シラバス情報

授業科目名
メディア心理分析論 (社会情報・専門科目)
(英語名)
Media Psychology (社会情報・専門科目)
科目区分
専門教育科目
対象学生
社会情報科学部
学年
3年
ナンバリングコード
KCJBS3MCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
開講時期
2025年度前期
(Spring semester)
担当教員
土方 嘉徳
所属
社会情報科学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標3/目標9/目標16
オフィスアワー・場所
講義後に教室、または火曜日5限に教員研究室
連絡先
contact [at] soc−research.org (一部、全角文字を含みます。半角に直して送ってください)



対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
2◎/1〇/3〇
研究科DP
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
講義目的:
近年、ソーシャルメディアが広く用いられるようになり、産業界では企業における広告やマーケティング、学術界では社会学や心理学における研究リソースとして活用が進められている。この講義では、マーケティングや社会科学研究を行うためのメディア文化とユーザー心理の理解と、社会学・心理学の基礎理論の理解、ソーシャルメディアのデータを用いた社会科学研究法の習得を目指す。

到達目標:
・Webとソーシャルメディアが情報科学及び人文社会科学分野にもたらした貢献について説明することができる
・社会ネットワークの性質と生成メカニズムについて評価/説明することができる
・ソーシャルメディアの行動データを用いた社会・心理分析の実践例について説明することができる
・ソーシャルメディアのコミュニケーション媒体としての特徴について説明することができる
・人の基本的な欲求・動機・感情・パーソナリティ・態度について説明することができる
・対人魅力の条件や背景となる基礎理論を説明することができる
・自己呈示の目的や方略について説明することができる
・身体的魅力とステレオタイプの問題について説明することができる
・オンラインの印象形成の実験例とその結果について説明することができる


授業のサブタイトル・キーワード
ソーシャルメディア論、計算社会科学、社会心理学、ネットワーク科学
講義内容・授業計画
Ⅰ講義内容
ソーシャルメディアとWebサービスがどのように発展してきたかを学び、ソーシャルメディア上の行動データを用いた社会(トレンド)分析と心理分析、そして背景となる社会学と心理学の基礎理論を学ぶ。また、ソーシャルメディアのコミュニケーション媒体としての特徴と、その上での印象形成について学ぶ。情報学、社会学、心理学に及ぶ学際的な観点から人間科学の本質に迫る。

Ⅱ授業計画
第1章:Webとソーシャルメディア
 1. Web・ソーシャルメディアと情報科学・社会科学研究
第2章:ソーシャルメディアの歴史と分類
 2. Webとソーシャルメディアの歴史と定義
 3. ソーシャルメディアの分類
第3章:ネットワーク科学
 4. 友だち(フォロー・フォロワー)のつながり
 5. 社会ネットワークの評価
 6. 複雑ネットワークの生成メカニズム
第4章:ソーシャルメディアによる社会・トレンド分析
 7. 実ネットワーク分析とニュースメディアの影響力
 8. 社会イベント・トレンドの検出
第5章:ソーシャルメディアによる心理分析
 9. ソーシャルメディアの利用動機
 10. ソーシャルメディアにおける感情と伝染
 11. パーソナリティ(性格)とソーシャルメディアにおけるユーザ行動
第6章:ソーシャルメディアにおける出会い・恋愛・印象形成
 12. 対人魅力と自己呈示・自己開示
 13. オンラインにおける印象形成と身体的魅力
 14. ソーシャルメディアにおけるエンゲージメント獲得
 15. まとめと発展的話題
定期試験
(各トピックは進行の目安であり多少の前後や話題の変更がありえる。)


教科書
「ソーシャルメディア論: 行動データが解き明かす人間社会と心理」,土方 嘉徳 (著),サイエンス社,2020年 (ISBN-13: 978-4781914862)
参考文献

担当教員から別途通知する。

事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
教科書を用いた授業の予習 (10h), 教科書とレジメを用いた授業の復習 (15h), 演習課題の見直し (10h), 試験勉強 (25h)
アクティブ・ラーニングの内容
授業中に出される演習について学生が主体的に取り組む。良いレポート(興味深い事例や考察)を紹介することで、学んだ内容への理解を深め、批判的思考能力を養う。
成績評価の基準・方法
成績評価の基準:
 到達目標に記載する能力の到達度に基づき、S(90点以上), A(80 点以上), B(70 点以上), C(60 点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。

成績評価の方法:
 授業で出される演習課題 50%, 定期試験 50%
 (演習課題は、授業内で取り組み、授業終了時に提出する。家での取り組みや、授業後の提出は認めない。)


課題・試験結果の開示方法
演習課題の結果は、翌週の授業の冒頭でフィードバックする。定期試験の結果は、授業評価アンケートの教員コメント欄に試験結果に関するコメントもあわせて記載する。


履修上の注意・履修要件
・演習中に、教員により巡回と個別指導を行うため、教室の前方に着席すること。原則、指定範囲以外への着席(すなわち後方への着席)は、認めない。
・授業中の私語は慎むこと。私語が収まらない限り講義は開始しない。また、注意しても聞かない場合は、教室からの退出を命ずる。
・本科目は、授業で学んだことを、その場で考察・考究することで、学んだことの理解を深め、問題発見のスキルを高めることを目的としている。そのため、演習課題は授業内で取り組み、授業終了時に提出すること。家での取り組みや、授業後の提出は認めない。
・演習課題は、自分で考察して、自分の言葉で解答を書くこと。生成AIの使用は認めない。
・演習課題の解答で、生成AIの回答を写したとしか思えないもの、Web等の他の情報源から転載したとしか思えないもの、他の学生の解答を写した(写された)としか思えないものが発見されれば、当該演習課題を0点にし、学務課と社会情報科学部教務委員会に報告する。
・講義資料はユニバーサルパスポートにて配布される。事前に、紙に印刷してくるか、タブレット(電子ペンで書けるものに限る)にダウンロードしてくること。講義資料には、学生に書いてもらう空欄が用意してあるので、手書きで追記できる媒体を用いることが望ましい。
・演習課題は、紙に印刷したものを配布する。演習は、自分で考察し、自分の言葉で表現し、鉛筆やペンで記入すること。また、丁寧な字で書くこと。字が読めなかった場合は、当該箇所の設問は0点になる。


実践的教育
該当しない。
備考
当科目は、社会データ分析論の発展的科目になる。同時に履修すると、両方の科目の理解が深まる。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。