![]() 教員名 : 權 孝智
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授業科目名
行動経済学 (経済学部・国際商経学部/専門科目)
(英語名)
Behavioral Economics (J) (経済学部・国際商経学部/専門科目)
科目区分
専門教育科目
-
対象学生
国際商経学部/経済学部
学年
2年
ナンバリングコード
KCCBK2MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2025年度後期
(Fall semester)
担当教員
權 孝智
所属
国際商経学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標17
オフィスアワー・場所
火曜日 13:00〜17:00
研究棟1 A320 訪問を希望される場合は、事前にメールでアポイントメントをお取りください。上記の時間帯以外でも、事前のやり取りによって調整できる場合があります。 連絡先
kwon@em.u-hyogo.ac.jp
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
1◎/3〇
研究科DP
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全学DP
ー
教職課程の学修目標
ー
講義目的・到達目標
講義目的
本講義では、経済活動における合理的な意思決定だけでなく、個人の多様な意思決定を経済学の観点から分析することを目的とする。日常の意思決定は社会的な文脈の中で形成され、他者の選択が自分に影響を与え、逆も成り立つ。この相互作用を前提とすると、個人の利益のみを考慮する人間行動のモデルでは十分に説明できない現象が存在する。本講義では、こうした従来の経済学の限界を踏まえ、行動経済学の視点から意思決定のメカニズムを再考する。 さらに、行動経済学は、個人の意思決定の分析にとどまらず、それが社会や文化にどのように作用するかも研究の対象とする。本講義では、個人レベルの意思決定が社会現象や社会規範、文化の進化に与える影響を考察し、意思決定と集団的行動の関係を理解することを目指す。 また、行動経済学は意思決定の経済学的分析において、心理学の知見を積極的に活用する。本講義では、こうした知見を取り入れることで、伝統的な経済学の枠組みでは説明が難しかった行動をどのように解釈できるのかを学ぶ。特に、政策、金融、マーケティングなどの分野での応用を通じて、実践的な理解を深める。 到達目標 1)行動経済学における意思決定の経済的分析手法を理解すること 2)日常の選択問題を行動経済学の観点から分析できるようになること 3)社会現象や社会問題に加え、政策、金融、マーケティングなどの分野における意思決定に伴う問題を、行動経済学の観点から分析し、議論し、活用できるようになること。 授業のサブタイトル・キーワード
意思決定、社会的相互作用、社会・文化の経済分析、選択アーキテクチャ
講義内容・授業計画
講義内容
本講義では、行動経済学における意思決定分析に不可欠な理論としてゲーム理論を取り上げ、社会の一員としての個人が相互作用する中で生じる複雑な意思決定の問題を分析するスキルの習得を目指す。その上で、行動経済学の手法を用い、個人の選択がどのように社会のルールや文化と結びつくのかを考察するとともに、政策、金融、マーケティングなどの実践的な応用についても学ぶ。 授業計画第1回 行動経済学とは?意思決定の科学への招待第2回 戦略的思考の世界へ:ゲーム理論の基礎 第3回 選択の順序が生む違い:同時ゲームと逐次ゲーム 第4回 ナッシュ均衡:合理的な選択の行き着く先 第5回 なぜうまくいかないのか?調整の失敗とその影響 第6回 繰り返しが生む戦略:長期のゲーム 第7回 人は本当に利己的か?社会的選好のメカニズム 第8回 ゲームのルールが行動を変える?インセンティブ設計と文化・モラルの形成 第9回 中間試験 第10回 リスクを取るか避けるか?リスク回避と損失回避の心理 第11回 人はなぜ判断を誤るのか?認知バイアスの罠 第12回 お金の使い方は理論通り?メンタル・アカウンティングの世界 第13回 選択をそっと後押しするナッジの力 第14回 チームプロジェクト発表①:行動経済学の応用 第15回 チームプロジェクト発表②:行動経済学の応用 ※第10回〜第13回の各授業では、適宜チームプロジェクトの準備・作業時間を設ける。 ※第14回〜第15回は発表会にする。 教科書
指定しない。資料をUNIPAに掲示する。
参考文献
ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?(上)(下)』2014年、早川書房
リチャード・セイラ—『セイラー教授の行動経済学入門』2007年、ダイヤモンド社 リチャード・セイラ—『行動経済学の逆襲(上)(下)』2019年、早川書房 リチャード・セイラ—、キャス・サンスティーン『実践行動経済学』2009年、日経BP サミュエル・ボウルズ『モラル・エコノミー:インセンティブか善き市民か』2017年、NTT出版船木 由喜彦『ゲ-ム理論講義』2012年、新世社事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業に際して事前配布する資料の事前読み込み(1時間30分)
【復習】授業資料を読み直し、授業中に扱った概念を自分の言葉で理解すること。また、授業で取り上げた問題を解き、参考文献の問題にも取り組むこと。(2時間30分) アクティブ・ラーニングの内容
期末チームプロジェクト
チームプロジェクトでは、各チームが日常生活や組織、社会などにおいて、人々の行動によって生じるさまざまな問題の中から具体的な事例を自由に選び、中間試験前までに学んだ内容を活用して分析し、行動経済学の観点を踏まえ、現実的な解決策を検討する。 プロジェクトの成果は、第14回および第15回の授業で発表を行い、その内容をもとに、期末課題としてチームレポートを提出する。 本プロジェクトを通じて、理論と実践の統合を図り、分析力および問題解決能力の向上を目指す。 成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】 行動経済学の重要な概念を理解し、知見を応用できる者については、講義目的・到達 目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に基づき、S(90 点以上)、A(80 点以上)、B(70 点以上)、C(60 点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。 【成績評価の方法】中間試験40%、チームプロジェクト50%、授業中に不定期で実施する実験アンケート10%を基準とし、受講態度も踏まえて総合的に評価する。課題・試験結果の開示方法
中間試験、チームプロジェクトの採点結果に関する講評を採点終了後にUNIPAに掲示する。
履修上の注意・履修要件
ミクロ経済学を履修済みであること。
実践的教育
チームプロジェクトから日常生活や組織、社会などにおいて人々の行動によって生じるさまざまな問題をチームメンバーと共に考え、実践的解決策を探求する。
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
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