シラバス情報

授業科目名
放射線量子物性論
(英語名)
Radiation and Quantum Magnetism
科目区分
物質科学専攻科目・選択科目
対象学生
理学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HSSMM5MCA1
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
担当教員
小泉 昭久
所属
理学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9
オフィスアワー・場所
月曜日15:00〜17:00
研究棟 215室
連絡先
akihisa@sci.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
1◎/4〇
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標

【講義目的】電磁波と電子系の相互作用において、スピンの寄与まで含めたハミルトニアンから、X線(磁気)散乱断面積を導出し、放射光を用いた実験に利用されている現象や効果を理解したうえで、実験結果を解釈する。

【到達目標】X線の吸収・散乱断面積を導出し、観測データの解析・説明に用いることができるようにする。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:X線(磁気)散乱断面積の導出と応用
キーワード:X線磁気散乱、共鳴散乱、磁気円二色性、偏光



講義内容・授業計画
【講義内容】X線の磁気散乱項まで含めたX線散乱断面積を導出する。導出や解釈にあたって、背景や必要な予備知識について説明し、原子の構造、X線の偏光、X線吸収・発光なども含めて、具体的な実験例を示しながら測定結果について考察する。
【授業計画】
1. X線の電荷・磁気散乱についての古典的描像
2. 中性子散乱との比較、X線の偏光、コンプトン散乱
3. 原子の構造、スピン軌道相互作用、X線散乱の種類、インパルス近似
4. 電荷散乱と磁気散乱の干渉効果について
5. 電磁場中の電子のハミルトニアン
6. 散乱断面積の導出:電荷散乱項、磁気散乱項
7. 散乱断面積の導出:二次の摂動項
8. 交換関係から生じる4つの散乱過程
9. X線と中性子による磁気散乱の比較、X線の利点を生かした測定
10. 放射光を用いたX線磁気散乱実験
11. X線磁気散乱の偏光および共鳴特性
12. X線共鳴磁気散乱実験
13. 円偏光軟X線共鳴磁気散乱における二色性干渉効果
14. 鉄における円偏光X線の吸収実験
15. 磁気コンプトン散乱実験
教科書
X線散乱断面積の導出について述べられている英語論文 および 授業で取り上げる放射光実験についての英語論文を、ユニバーサル・パスポートにアップロードしておくので、各自でダウンロードすること。
参考文献

「メシア量子力学」:小出昭一郎、田村二郎 訳 東京図書

“Advanced Quantum Mechanics”, J. J. Sakurai, Addison-Wesley Publishing Company

事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安

【予習】論文をあらかじめダウンロードし、必ず授業前に読み、和訳してみるとともに、記載された内容について自分で調べてみる。また、必要に応じて論文の参考文献を読む。(30h)

【復習】講義の内容について、理解を深めるために、書籍や論文等を読む。特に、散乱断面積の導出計算については、再度、自分で行ってみる。(30h)

アクティブ・ラーニングの内容

採用しない

成績評価の基準・方法

【成績評価の基準】                       記入

S(90点以上)、A(80 点以上)、B(70 点以上)、C(60 点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。

【成績評価の方法】
 講義内で割り当てた発表から理解度を評価:20% レポート課題:80%
*レポート課題の作成において生成系AIの利用を認めない。生成系AIを使用したことが判明した場合は単位を認定しない、または認定を取り消すことがある。

課題・試験結果の開示方法
講義内の発表に対して、その場で補足説明や解説を加える。
履修上の注意・履修要件

特になし

実践的教育

該当しない

備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。