シラバス情報

授業科目名
放射光科学のフロンティア
(英語名)
Frontier of synchrotron radiation scienc
科目区分
全学共通科目
対象学生
全学部(全学共通科目、教職課程科目、副専攻科目)
学年
1年
ナンバリングコード
IA9991GCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度後期
担当教員
橋本 智、山川 進二、原田 哲男、山口 明啓、藤井 将、中西 康次、春山 雄一
所属
高度産業科学技術研究所
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
該当なし
オフィスアワー・場所
講義終了後、質問・問い合わせを受け付けます。また各教員へのメールでも随時、質問等を受け付けます。
連絡先
hashi@lasti.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
全学DP
1-1◎/1-2◎/1-1〇
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】
シンクロトロン放射光は高エネルギー電子ビームから放射される非常に強力な電磁波(X線)である。西播磨地区には世界最大の放射光施設SPring-8、世界最大級のX線自由電子レーザー施設SACLA、および兵庫県立大が運用するニュースバル放射光施設があり、世界有数 の放射光研究拠点である。ニュースバルは国内大学が有する最大の放射光施設であり、本学の大きな特色の一つである。
 本講義は初年度学生を対象とする唯一の「放射光」に関する講義である。本講義ではシンクロトロン放射光に対する理解を深めることを目的とし、放射光科学が如何に我々の生活に役に立っているか、放射光科学の面白さについて文系学生に理解しやすいよう可能な限り専門用語は使わずに平易に紹介する。
【到達目標】
本講義の到達目標は、1)放射光とは何であるか、どのような特徴があるか、その発生原理を説明できること、2)放射光がどのように利用され、役に立っているのかを説明し、放射光科学に対する関心や興味を実感することである。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:兵庫県立大学には他大学にはない巨大装置(ニュースバル)があり、最先端の放射光科学の研究を行っています。
キーワード:シンクロトロン放射光、放射光科学、電子ビーム加速器、巨大装置の科学、放射光を使った最先端研究と産業利用
講義内容・授業計画
【講義内容】
放射光とは何か。放射光は今日の先端科学技術にどのように利用されるのか。どのような役にたっているのか。放射光科学の何が面白いのか。などを本講義の主題とする。また加速器と相対性理論、および放射線安全など関連する話題について文系学生にとっても分かりやすく概説する。
【授業計画】
1. (橋本) 本講義についての概要説明(ガイダンス)/放射光とは何か?
2. (橋本) 光は波か?粒子か?/光の基本的性質/放射光はほぼ光速で動く相対論的電子ビームから発生する/
     放射光の他に類を見ない優れた特徴  
3. (橋本) 相対論的電子ビームと加速器/特殊相対性理論/放射光科学を支える巨大装置のサイエンス(加速器科学)
4. (原田他) ニュースバル放射光施設オンライン見学
     【オンラインによる遠隔講義。Zoom配信によるニュースバル施設見学
5. (原田) 放射光の加速器の実際/ニュースバル放射光施設の紹介/放射光の発生
6. (原田) 放射光応用技術/X線で半導体加工するEUVリソグラフィー/究極の「光」加工技術
7.  (春山) 光と物質の相互作用/なぜ、X線は物質を透過するのか?
8.  (春山) 光反応化学/身近に起こる光化学反応
9.  (春山) 放射光照射による表面改質/光電子分光を用いた産業応用
10. (山川)放射光と放射線安全/ “放射光”と”放射線"の違い/放射線防護の基礎/放射線の人体への影響/
     放射線は危険なのか?
11. (山川) 異種研究分野の人(化学屋)がビームラインに分析装置を作るには
12.(山川) 化学に物理を混ぜる 〜放射光分析がプラスチック材料開発を促進する〜
13.(中西) 身の回りにある蓄電池・バッテリーと放射光
14.(中西) 放射光X線吸収分光の概要とニュースバルにおける産業応用
15.(中西) 放射光によるエネルギーデバイスの動作中の現象観察

● 当授業は姫路工学キャンパスから神戸商科キャンパスへ配信する授業形態であり、配信側となる姫路工学キャンパスの履修者は対面授業となるが、受信側となる神戸商科キャンパスの履修者は 遠隔授業となる。なお、配信映像は神戸商科キャンパス教室に設置しているモニターに映し出されるので、履修者各自が端末を持参する必要はない。
● 期末試験は実施せず、各担当教員から出題されるレポート課題により評価を行う。
● レポート作成時における生成AIの利用の可否、その範囲については各担当教員から説明する。
教科書
講義資料をUniversal passport内で配付し、テキストとする。
参考文献
「光が活躍する−一億人の化学−」日本化学会編、大日本図書
「放射光が解き明かす驚異のナノ世界」日本放射光学会編、講談社ブルーバックス
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業に際して指示するテキスト・オンデマンド教材の部分を事前読み込み(15h)
【復習】レポート作成(7回、20h)、講義内容の理解を深め定着させるためにテキスト・オンデマンド教材を読み直し(25h)
アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
【績評価の基準】
 シンクロトロン放射光とはなにか、その発生原理と特徴を説明し、最先端科学研究においてどのように利用
されているのかについて述べることができる者に単位を授与する。講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に応じて、S(90 点以上),A(80 点以上),B(70 点以上),C(60 点以上)による成績評価の うえ、単位を付与する。
【成績評価の方法】
各講師より出題するレポート課題(5回, 100%)を基準として受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する。
課題・試験結果の開示方法
レポートはUnibersal passportにてコメントを付して講評する。


履修上の注意・履修要件
本学が有する最先端研究施設の一端に触れたい学生を対象とする。文系学生に応じた講義内容なので特に履修要件はない。


実践的教育
該当しない
備考
本講義の後、以下の講義を通して放射光科学や加速器科学についてより深く学習することができる。
「シンクロトロン放射光工学」(工学部共通、3年前期、木5、代表教員:春山)、「材料工学実験Ⅲ」(工学部材料コース、3年後期、月3〜5)、「放射光科学」(工学部材料コース、3年後期、火1、担当教員:春山)、「加速器科学」(工学部材料コース、3年後期、金2、担当教員:橋本)
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