シラバス情報

授業科目名
ゲーム理論 (経済学部・国際商経学部/専門科目)
(英語名)
Game Theory (J) (経済学部・国際商経学部/専門科目)
科目区分
専門教育科目
-
対象学生
国際商経学部
学年
2年
ナンバリングコード
KCCBK2MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2025年度前期
(Spring semester)
担当教員
磯貝 茂樹
所属
国際商経学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標1/目標2/目標3
オフィスアワー・場所
初回授業でアナウンスします。
連絡先
初回授業でアナウンスします。

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
1◎/3◎
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
講義目的:
学生がゲーム理論の考え方や関連する分析手法に精通することを目的とします。

到達目標:
この授業で学習することにより、学生はゲーム理論の考え方を習得し、戦略的状況の分析や、その知識の現実への応用の仕方を身につけることができます。具体的には、実際の生活の中で複雑な戦略的状況に直面した時に、その中でどのような観点に着目するかを理解し、また関係者の利害関係の理解とともに問題への対処方法を分析することができるようになります。このような素養は日常生活、ビジネス、政治の理解など社会の様々な場面で有用となるでしょう。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:
ゲーム理論、戦略的状況の数理的分析

キーワード:
ミクロ経済学、情報の経済学、ゲーム理論
講義内容・授業計画
講義内容:
ゲーム理論は、複数の人々や企業が互いに影響を与え合うような複雑な相互依存関係の中で、関係者や分析者がどのように状況を理解し、適切な行動を決めていくかについて分析していく学問で、主に経済学への応用を念頭に数学者フォン・ノイマンと経済学者モルゲンシュテルンによって打ち立てられました。ゲーム理論は経済学の他にもビジネス、政治学、犯罪学、コンピュータサイエンスや生物学にも応用されていますが、この講義では主に経済学とビジネス(ときどき政治学)への応用の観点からゲーム理論の基礎や考え方を学んでいきます。
授業の中でゲーム理論の面白さと共にその広い応用可能性、またビジネスや社会への実装の可能性についても触れていきます。

授業計画:
以下の(暫定的な)授業計画に従って進めていきます。
第1週: 授業の紹介と基本的知識の確認
第2週: ゲーム理論の応用例の紹介
第3週: シンプルな動学ゲームでの意思決定—後ろ向き帰納法
第4週: 同時手番ゲームでの意思決定—合理化可能性とナッシュ均衡(1)
第5週: 同時手番ゲームでの意思決定—合理化可能性とナッシュ均衡(2)
第6週: 動学ゲームの分析—部分ゲーム完全均衡
第7週: 動学ゲームの分析—前向き帰納法
第8週: 長期的関係の分析—繰り返しゲーム
第9週: カルテルの問題への応用
第10週: 不完備情報ゲームの分析
第11週: 不完備情報ゲームの応用
第12週: オークションとメカニズムデザイン
第13週: 不完備情報の動学ゲームの分析
第14週: 情報と知識、ゲーム理論との関係
第15週: 授業のまとめ

多少トピックの順番や、教員の興味に準じたトピックの選定がありますが、概ねスタンダードな内容をカバーしていきます。
最終週の授業では授業全体で学んだことのまとめとその意義、さらなる学習の内容や方法について解説します。


生成AIの利用について
ChatGPTなどの生成AIの利用については授業評価に関わることもないので特に指定はありませんが、自習の際に役立てることは推奨します。例えば興味のあるトピックの解説を読む、文献の検索を行う、読みたい外国語論文の翻訳を行ったり論文の要約を作ってもらう、など生産的な形で学習に役立てることができます。一方で、生成AIは不正確な情報をアウトプットする可能性もあり、使う側がそれをチェックできるだけのリテラシーが必要です。一般的にはより多くのデータのある内容(そこまで専門的でない内容など)についてはそれなりに信頼性があると思われますが、データの少ない専門的な内容については信頼しにくい場合も多いです。そういったリテラシーを身につけるためにも、頼りすぎない程度に使ってみると良いかと思います。なお、もちろん試験の際の誤答で「ChatGPTはこう答えていたのに」は通用しないのでご注意ください。


教科書
教員作成の講義ノートを公開します。
参考文献
ゲーム理論は専門のテキスト以外にもミクロ経済学の教科書でも解説されています。
和書でミクロ経済学のテキストとしては
奥野正寛『ミクロ経済学』
神取道宏『ミクロ経済学の力』
などが定評があります。よりゲーム理論にフォーカスした本として
梶井厚志、松井彰彦『ミクロ経済学 戦略的アプローチ』
が、特に専門的(学部上級から大学院レベル)なものとして
岡田章『ゲーム理論』
グレーヴァ香子『非協力ゲーム理論』
があります。

洋書では、
Hal Varian, "Intermediate Microeconomics: A Modern Approach,"
がスタンダードなミクロ経済学のテキストです。他には比較的とっつきやすいテキストとして
Steven Tadelis, "Game Theory: An Introduction,"
Robert Gibbons, "Game Theory for Applied Economists."
があります。これらは学部から大学院初級までの学習に適しています。

これら以外にも、必要に応じて参考文献を授業中に提示します。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
事前学習:
 事前に講義ノートを読んで予習することを勧めます(30h)
復習:
 講義後、授業ノートと講義ノートを参照しながら理解を深めてください。また、練習問題を解くことも強く勧めます(30h)
アクティブ・ラーニングの内容
授業の性質上"意識的なアクティブ・ラーニング"の時間は設けません。ただし、大学にいる以上はあらゆる機会がアクティブ・ラーニングの機会です。講義中も、その場その場で講義内容を理解できるようにし、わからないところがあれば質問してください。納得できないところ、教員の説明が悪いんじゃないかと思うところも、実はちゃんとした(正当な)理由があるのにそれをちゃんと説明できていないせいかもしれません。そういった"誤解"を解くためにも、是非よくわからないところはアクティブに聞いてください。
成績評価の基準・方法
成績評価の基準は、講義で説明された内容について理解していること、特に暗記するだけでなく考え方を理解し、初見の問題にも取り組むことができるかどうかに応じて行います。
具体的には授業評価は期末試験によって授業内容の理解を測ることにより行います。
課題・試験結果の開示方法
授業教材は教員のウェブサイトにて共有します。試験結果の開示方法については学期中に適宜アナウンスします。
履修上の注意・履修要件
ミクロ経済学の知識があると助けになると思いますが、未習ないし完全に忘れてしまっていても楽しめる授業を目指します。どなたでもご参加ください。
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。