![]() 教員名 : 安田 義郎
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授業科目名
経営学概論 (社会情報・専門科目)
(英語名)
Introductory Management (社会情報・専門科目)
科目区分
専門教育科目
−
対象学生
社会情報科学部
学年
1年
ナンバリングコード
KCJBS1MCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2025年度後期
(Fall semester)
担当教員
安田 義郎
所属
非常勤講師
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標4
オフィスアワー・場所
授業後、教室にて
連絡先
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
2◎
研究科DP
ー
全学DP
ー
教職課程の学修目標
ー
講義目的・到達目標
「講義目的」: 「経営」を「学ぶ」とは一体何を意味しているのでしょうか? 筆者自身の主たる研究分野は、「ファイナンス(財務・金融)」と呼ばれているものであり、特に企業(おもに株式会社)の「合併」および「買収」(実践経営では、『M&A』と呼ばれているものであり、とりわけ企業・事業成長および企業・事業再生ならびに「企業・事業価値」評価研究をしている。現在は、この「M&A」戦略を専門にした「M&Aコンサルタント会社」の経営者でもあり、学究活動も継続している。さて、本講義では「経営」を学ぶその対象として「ビジネス」という名の「船」を想定している。その「船」の「舵取り役」となる「経営者」の役割とは何かを、まず明らかにしていく。また、その「船」自体とその「船」の「漕ぎ手」(これは、「経営者」と利害関係にある「ステークホールダー」と呼ばれる人々を指すが)との関係性をともに強化していくための、その「強化方法」についても明らかにしていく。つまり、「経営者」の役割を考えながら、「ビジネス」という名の「船」である「会社」の「持続的成長」の実現をめざすために「経営」という実体をどのように考えれば良いかについて、いわば「経営」の「強化書」づくりを理解することを、本講義の「目的」にしている。 「到達目標」: 「経営」の「強化書」づくりとなる「経営学」のその基礎を学ぶ人を対象とする本講義では、その「経営学」で研究対象となる「ビジネス」という「船」を、どのように「強化」するかを理解するために、「モノ・ヒト・カネ」だけでなく、「情報・科学技術・時間」、さらに「共感」という要素も最近では取り入れている。こうした要素には、「形あるもの」と「形のないもの」、あるいは「量的な変化」をするものと「質的な変化」をするものを、同時に考えることになる。「ビジネス」という「船体」を支える「漕ぎ手」の強化については、その解決すべき問題・課題の本質を的確に見極めるだけの「直観力」が必要になってくる。この「直観力」を手に入れるには、時間を掛けてその経営実践での繰り返しが必要になるが、とりわけ「正しい」考え方とその「トレーニング」方法を根気よく続けていくことが重要になる。実際のところ、「ビジネス」上の「トレーニング」には色々な方法があるが、ある程度の繰り返し「トレーニング(反復練習)」をすることによって、ある程度までの「直観力」は身に着くことになる。とは言え、この「トレーニング」だけで「外科医のような手術ができるようになりました」ということにはならない。やはり「医学」のような専門的なレベルになると、それ相応の特別な「トレーニング」を受けなければならない。学生諸君のなかで、将来筆者のように実践「経営」をしてみたいと感じられるように、「講義」という「座学トレーニング」重ねることで、基本的な「直観力」を少しでも習得できるレベルになることを、本講義の「到達目標」にしている。 授業のサブタイトル・キーワード
授業のサブタイトル: 「ビジネス(経営)」の持つ特殊解を明らかにする柔らか頭での「正しい直観力」を身に着けていく「経営学的思考(ビジネスシンキング)論」 キーワード:「ロジカル・ラテラルシンキング」「正しい直観力」「柔らか頭」「智慧」 講義内容・授業計画
「講義内容」: 本講義では、主に「PP(パワーポイント)資料」を用いて、いろいろな検討課題等について解説していく。そのための「参考資料」として、事例・設問を含む「PDF、WD資料」等を「ユニバーサルパスポート」へ公開する(場合によって、講義中に配布することもある)。本講義を受講する学生諸君は、当該資料の内容を講義前までに必ず目を通して、講義に向けて各自の意見・考え方、および解決方法などを見つけるなど、いわば予習をしておくこと。なお、公開する資料は、原則として、各自でダウンロードしておくこと(公開期限があるので)。なお、講義時にはその該当資料を持参すること(この詳細については、最初のオリテで説明する)。また、個人的にタブレット端末等を講義に持ち込むことを希望する学生さんは、事前に講義担当者からその持ち込み許可を得るようにすること。講義中のタブレット端末利用は、あくまでも講義ノート作成という補助的な作業のみを許可する。 「生成系AIの使用・利用」については、講義担当者の指示に従うこと(この詳細についても、最初のオリテで説明する)。 「授業計画」: 諸般の事情および講義の進捗によって、一部シラバスの内容を変更する場合があるときには、事前に「口頭」でその旨を履修生に直接伝える(なお、大幅に変更する場合には、ユニバーサルパスポートで詳細情報をお知らせします)。