シラバス情報

授業科目名
生物化学6
(英語名)
Biological chemistry 6
科目区分
専門教育科目/教職課程科目
-
対象学生
理学部
学年
3年
ナンバリングコード
HSSBA3MCA1
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
(Spring semester)
担当教員
菓子野 康浩
所属
理学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標4/目標7/目標13
オフィスアワー・場所
随時、研究棟639号室
連絡先
kashino@sci.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
3◎/9◎/10◎
研究科DP
全学DP
1-1◎/1-2〇
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力

講義目的・到達目標
【講義目的】
生体で表現される機能は、細胞内における構造と深く関わっている。それは例えば植物の光合成を例にすると、クロロフィルなどの分子が膜タンパク質に結合し、それがチラコイド膜という閉じた生体膜系に配置されることにより光のエネルギーを生物が利用することができる形に変換する。そして、そのエネルギーを利用して、チラコイド膜を内包する葉緑体中で炭酸固定反応が進行する。また、光合成はフェムト秒スケールの光捕集反応から、有機物合成といったより長時間の反応まで包含する。本講義では、生体内の機能が実現されるための細胞のこのような階層的構造の深層について、それぞれの反応に要する時間スケールも考慮しつつ、植物の光合成を題材にして理解を深める。同時に、地球の歴史上、地球環境にもたらした光合成の影響も概観する。これらのことにより、広い時間・空間スケールで思考する能力も身につける。
【到達目標】
1. 光合成に関する基礎的・基本的な知識を述べることができる。
2. 生物界の中での光合成の位置づけを説明することができる。
3. 地球環境における光合成の働きを説明することができる。


授業のサブタイトル・キーワード
【サブタイトル】
光合成の仕組み

【キーワード】
酸素発生反応、光リン酸化、ATP合成、炭酸同化、地球温暖化

講義内容・授業計画
【講義内容】
 細胞が階層的構造であること、そして、高等植物の葉緑体におけるエネルギー代謝・物質代謝と、その階層的構造との関わりを中心に論述する。また、地球の歴史の中での光合成および光合成生物の位置づけについても言及する。

【授業計画】
第1回 序論 細胞の階層的構造および細胞内構造を構築する膜系
第2回 エネルギー変換の場としての葉緑体およびその構造
第3回 光合成色素の構造および機能
第4回 葉緑体チラコイド膜上の光化学系
第5回 光化学系II複合体
第6回 光化学系IIにおける酸素発生反応
第7回 光化学系I複合体
第8回 光合成電子伝達反応
第9回 光合成におけるATP合成(光リン酸化)
第10回 炭酸固定反応
第11回 C4植物とCAM植物、その機能と細胞内構造との連関
第12回 葉緑体における硝酸と硫酸の同化
第13回 葉緑体の自律的構造:葉緑体包膜と葉緑体の分子生物学
第14回 光合成系と葉緑体の進化
第15回 真核光合成生物の進化と多様性
定期試験

教科書
資料を配付します。
参考文献
「エッセンシャル細胞生物学」原書第5版、Alberts, Hopkin, Johnson, Morgan, Raff, Roberts, Walter著、中村桂子、松原謙一、榊佳之、水島昇翻訳、南江堂、ISBN: 978-4524226825(図書館に原書第4版有)
「光合成」 日本光合成学会編、朝倉書店、ISBN: 978-4254171761(図書館に有)
「光合成」 佐藤公行編、朝倉植物生理学講座3、朝倉書店、ISBN: 978-4254176575(図書館に有)
「光合成の科学」 東京大学光合成教育研究会編、東京大学出版会、ISBN:  978-4130622141(図書館に有)
「クロロフィル」 三室守編、裳華房、ISBN: 978-4785358440(図書館に有)
「カロテノイド」 高市真一編、裳華房、ISBN: 978-4785358402(図書館に有)
「光合成とはなにか」 園池公毅著、講談社、ISBN: 978-4062576123(図書館に有)
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】参考文献で講義内容・授業計画で指示する部分を事前読み込み(30h) 
【復習】講義内容の理解を深め定着させるために講義ノートの整理、ならびに配付資料、参考文献の読み直し(30h)
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】 

光合成の基礎的反応機構を理解した上で、生物界の中での光合成の位置づけおよび地球環境における光合成の働きを説明することができる者については、光合成に関する理解度ならびに講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に基づき、S(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。


【成績評価の方法】
小テスト30%、定期試験70%を基準として、受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する。
課題・試験結果の開示方法
・小テストは、原則次の講義内で解説する。
・定期試験は、授業評価アンケートの教員コメント欄に試験結果に関するコメントもあわせて記載する。
履修上の注意・履修要件
・生化学の基礎的な知識を身につけていることが望ましい。
・「講義内容・授業計画」に記載したテキスト等の該当箇所などについて、十分な予習・復習をして講義に出席すること。
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。