論的記述の基礎を学んでもらう。多電子系の基礎ハミルトニアンから出発し、第二量子化やHubbard模型などの多電子系記述の基本となる概念を導入する。さらに、多電子系における相互作用効果を扱う理論手法として代表的なGreen関数法とテンソルネットワークの解説も行い、サンプルコードを用いた演習も行う。また、近年注目を集める研究課題の一例として、非平衡物性研究を紹介する。
【到達目標】
1)物質中の電子状態の基礎を理解し、その概要を説明できるようになる。2)電子間相互作用の効果を理解し、その概要を説明できるようになる。3)多電子系を扱う理論の概要を理解し、基本的なシミュレーションができるようになる。
授業のサブタイトル・キーワード
キーワード: 多電子系、電子相関、数値計算、非平衡物性
講義内容・授業計画
【講義内容】
本講義では物質中の電子状態に関する基礎知識を説明した後に、電子間相互作用に由来する様々な物性とその理論的記述法を解説する。特に、Green関数法やテンソルネットワークなどの物性研究の最前線でも使われる理論手法の基礎を説明し、サンプルコードの配布と解説を実施する。また、発展的トピックとして非平衡物性研究も紹介する。

【授業計画】
1.      多電子系入門
2.      第二量子化
3.      ハートリーフォック近似
4.      強束縛模型とHubbard模型の基礎
5.      Hubbard模型の物理
6.   Green関数法の基礎(その1)
7.   Green関数法の基礎(その2)
8.      動的平均場理論の基礎
9.      動的平均場理論の応用と発展
10.     Pythonによるサンプルコードを用いた演習:動的平均場理論
11.     テンソルネットワークの基礎
12.     密度行列繰り込み群法/iTEBDの基礎
13.     Pythonによるサンプルコードを用いた演習:iTEBD
14.     非平衡物性入門
15.     まとめ
















生成系AIの利用:
生成系AIの利用については教員の指示に従うこと。生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AIによる出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。
教科書
配布資料、スライド資料
参考文献
「固体電子の量子論」浅野 建一 (東京大学出版会)
「実践計算物理学」野本 拓也 是常 隆  有田 亮太郎 (共立出版) など
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安

【事前】

講義中にPython 3を用いたシミュレーションの演習が入る。計算環境として「Google Colab」を用いる予定であり、各自google アカウント作成をし、Python 3の基本を事前に習得しておくことを推奨する。また、演習には各自のPCを持参すること。

【復習】

講義内容の理解を深め定着させるために配付資料や講義ノートを読み直し(30h)、配布するサンプルコードの解読と実行(1h)。
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない。
成績評価の基準・方法

【成績評価の基準】

物質中の電子状態と電子相関効果を理解し、これらを扱う理論手法の基礎を身につけた者に対して、講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に基づき、S(90点以上),A(80点以上),B(70点以上),C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。





【成績評価の方法】



レポート(100%)を基準として、受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する。

課題・試験結果の開示方法
レポート課題を授業中に出題する。同時に、ユニバーサルパスポートでも提示するので授業中の指示に従うこと。解答はユニバーサルパスポートから提出すること。クラスプロファイル機能を使って講評を返す。
履修上の注意・履修要件

・量子力学の基礎的な知識を身につけていることが望ましい。

・Python関する基礎知識があることが望ましい。



実践的教育

量子多体問題の数値計算に関するPythonのサンプルコート配布と実際の動作確認をする予定であり、この部分が実践的教育に該当する。

備考

講義の実施日の連絡、講義資料の公開、質問の受付などはユニバーサルパス ポートを利用して行う。

英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。