シラバス情報

授業科目名
研究ゼミナールⅠ
(英語名)
Research Seminar Ⅰ (J)
科目区分
専門教育科目
対象学生
国際商経学部
学年
2年
ナンバリングコード
KCCBK2MCA3
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
演習 (Seminar)
開講時期
2025年度後期
担当教員
兒山 真也
所属
国際商経学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標3/目標9/目標11
オフィスアワー・場所
授業終了後・研究室(研究棟Ⅰ-A421)
連絡先
koyama@em.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
1◎/3◎/4◎
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】
都市政策・交通政策および物流の現状や課題について学び、また主体的に調査や分析、考察を行う。都市には交通、物流、環境、住宅、土地利用、人口、防災、エネルギー、産業、観光、財政など、多種多様な領域における課題がある。例えば交通や物流に関しては、自動化、シェアリング、電動化など、100年に1度の変革期ともいわれる華々しい動きがある。一方で交通事故や高齢者の足の確保など、深刻な課題もみられる。新旧多岐にわたる都市や地域の課題に対し、個人・企業・政府はどうすべきか、経済学や経営学の視点から考察する。これらのことを通じて、研究分野に関する知識・技能を身に付けるとともに、総合的な思考力、判断力、表現力を養う。

【到達目標】
研究ゼミナールⅠから卒研ゼミナールⅡに至る2年半のゼミの中では、「良い都市」を目指すための何らかの課題に関して、国や自治体の政策または企業経営に資する知見を生み出すことを目標とする。研究ゼミナールⅠではその入口として、まず文献収集や整理の手法・考え方を修得すること。次いで企業・自治体等の調査の方法を修得すること。さらに研究論文の輪読を行うことを通じて、研究とはどのようなものであるかを理解し説明できるようになること。
授業のサブタイトル・キーワード
都市・交通・物流に、経済学または経営学からアプローチ。
講義内容・授業計画
【講義内容】
まず文献収集の方法を実践的に学び、次いで企業見学及びその準備を通じて、調査テーマの設定から文献収集、読解、事前発表、調査、事後整理、ディスカッションといった一連の手順を学ぶ。時間の許す範囲で、都市の課題に関する研究論文(発表者が教員と相談しつつ選定する)の輪読も行う。

【授業計画】
1. 自己紹介・名前記憶ゲーム
2. ガイダンス・企業見学の検討
3. 文献検索と文献リスト作成(1) 文献収集の方法
4. 文献検索と文献リスト作成(2) 文献リストの作成
5. 企業見学準備(基礎知識、事前調査テーマのキーワード)
6. グループ研究について(進め方、テーマのキーワード)
7. キャリア講座(キャリアセンターが実施)
8. 文献輪読①
9. 企業見学事前調査発表準備
10. 企業見学事前調査発表
11. 企業見学
12. 文献輪読②
13. グループ研究について(具体化)
14. 企業見学レポートの口頭発表とディスカッション(1)
15. 企業見学レポートの口頭発表とディスカッション(2)

