シラバス情報

授業科目名
無機構造論
(英語名)
Inorganic Structure Science
科目区分
物質科学専攻科⽬・選択科⽬
対象学生
理学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HSSMM5MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2025年度前期
(Spring semester)
担当教員
小澤 芳樹
所属
理学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標1
オフィスアワー・場所
⽉〜⾦: オフィス
連絡先
ozawa@sci.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
1◎/4〇
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義⽬的】多核⾦属錯体は固体無機結晶の部分構造と考えられ、発現される物性も同様の固体物質に近いものが多い。本講義ではこれら多核⾦属錯体を中⼼に、結晶化学および無機合成化学の視点を含めて、無機化合物の構造と性質について論究する。

【到達⽬標】無機化合物の合成,結晶構造,溶液内平衡,電⼦構造について,⼀般的な原理が説明でき、その上で,化合物について化学結合の性質を中⼼に基礎的な構造評価に応用できるようになる.
授業のサブタイトル・キーワード
【サブタイトル】 物質の構造解析手法の適用および化学結合の性質を分類評価できる。

 【キーワード】 X線結晶構造解析法、結合次数(Bond Valence)、原⼦価結合法、分⼦軌道法、クラスター、ポリオキソメタレート;
講義内容・授業計画
【講義内容】 無機化合物の中で,酸化物,硫化物を中⼼に単核,多核,無限固体構造と、構成単位の⼤きさが異なる様々な化合物を取り上げ,合成,構造,電⼦状態を⽐較しながら解説する.また、溶液状態での溶存種の平衡反応を始めとする熱⼒学的な評価⽅法についても論述する。
【授業計画】
1.    イオン結晶の格⼦エネルギー
2.    酸化物の構造
3.    結晶相転移・不定⽐化合物
4.    ⾦属オキソ酸の⽔溶液内平衡
5.    多核⾦属酸素酸イオンの構造
6.    結合次数と原⼦価による構造評価
7.    ⾦属硫化物の構造8.    ⾦属カルボニルクラスター
9.    ボラン、カルボランの構造と電⼦状態
10.    ⾦属硫⻩クラスター
11.    ポリハライド、ポリカルコゲナイド
12.    多核リン化クラスターおよびヒ化クラスター
13.    原⼦価結合理論と分⼦軌道法
14.    量⼦化学計算による無機化合物の電⼦状態
15.    まとめ

【⽣成系AIの利⽤】
本講義では、講義内容に関連したレポート課題を課す。
⽣成系AIをレポート作成の参考に⽤いることは構わないが、⽣成系AIの出⼒した内容について、事実関係の確認や出典・参考⽂献を確認・追記することが重要である。
⽣成系AIを使⽤した場合は、使⽤した⽣成系AIの名称やバージョン、使⽤⽇付などの情報、および⼊⼒内容や⽣成系AIからの回答などの情報をレポートに明記すること。また、⽣成系AIのみを⽤いて作成されたレポートは受け付けない。

教科書
特に指定しない。必要に応じて資料をプリントあるいは、電⼦ファイル(ユニバーサルパスポート経由)で配布する.

参考文献
1.    U. Müller, Inorganic Structural Chemistry, John Wiley & Sons, Ltd., 2007.
2.    A. F. Wells, Structural Inorganic Chemistry, 5th. ed., Oxford University Press,1984.
3.    P. A. Cox, The Electronic Structure and Chemistry of Solids, Oxford University Press, 1987.          
4.    M. T. Pope, Heteropoly and Isopoly Oxometalates, Springer, 1983.
5.     C. F. Baes and R. S. Mesmer, The Hydrolysis of Cations. John Wiley & Sons, 1976.
6.    中平光興, 結晶化学, 講談社1973
7.    大塚斉之助, 巽和行, 分子軌道法による錯体の立体化学 上・下, 講談社 1983.

事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業に際して配布するプリント、学術論⽂を事前読み込み(30h)

【復習】レポート作成(3 回、15h)、講義内容の理解を深め定着させるために論⽂、参考⽂献を読み直す、あるいはインターネットで情報を検索収集する(15h)

アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
無機化合物における化学結合の種類とその性質を理解し、クラスター、固体、溶存種など様々な状態の化合物の化学結合について基礎的な評価ができる者については、講義⽬的・到達⽬標に記載する能⼒(知識・技能、思考⼒、判断⼒、表現⼒等)の到達度に基づき、
S(90点以上), A(80点以上), B(70点以上), C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。

【成績評価の⽅法】
講義中に課されるレポートを基準として、受講態度(講義中の⼝頭試問)を含めて総合的に評価する。


課題・試験結果の開示方法
講義中の⼝頭試問を随時⾏い、内容について授業内で解説をする。
提出されたレポートに対して、返却時にコメントする。


履修上の注意・履修要件
学部講義の無機化学および結晶学の基本的な事項を理解してることが望ましい。
実践的教育
該当しない。
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。