シラバス情報

授業科目名
分子細胞生理学
(英語名)
Molecular Cell Physiology
科目区分
生命科学専攻・細胞機能解析学・選択科目
対象学生
理学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HSSML5MCA1
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
(Fall semester)
担当教員
菓子野 康浩
所属
理学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標4/目標7
オフィスアワー・場所
随時、研究棟639号室
連絡先
kashino@sci.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
1◎/6◎
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】
光合成電子伝達系を構成する膜タンパク質複合体は、その機能を発揮するために常に構築・ 修復されているダイナミックな存在である。生物の発揮する機能を理解するためには、その機能を担うタンパク質(複合体)のライフサイクルの視点から考えることも重要である。本講義では、光合成という機能の発現に関わる膜タンパク質複合体の機能を概観し、そのライフサイクルに対する理解を深めることを目的とし、タンパク質複合体のライフサイクルの概念やその解明のための研究経過について論究する。

【到達目標】
1)光合成電子伝達系膜タンパク質複合体のライフサイクルに関する基礎的知識を修得し、説明することができる。
2)タンパク質複合体のライフサイクル研究の経過や現状を理解し、新たな膜タンパク質複合体のライフサイクル解析のための手法をデザインし提案することができる。
授業のサブタイトル・キーワード
【サブタイトル】膜タンパク質複合体のライフサイクル


【キーワード】光合成、光化学系、膜タンパク質複合体、ライフサイクル
講義内容・授業計画
【講義内容】
 光化学系I、系II、シトクロムb6/f複合体の機能的な複合体の構造を理解すると共に、その複雑な超分子構造体が構築される過程、修復される過程について、現在までに解明されていることを解説する。そして、その解明のために、どのような発想の元にどのような工夫がなされてきたかを学ぶ。
また、授業内で、授業計画に示した項目に関連した内容に関するプレゼンテー ション(各1回)を行い、その内容に関するディスカッションを履修者全員で行う。

【授業計画】
I.光合成電子伝達系の膜タンパク質複合体の立体構造
  1. 光化学系I複合体
  2. 光化学系II複合体
  3. シトクロムb6/f複合体
  4. 光捕集色素タンパク質複合体
II.光化学系I複合体の構築と修復
  1. Ycf3とYcf4の役割
  2. 単量体、三量体とIsiA
III.光化学系II複合体の構築と修復
  1. D1タンパク質のターンオーバー
  2. D1タンパク質の分解(DegPとFtsH)
  3. D1タンパク質のターンオーバーと光化学系II複合体
  4. 水分解系タンパク質の構築
  5. 単量体と二量体
IV.シトクロムb6/f複合体の構築と修復
  1. ヘムの組み込み
  2. 単量体と二量体、および構築における低分子量タンパク質の関与
V.光捕集色素タンパク質複合体の構築と修復
  1. アポタンパク質合成と色素分子の組み込み
  2. 多量体化

※パソコンの利用:プレゼンテーションの際に使用する。

教科書
適宜、オリジナル論文等を配布します。
参考文献
オリジナル論文中の引用文献。
「エッセンシャル細胞生物学」原書第5版、Alberts, Hopkin, Johnson, Morgan, Raff, Roberts, Walter著、中村桂子、松原謙一、榊佳 之、水島昇翻訳、南江堂、ISBN: 978-4524226825(図書館に原書第4版有)
「光合成」 日本光合成学会編、朝倉書店、ISBN: 978-4254171761(図書館に有) 
「光合成の科学」 東京大学光合成教育研究会編、東京大学出版会、ISBN: 978-4130622141(図書館に有) 
「光合成とはなにか」 園池公毅著、講談社、ISBN: 978-4062576123(図書館に有)

事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安

【予習】

授業に際して配付する資料、または参考文献を事前読み込み(25h)、プレゼンテーションの準備(1回、5h)


【復習】

レポート作成(1回、5h)、講義内容の理解を深め定着させるためにテキスト・オンデマンド教材を読み直し(25h)

アクティブ・ラーニングの内容
授業計画に示した項目に関連して、各自が探索したプレゼンテーション(1)を行い、その内容に関して履修者全員でディスカッションを行うことにより、論点の相互理解を図る。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
光合成反応に関わる膜タンパク質複合体のライフサイクルを理解し、基礎となる学術的な知識と関連分野を含めた理解を身に付けた者に単位を授与する。講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度を総合的に判断し、S(90点以上)A(80点以上)B(70点以上)C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。

【成績評価の方法】
授業中に行った質疑応答の個別回答(20%)、プレゼンテーションの内容(60%)およびそれについてのディスカッション(20%)について、講義目的に関わる授業内容の理解度を総合的に評価する。
課題・試験結果の開示方法

・授業中の質疑応答については、逐次、講義の中で講評する。

・プレゼンテーションについては、発表とディスカッションの終了後、授業内で講評する。

履修上の注意・履修要件
事前・事後学習はもとより、「講義内容・授業計画」に記載した参考文献等の該当箇所などについて、十分な予習・復習をして講義に出席すること。
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。