本講義は、「社会情報科学部」の新入学生諸君向けへの「経営学」の「基礎」学習ということなので、いわば「経営学」での初学者となる。その初学者をこの講義の対象者とするため、「ビジネス」の「事業レベル」を中心にして、少しだけ「全社的レベル」で発生する問題・課題の本質の見抜き方、いわば「直観力」を少しずつアップさせていくことになる「座学トレーニング」をしていくことにしている。 第1回: ガイダンス(オリエンテーション): 本講義の目標や概要等ならびに「経営学基礎」の初学者としての心得についても解説する。そもそも、「ビジネス」とは何か。その主体となる「組織」として、一般には「株式会社」が取り上げられているので、本講義でも「株式会社」を中心に、その「会社経営」のあり方などについて見ていくことにする。 第2回: 「会社経営」の中核となる「ビジネスモデル」の理解とその構築を学ぶ: ここでは、第1回で取り上げた日本初の「株式会社」の特質に基づいて、そこでの「ビジネスモデル」の役割とその意義を明らかにしていくことにする。 第3回: ビジネスにおける「戦略論」ではなく、そもそもの「戦略」を学ぶ: ここでは、そもそも「経営戦略」とは何かを考える。ケーススタディとして、コマツの「ダントツ戦略」などの実態を取り上げる予定。 第4回: グローバル競争とM&A戦略を学ぶ: ここでは、「グローバル競争」の実態として、その問題の本質の探り方を学ぶ。日本製鉄など、日本の鉄鋼産業の事業特性の変化と今後の「経営統合」戦略のあり方などを見ていく。M&Aの最大のメリットは「時間を買う」ことであり、「PMI(経営統合後)」の重要性、「M&A」による「企業変革」の実態を明らかにしていく。ケーススタディとしては、日本製鉄と「USスティール」との経営統合およびNECと「レノボ」の合併について取り上げる予定。 第5回: 戦略・戦術代替案の考え方を学ぶ: ここでは、F・コトラーが提唱した「R-STP-MM-I-C(マーケティング過程)」のあり方、つまり「マーケティングの手順」を見ていく。この「過程(プロセス)」は、いわば「マーケティングを学ぶためのステップ」を指している。具体的には、「商品が売れるためには何をどうすれば良いのか」、それ考えていく過程(プロセス)を意味している。この流れで、「マーケティング」の「事業レベル」での「市場戦略」および「市場戦術」に対する具体的な方法についても明らかにしていく。この流れのなかで、「経営戦略基礎」を考える「事業レベル」問題として、その「事業ビジョン」や「事業戦略」についても同時に明らかにしていく。ケーススタディとして、自動車業界各社の「ポジショニング」を取り上げる予定。 第6回: 成長と経営戦略を学ぶ: ここでは、安定成長の追求の仕方、事業のライフサイクル、アンゾフのマトリックス、PPMという考え方を明らかにしていく。ケーススタディとして、「セコム」などの多角化戦略を取り上げる予定。 第7回: リーダーの戦略を学ぶ: ここでは、「人的資源管理による高いパフォーマンスの実現」、「従業員のトレーニングと能力開発」、「パフォーマンスの計画と評価」、「人事管理と労使関係の動向」、「従業員のモチベーション」などを取り上げ、いわゆる「人材マネジメント」の基本問題とその課題を明らかにしていく。ケーススタディとしては、トヨタの「グローバルビジョン」などを取り上げる予定。 第8回: 現場起点での経営戦略を学ぶ:「経営管理・組織論」の「会社(全社的)レベル」問題とその解決法(1) ここでは、経営戦略の「芽」をどのように見つかるのか、現場に着目する。帰納的なアプローチや経営戦略問題の本質をどのようにして見抜くかを明らかにしていく。ケーススタディとしては、北海道の旭川にある「旭山動物園」などを取り上げる予定。 第9回: 起業と経営戦略およびその実現性を学ぶ: ここでは、「今日の起業家精神(アントレプレナーシップ)」、「成功する起業家の特徴」、「スモール ビジネス: アメリカの成長の原動力」、「準備ができたら、自分のビジネスを始めましょう」、「スモール ビジネスの管理」、「中小企業、大きな影響」「中小企業庁の役割」、「起業家精神と中小企業の所有権の動向」など、「投資家」と「起業家」との関係について見ていく。ケーススタディとしては、「マザーハウス」などを取り上げる予定。 第10回: 実現可能性の高い経営戦略を学ぶ: ここでは、「身の丈」に合った経営戦略、組織風土、文化に適合した経営戦略のあり方を見ていく。ケーススタディとしては、「カゴメ」および「キリンビール」などの戦略転換を取り上げる予定。 第11回:「アカウンティング」および「ファイナンス」の「事業レベル」問題を学ぶ: ここでは、「財務会計」の基本である「利益」を理解するために、「財務三表」の役割とその意義を明らかにしていく。つぎに「管理会計」の基本問題を明らかにするとともに、「会計」と「マネジメント」との関連から、「アカウンティング」の「事業レベル」問題とその解決法を明らかにしていく。また、「財務管理」の基本である「キャッシュフロー」と「現在価値」を明らかにしていく。そのため、「財務と財務マネージャーの役割」、「組織による資金の使用方法」、「短期融資の獲得」、「長期資金調達」、「エクイティ・ファイナンス」など、そのケーススタディとしては、「財務管理」の実態とその動向について取り上げることにしている。 第12回: 共感経営と経営戦略: ここでは、「物語り戦略」で輝く現場における基本問題を明らかにしていく。