シラバス情報

授業科目名
分子細胞構造学
(英語名)
Molecular Cell Structure
科目区分
生命科学専攻・細胞機能解析学・選択科目
対象学生
全研究科(大学院共通科目)
学年
1年
ナンバリングコード
HSSML5MCA1
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
宮澤 淳夫
所属
理学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標4
オフィスアワー・場所
講義終了後・教室にて
日時調整後・播磨理学キャンパス研究2期棟S301室
連絡先
開講科目一覧(履修の手引き)を参照のこと
ユニバーサルパスポート・クラスプロファイルにより問い合わせること

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
1◎/6〇
全学DP
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力

講義目的・到達目標
【講義目的】
生命とは水と脂質で区分けされた「閉じた環境」において、タンパク質によって駆動される化学反応の連続であると考えることができる。このような生命の基本的なしくみを理解するための1つのアプローチとして、分子レベルから組織レベルに至る生体の構造を、生理的な機能を関連付けて研究する電子顕微鏡法がある。生命の源である水と、生体を構成する分子についての理解を深めるとともに、電子顕微鏡法の基礎研究から医療・創薬への応用を中心として、物質・材料科学を含めた様々な分野への展開について論究する。

【到達目標】
(1)電子顕微鏡法による基本的な解析手法について説明できる。
(2)医学生物学分野での電子顕微鏡法を用いた研究を展開できる。
(3)電子顕微鏡法の医療分野、物質・材料科学への展開について議論できる。
授業のサブタイトル・キーワード
【サブタイトル】電子顕微鏡法による生体分子構造の解析
【キーワード】透過電子顕微鏡法、走査電子顕微鏡法、クライオ電子顕微鏡法
講義内容・授業計画
【講義内容】
本講義では最初に電子顕微鏡の基本的な知識を習得し、次いで凍結技法を中心として電子顕微鏡観察に必須となる試料調製法を概観する。そして、医学生物学の基礎研究から医療へ応用展開する現状について具体的事例を通して講述する。また、授業内で、授業計画に示した項目について予習した内容の発表(各1回)や、電子顕微鏡法の医学生物学分野における利用に関するプレゼンテーション(各1回)を行い、その内容に関するディスカッションを履修者全員で行う。

【授業計画】
1.授業ガイダンス:講義の概要と授業計画
2.生体の形と大きさと構造解析法
3.電子顕微鏡法Ⅰ
4.電子顕微鏡法Ⅱ
5.電子顕微鏡法Ⅲ(凍結技法)
6.試料調製法(化学固定)
7.試料調製法(電子染色)
8.試料調製法(凍結技法)
9.水の性質
10.透過電顕試料作製法Ⅰ
11.透過電顕試料作製法Ⅱ
12.SEM観察法、TEM/SEMの構造と基本操作
13.電顕画像の記録と解析
14.電子顕微鏡の物理的基礎
15. 医学生物学への応用(プレゼンテーション)、授業のまとめと総括

※授業では、毎回、パソコンを使用する。

【授業形態】ハイブリッド(対面・オンライン)方式
すべての授業を対面(播磨理学キャンパス)と先端医療工学研究所・オープン大学院の講義科目としてオンラインの両方で行う。オンライン受講者は、自宅等でオンライン授業の受講とオンデマンド教材を視聴できる通信環境(PC・タブレット等の端末やWi-Fi環境)を整えること。なお、通信環境に不安がある場合は、履修登録前に教員または学務所管課に相談すること。

【生成AIの利用について】
この授業においては生成AIの利用を予定していない。
教科書
「新 電顕入門ガイドブック 改訂第3版」、日本顕微鏡学会・技術認定委員会 編集、国際文献印刷社 、ISBN 978-4-902590-16-6(生協等で購入)
参考文献
・「電子顕微鏡で読み解く生命のなぞ ‐ナノワールドに迫るパワフル技術入門‐ 第1版」、藤本豊士・山本章嗣 著、秀潤社、ISBN 978-4879623751(生協等で購入)
   “電子顕微鏡法による生体分子、生体構造の解析についての総説集”
・「生命の化学と分子生物学 第1版」、林 利彦・水野一乗 訳、東京化学同人 、ISBN 978-4-8079-0510-2(生協等で購入)
   “高分子、膜、代謝、情報の観点から生命の統一性の理解に向けた良書”
・「よくわかる電子顕微鏡技術」、医学・生物学電子顕微鏡技術研究会 編集、朝倉書店、ISBN 978-4-254-30044-4(生協等で購入)
   “医学・生物学への応用に必要な試料作製に重点をおいた解説書”
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】講義内容・授業計画で指示するテキスト、または参考文献の読み込み等の事前学習(2h×14回)=28h)、予習内容の発表準備(1回、2h)
【復習】講義内容の理解を深め、定着させるためにテキスト・参考文献等の読み直し等による事後学習(25h)、プレゼンテーションの作成(1回、5h)
アクティブ・ラーニングの内容
医学・生物学分野における電子顕微鏡法の利用に関して、各自が調査したプレゼンテーション(各1回)を行い、その内容に関して履修者全員でディスカッションを行うことにより、論点の相互理解を図る。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
医学・生物学の分野で基礎研究から臨床診断にまで利用されている電子顕微鏡法を理解し、基礎となる学術的な知識と関連分野を含めた理解を身に付けた者に単位を授与する。講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度を総合的に判断し、 S(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。
【成績評価の方法】
授業への主体的な参加や授業中の質疑応答の回答(20%)、予習した内容の発表(20%)、およびプレゼンテーションの内容(60%)について、講義目的に関わる授業内容の理解度を総合的に評価する。
課題・試験結果の開示方法
・授業中の質疑応答、予習内容の発表については、逐次、講義の中で講評する。
・医学生物学分野における電子顕微鏡法の利用に関するプレゼンテーションについては、発表とディスカッションの終了後、授業内で講評する。
履修上の注意・履修要件
・講義は、基本的にテキストに沿って進める。テキストに記載のない最新情報や重要な関連事項については、授業中に適宜、説明する。
・講義内容・授業計画に記載した学習内容に関して、テキストならびに参考文献の該当箇所を中心に、十分な予習・復習をして授業に出席すること。
・今後、電子顕微鏡法に関わる可能性がある場合は、日本顕微鏡学会が編集したテキストの購入を薦める。
・電子顕微鏡法について実際の装置を用いたトレーニングとして播磨理学キャンパスで行う『装置実習Ⅳ』を履修することが望ましい。
・播磨理学キャンパスに通う学生は原則として対面で受講すること。
・修了所用単位に算入できるか否かは、各研究科の履修の手引きにより各自確認すること。
実践的教育
該当しない
備考
※ この科目は、先端医療工学研究所の大学院共通科目として、他の研究科からのオンライン受講も可能になっています。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。