シラバス情報

授業科目名
教育学
(英語名)
Pedagogy
科目区分
全学共通科目
対象学生
全学部(全学共通科目、教職課程科目、副専攻科目)
学年
1年
ナンバリングコード
IA9991GCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2024年度前期
担当教員
松本 圭朗
所属
非常勤講師
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標4
オフィスアワー・場所
休憩時間および講義終了後に受け付ける。
また、集中講義終了後においても講義内で提示した連絡先であれば質問等を受け付ける。
連絡先
講義内で提示する。

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
全学DP
1-2◎/2-1◎
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】
本講義では、「教育」を「他者への働きかけ」という視点から考えることで、自身の教育観を相対化し、人との関わりにおいて必要な思考力・想像力・倫理観を養うことを目指す。

【到達目標】
①自身の教育体験を、教育的知見・他者の教育体験・意見等を踏まえて意味づけなおし、再記述することができる。
②他者、あるいは、教育を受けている他者(子ども)に思いを巡らせることの意義と危険性について理解し、説明できる。
授業のサブタイトル・キーワード
教育方法 教育評価 病弱教育 障害のある子ども 教育実践
講義内容・授業計画
【講義内容】
教育は誰もが受けているがゆえに、論点の1つになりやすい(政策から自身の子育て、あるいはバイトでの新人教育など)。換言すれば、教育をめぐる論点を生み出す要因の1つは、自身の教育体験(の違い)と、それにもとづく見方である。そして、教育に限らず、論点への対峙の方途として、経験とそれにもとづく見方の問い直しが重要となってくる。

そこで、本講義では自身の教育体験・教育観を相対化するための素材をとりあげる。そのうえで、自身の教育体験を出発点として「教育とは何か」という問いを講義を通して考えてもらう。こうした営みを通して、自身の経験の相対化、他者との対話、専門的知識の必要性などの感得を目指す。

【講義計画】
〇1日目
第1回:オリエンテーション
第2回:教育とは何か
第3回:「学び」と「教え」
第4回:子ども理解
第5回:現代日本の教育問題①:(病弱教育)

〇2日目
第6回:障害のある子どもと教育①:ベッドメーキングは教育?
第7回:障害のある子どもと教育②:その方があいつも幸せ?
第8回:現代日本の教育問題②:(資質・能力/学力)
第9回:教育の評価①:学力を測る?
第10回:教育の評価②:学力を評価する? 人格を評価する?

〇3日目
第11回:教育の方法①:だれでもできる?
第12回:教育の方法②:一人で学ぶ? みんなで学ぶ?
第13回:教育実践記録・教育学論文を読む①
第14回:教育実践記録・教育学論文を読む②
第15回:まとめ

【生成系AIの使用について】
本科目では、自身の教育体験を跡づけていく作業が求められる。その際、自身の言葉での記述が重要となってくる。したがって、講義内で求める課題・レポート等における生成系AIの使用を認めない。使用が判明した場合は、単位を認定しないこと、または、認定を取り消すことがある。
教科書
とくに指定しない。
講義ではレジュメ・資料を配布する。
参考文献
【※事前・事後学習の欄を参照のこと】
〇第Ⅰ部
内田良(2015)『教育という病』光文社
大田堯(1990)『教育とは何か』岩波書店
苅谷剛彦(1995)『大衆教育社会のゆくえ』中央公論社
木村元(2015)『学校の戦後史』岩波書店
神代健彦(2020)『「生存競争」教育への反抗』集英社
小玉重夫(2013)『学力幻想』筑摩書房
小針誠(2018)『アクティブラーニング』講談社
桜井智恵子(2012)『子どもの声を社会へ』岩波書店
苫野一徳(2014)『教育の力』講談社
中澤渉(2018)『日本の公教育』中央公論社
中村高康(2018)『暴走する能力主義』筑摩書房
広田照幸(1999)『日本人のしつけは衰退したか』講談社
堀尾輝久(1989)『教育入門』岩波書店
本田由紀(2020)『教育は何を評価してきたのか』岩波書店
松岡亮二(2019)『教育格差』筑摩書房