※パソコンの利用:毎回、発表者は原則としてパワーポイントを用いた発表を行う。発表者以外の参加者は、資料を見るために画面が十分な大きさの端末を持参することが望ましい。
※生成系AI の利用:生成系AI の利用については教員の指示に従うこと。課題レポートの作成や事前・事後学習にあたり、事例検索、翻訳等に補助的に生成系AIを使用してもよい。しかし生成系AI の出力した内容について、事実関係の確認や出典・参考文献を確認・追記することが重要である。また生成系AIによる出力結果をそのまま課題レポートとして提出してはいけない。生成系AI による出力をそのまま提出したことが判明した場合は単位を認定しない、または認定を取り消すことがある。
教科書
輪読に用いる文献は学生自身が教員とも相談しながら選定する。以下は最近の輪読文献の一部。
  1. 青木亮 (2020)「トラム導入の成果」, 青木亮・湧口清隆『路面電車からトラムへ フランスの都市交通政策の挑戦』晃洋書房, 第5章, pp. 83-100.
  2. 藤田誠(2012)「産業クラスターの現状と研究課題」『早稲田商學』431, 491-515.
  3. 菊地晃平・鈴木聡士(2022)「大学進学時に移住した地方都市出身者に着目した地元定住促進に関する研究」『都市計画論文集』57(3), 1071−1078.
  4. 小熊仁(2022)「道の駅の経営効率性と要因分析−全国の道の駅を対象としたアンケート調査から−」『交通学研究』65, pp.35-42.
  5. 金藝姃・鈴木邦成・邢怡 (2021)「3PLビジネスの現状と今後の展望に関する一考察」『日本情報ディレクトリ学会誌』19(1), pp.52-60.
  6. 塚田伸也・森田哲夫(2021)「SIC大型化における整備への期待と生活質への影響に関する検討: 群馬県前橋市を事例として」『実践政策学』7(2), pp.223-229.
  7. UNWTO(2018)『「オーバーツーリズム(観光過剰)」? 都市観光の予測を超える成長に対する認識と対応 要旨』.
  8. Beia Spiller, Nafisa Lohawala, and Emma DeAngeli (2023) Medium- and Heavy-Duty Vehicle Electrification: Challenges, Policy Solutions, and Open Research Questions, Report 23-03, Resources for the Future.
  9. 橋本悟、小澤茂樹(2010)「鉄道貨物輸送とトラック輸送との特性比較—規模の経済の推定と生産性比較を中心に」『交通学研究』53,115-124.
  10. 江崎雄治 (2024)「日本の地方圏における人口変化」『地学雑誌』133(4), 249-262.
  11. 橋長真紀子・萱野智篤・Jo Williamson (2022)「人をエシカル消費に向かわせるものは何か?─日英国際分析の視点から─」『札幌学院大学経営論集』16, 1-17.
  12. 竹田結衣・松本邦彦・澤木昌典 (2024) 「景観まちづくりを行う地域組織による屋内広告物のコントロール」『日本建築学会計画系論文集』89 (825), 2105-2114.
  13. 位田達哉 (2024) 「コミュニティ大工が手掛ける空き家再生現場の現状および課題」『国士舘大学理工学部紀要』17,35-42.
参考文献
卒業研究の内容に関する参考文献は随時、必要に応じて紹介する。
卒業研究の進め方に関する書籍を(できれば複数)手元に置き、随時参照すること。3冊だけ挙げておくがこれらに限らない。多数刊行されているので自分に合うものを選ぶこと。
・経済セミナー編集部 (2022)『経済論文の書き方』日本評論社
・阿部幸大 (2024)『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』光文社 
・明石芳彦 (2018) 『社会科学系論文の書き方』ミネルヴァ書房
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】見学先の提案準備、輪読の予習、レポートへのコメント準備等(30h)
【復習】講義内容の理解を深め定着させるための復習(15h)
【発表準備】企業見学及び輪読の口頭発表の準備(15h)
【レポート】企業見学レポート作成(15h)
アクティブ・ラーニングの内容
毎回、発表者の発表に基づいたディスカッションを行う。発言は必須である。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
文献収集の方法を修得し、企業見学等を通じて調査の手法を修得し、研究とはいかなるものかを理解した者については、講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に基づき、S(90点以上)、A(80 点以上)、B(70 点以上)、C(60 点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。

【成績評価の方法】
原則として全回の出席が前提である。発表及びディスカッション70%、レポート30%を基準として、ゼミ運営へのその他の貢献等を加味し総合的に評価する。
なお毎回提出を求める「日報」(その日のゼミの内容と自分自身の貢献等をまとめたもの)は上記の評価のための重要な記録として使用する。

課題・試験結果の開示方法
研究発表に対してはゼミの時間中にコメントする。
またその後も必要に応じ随時コメントする。
履修上の注意・履修要件
経済学コースはもちろん経営学コースの学生も歓迎する。経済学はベースとして重要であるが、担当教員の主な研究領域である「交通論」は主に「商学」に位置付けられてきたという経緯もある。
主体的かつ意欲的な発案、参加、運営を期待する。ゼミの時間中に発言することは重要。
実践的教育
該当しない。
備考
卒業研究のテーマは研究ゼミナールⅠ〜Ⅲにおける学修成果を生かしたものであることが期待される。

ゼミ紹介資料は下記にて公開予定です。
説明会に関する連絡(変更や中止など)がある場合も同様に下記に掲示予定です。
https://drive.google.com/drive/folders/1nlXQXas-GDoopByfpKXaQokLLvlApPx8?usp=drive_link
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。