そして、「共感経営」とはどのようなものかを明らかにしていく。また、「経営学の父」と呼ばれ、筆者も尊敬する「ピーター・F・ドラッカー」の言う「知識こそが唯一の意義ある経営資源となる」ということを、明らかにしていく。 ケーススタディとしては、金沢にある「佛子園のShare(シェア)金沢」および京都の「HILLTOP鉄工所」などを取り上げる予定。 第13回: ビジネスにおける「破壊」を学ぶ: ここでは、「会社」はいつ道を踏み外すのかについて、その実態を明らかにしていく。ケーススタディとしては、いくつかの「経済事件」などを取り上げる予定。 第14回: ビジネスにおける「成功の本質」を学ぶ: ここでは、成功の復讐、リストラという構造改革の真意、「生きた」経営戦略の打ち出し方を明らかにしていく。ケーススタディとしては、自律分散イノベーション企業などを取り上げる予定。 第15回: まとめと評価(到達度の確認) 定期試験: 「ペーパー試験」(課題提出レポートの提出も同時に課す予定) ※ 講義でのパソコンの利用:パワーポイント(PP)で作成した「講義用プレゼン資料」を教室配備のプロジェクターを通して投影するために、毎回PCは使用していく。なお、受講生の個人PC利用については、講義担当者からの許可を必ず得ること。 教科書
ユニバーサルパスポートに公開した講義資料・参考資料(PP資料ならびにWD・PDF資料)をテキストの代替とします。
参考文献
参考文献: 『道端の経営学』(ヴィレッジブックス社、2015年)、『共感経営』(日本経済新聞出版、2020年)など(アマゾン、生協での購入可)、その他の参考文献は講義時に適宜指示することにしています。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】: 講義に関してユニバーサルパスポートに公開した講義資料・講義参考資料を事前に読み込み(10h〜15h)、各自のノート(事前課題の作成)づくりの準備(3h〜5h)。 【復習】: 毎回の講義終了後に、当該講義における「今日の気付き」を作成し(〜1h)、次回の講義開始時に講義担当者に手渡すようにすること。この「気付き」を小レポートとして、成績評価対象に加えることにする。なお、講義内容の理解を深め、その内容をしっかりと定着させるために、講義資料などを読み直し(10h〜15h)、自主的にレポート課題をまとめて提出した場合には、当該レポートも成績評価に加算する。なお、特別な事由(体調不良(コロナ陽性感染など)、忌引き等)で講義を欠席した際には、欠席した講義日の講義資料などを読んで、「今日の気付き」(欠席した事由も一緒に明記しながら)を作成し、次に出席した講義開始時に、講義担当者にその旨を伝えるとともに、「小レポート」を手渡すこと。 アクティブ・ラーニングの内容
「採用しない」
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】 会社経営の身近な問題を「経営学的思考」で捉えることで、その問題に対する本質的な課題を策定し、提案できるようになった学生については、講義目的・到達目標に記載する能力(経営学的思考を発揮できるスキルが身についたものと見做せる)の到達度に基づいて、S(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。 【成績評価の方法】 定期試験(50%)、課題提出レポート(25%)、小レポート(15%)、自主的レポート(10%)を基準として、「小レポート(講義の今日の気付き)」の提出状態を、日頃の受講態度として捉えて、これらを総合的に判断して評価する。 課題・試験結果の開示方法
小レポートは、原則、次の講義開始時に講義担当者に提出すること。何かの事由で、この小レポートを提出できない場合には、その次の講義時に必ず提出すること。小レポートでの質問がある場合には、必要に応じて適宜講義中に取り上げて、その質問についての回答ならびに解説を行う。なお、この小レポートは、定期試験までにすべての講義回数分を提出しておくこと。定期試験は、授業評価アンケートの教員コメント欄に試験結果に関するコメントも合わせて記載する予定。なお、全体的な講評や模範解答等については、原則ユニバーサルパスポートのクラスプロファイル機能を使って示す予定。 履修上の注意・履修要件
特段の「履修要件」は要らないが、履修にあたっては、先述している【予習】・【復習】を必ずすること。とりわけ、【復習】としての講義の「今日の気付き」については、事前に用意された提出用紙に、その気付きおよび質問等を記載することはもちろんのこと、自分のノートづくりにもその成果を反映させるようにすること。例えば、講義で「初めて聞いた、知った経営用語」の場合には、その用語について、内容・読み方(英語での表示方法など)を、各自で「ノートづくり」に活かすこと。なお、この「小テスト」の提出不足がある場合には、「定期試験直前の講義」までに、その不足分をすべて補充しておくこと。この補充なく極端な不足分がある場合には、定期試験を受験できない場合もある。また、特別な事由で予め講義への「出席」が出来ない場合には、講義担当者に、その旨を事前に伝えること。 実践的教育
「該当しない」
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
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