〇第Ⅱ部
青木栄一(2021)『文部科学省』中央公論社
朝比奈なを(2019)『ルポ教育困難校』朝日新聞出版
朝比奈なを(2020)『教員という仕事』朝日新聞出版
朝比奈なを(2022)『進路格差』朝日新聞出版
今津孝次郎(2014)『学校と暴力』平凡社
内田良(2019)『学校ハラスメント』朝日新聞出版
苅谷剛彦(2009)『教育と平等』中央公論社
小林哲夫(2020)『学校制服とは何か』朝日新聞出版
紅野謙介(2020)『国語教育 混迷する改革』筑摩書房
児美川孝一郎(2013)『キャリア教育のウソ』筑摩書房
左巻健男(2019)『学校に入り込むニセ科学』平凡社
左巻健男(2022)『こんなに変わった理科教科書』筑摩書房
汐見稔幸(2021)『教えから学びへ』河出書房新社
志水宏吉(2022)『ペアレントクラシー』朝日新聞出版
竹内敏晴(1989)『からだ・演劇・教育』岩波書店
寺沢拓敬(2020)『小学校英語のジレンマ』岩波書店
苫野一徳(2019)『「学校」をつくり直す』河出書房新社
鳥飼玖美子(2018)『英語教育の危機』筑摩書房
中澤渉(2021)『学校の役割ってなんだろう』筑摩書房
原田実(2018)『オカルト化する日本の教育』筑摩書房
広田照幸(2022)『学校はなぜ退屈でなぜ大切なのか』筑摩書房
堀尾輝久(1997)『現代社会と教育』岩波書店
本田由紀(2009)『教育の職業的意義』筑摩書房
松岡亮二編(2021)『教育論の新常識』中央公論新社
読売新聞取材班(2022)『わいせつ教員の闇』中央公論新社

その他、授業中に適宜紹介する。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
集中講義の性質上、受講日までの事前学習の比重を大きくしている。

【事前学習:受講前日まで(40時間)】
①自身の教育体験を思い出しながら、「教育とは何か」という問いの答えを思索する(2時間)。
②参考文献に記した「第Ⅰ部」から1冊を選び、精読する(15時間)。
③現在の日本において、どのような教育問題が語られているのか、新聞・ネット・テレビ等のメディアを通じて調べる(4時間)。
④参考文献に記した「第Ⅱ部」を参考にしながら、教育をテーマとした新書を2冊ほど通読する。(15時間)。
⑤関心のある教育問題の論点を把握し、どのような立場があるのか理解したうえで、自身の立場についての考えを深める(4時間)。

【事前学習:受講期間中(3時間)】
①第2日目の事前学習:第2日目に使用する資料を通読し、疑問点等をまとめる(1.5時間)。
③第3日目の事前学習:第3日目に使用する資料を通読し、疑問点等をまとめる(1.5時間)。

【事後学習:受講期間中(3時間)】
①第1日目の事後学習:その日の講義内容(グループワーク等も含む)を振り返りながら、「教育とは何か」という問いの答えを再考する(1時間)。
②第2日目の事前学習:その日の講義内容(グループワーク等も含む)を振り返りながら、「教育とは何か」という問いの答えを再考する(1時間)。
③第3日目の事前学習:講義全体を振り返りながら、「教育とは何か」という問いの答えを再考し、自身の答えを見出す(1時間)。

【事後学習:受講終了後(14時間)】
①自身の教育観を意識しながら、事前学習で通読した新書を再読する(10時間)。
②自身の教育観を意識しながら、現在の日本における教育問題に対する考えを深める(4時間)。
アクティブ・ラーニングの内容
・学生同士のディスカッションを行う。
・とくに第2日目にはグループワークを行う。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に応じてSからCまで成績を与える。

【成績評価の方法】
 小レポート・講義内課題(グループ課題等)50%、最終レポート(定期試験)50%を基準として評価する。
課題・試験結果の開示方法
小レポート・講義内課題については、課題の意図・テーマに係る解説をもって、フィードバックにかえる。

履修上の注意・履修要件
・本講義は、知識の獲得よりも、むしろ講義を経ることによる教育体験・教育観の問い直しに主眼を置いている。そのため、①自身の考えの整理・アウトプット、②その時に考えていたことを振り返るための記録、という目的をもって意図的に「書く」機会を多く設定している。そのため、履修に際しては、自身の考えを「書く」機会が多々あることを理解しておくこと(なお、授業アンケートでは「書くことが多い、書くのがしんどい」というコメントが多くみられるので注意すること)。
・グループワーク・課題には主体的に参加すること。
実践的教育
該当しない。
備考
・講義の内容及び順序を変更する可能性がある。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。