シラバス情報

授業科目名
財務マネジメント
(英語名)
Financial Management
科目区分
発展科目
対象学生
社会科学研究科
学年
学年指定なし
ナンバリングコード
KCAMS6MCA1
単位数
2単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2025年度後期
担当教員
安田 義郎
所属
非常勤講師
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
該当なし
オフィスアワー・場所
講義終了後、教室にて
連絡先

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
1◎/2〇
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】ミクロ経済学を基礎として米国で普及してきた、いわゆる「米国流ファイナンス理論」において、「MM(モジリアーニ・ミラー)理論」としての企業(株式会社)の資本調達と企業の価値について重要なカギとなる「最適資本構成」問題を多くの研究者によって議論されてきた。また、企業ならびに投資家(株主、機関投資家)における「効率的投資」と「リスク回避」について重要なカギとなる「ポートフォリオ選択」における「効率的投資」のあり方や「資本市場理論(CAPM)」を用いた「資本コスト」経営の実践的適応のあり方についても多くの研究者が今のなお議論し続けている。本講義では、こうした「米国流ファイナンス理論」をもう一度見直しながら、企業(株式会社)における「財務」での「事づくり」を明らかにしていくことする。その「事づくり」に参加する主要なメンバーである「企業経営者」をはじめとして、その「企業経営者」との利害関係にある「ステークホルダー」もメンバーに加えて、企業の「正しい財務的意思決定」に繋がる「財務の仕事」ならびに「財務で仕事をする」のための「マネジメント」環境を如何に構築していけば良いのかを明らかにするため、その「事づくり」の「場」に当たる「株式会社」を「船」に喩えるならば、「事業経営者」はさながらその船の「舵取り役」として、その「船体」ならびに「船の漕ぎ手」を「強化」していく役割がある。その役割を「財務マネジメント」の一つとして位置付け、その理論的側面のみならず、「財務マネジメント」の実践的適用を考慮した、「財務」特有の「マネジメント」を明らかにしていきたいと考えている。昨今の生成AI技術など、目まぐるしく経営環境が変化しているなかでは、従前のようなマネジメントシステムでは、その適応が難しくなってきている。企業の財務問題と最も近隣している「会計」問題と絡みも含めながら、持続可能な成長を実現させるための、新たな財務マネジメント問題の所在ならびにその問題の本質を見抜く「直観力」を、座学レベルではあるが、高めていくことを本講義の目的にしている。

【到達目標】講義の進捗状況に応じて、本講義の終了時点には、履修学生から「新たな財務マネジメントの姿」というテーマで「プレゼンテーション」をしてもらうことにしている。その「プレゼン」に限らず、本講義で学んできた「財務で仕事をする」に繋がる一つの考え方として、本講義では「ファイナンス思考」と呼ばれる、いわば一つの「ビジネス思考」を取り上げている。この「考え方」を用いて「財務マネジメント」を正しく行うことの意義と財務マネジメントの重要性を明らかにし、いわゆる「ファイナンス系ビジネスコンサルタント」の目線で「財務マネジメント」問題の本質を明らかにした「課題レポート」等の作成ができるようになることを、本講義での到達目標にしている。
授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:「財務マネジメント」問題の本質を見抜く「直観力」を身に着けるための「座学」トレーニング
キーワード:エクイティファイナンス、企業価値の最大化、M&A投資マネジメント、直観力

講義内容・授業計画
【講義内容】講義担当者が作成したパワーポイント資料を基にして、それぞれの講義テーマに即して、そのポイントおよび重要な点について解説していく。とりわけ、これまでにファイナンス関連について学んだことのない受講生に、ここでは、まず財務としてのファイナンスの学び方を理解してもらうところから始めていくので、財務ファイナンスの初学者でもその理解を深めていけるものと考えている。

【授業計画】 (事情によって変更する場合には、受講生に事前に「口頭」にて伝えます。)

1. 米国流ファイナンス理論の見直し。
2. 財務(ファイナンス)の全体像を見て、ビジネスとファイナンスの役割とは。
3. 「財務マネジメント」に必要な「ビジネス思考(1)」:「ファイナンス思考」とは何か。
4. 「財務マネジメント」に必要な「ビジネス思考(2)」:「会計(PL中心)思考」の意義とは。
5. 「ファイナンス思考」における、「モノ」と「カネ」の『価値』評価の「差異」とは。
6. 『企業価値』を「最大化」させる「財務マネジメント」の機能とは。
7. 6.の実践法として、「マーケット・アプローチ」によるその評価とは。
8. 6.の実践法として、「インカム・アプローチ」による評価とは。
9. 6.の実践法として、「コスト・アプローチ」による評価方とは。
10 「リスク」と「コスト」との関係とは。
11. 「資本コスト」経営のあり方とは:「伊藤モデル」のポイントとは。
12. 日本企業に相応しい「M&A投資戦略」とは。
13. 「成長戦略型M&A」・「事業継承・再生型M&A」の功罪の実情とは。
14. 「MBO(LBO)」・「エクイティ・ファンド」の功罪の実情とは。
15. 履修生によるプレゼンテーション(各自のテーマによるプレゼン)
定期試験

必要に応じて、生成系AIの利用をしているが、その利用に当たっては教員の指示に従うこと。なお、レポート、小論文等の作成については、学生本人が作成することを前提としているため、生成系AIのみを用いて作成することはできない。


教科書
ユニバーサルパスポートに公開している「講義資料・講義参考資料」をテキストとして代替する。
参考文献
『ファイナンス思考』(ダイヤモンド社)、『企業価値評価のすべて』(日本実業出版社)、『M&A世界最終戦争』(幻冬舎新書)など。その他の参考文献についても、講義中に適宜指示する。
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安

【予習】講義に関してユニバーサルパスポートに公開した講義資料・講義参考資料を事前に読み込み(30h)、各自のノート(事前課題の作成)づくりの準備(3h〜5h)をしておくこと。
【復習】毎回の講義終了後に、用紙を配布する。当該講義における「今日の気付き」をその用紙に作成して(〜1h)、次回の講義開始時に講義担当者に手渡すこと。この「気付き」を小レポートとして、成績評価対象に加えることにする。なお、講義内容の理解を深め、その内容をしっかりと定着させるために、講義資料などを読み直し(30h〜40h)、自主的に「レポート課題」をまとめて提出した場合には、当該レポートも成績評価に加算する。なお、特別な事由(体調不良(コロナ陽性感染など)、忌引き等)で本講義を欠席した際には、その欠席した講義日の講義資料を読んで、「今日の気付き」(欠席した事由も一緒に明記しながら)も作成し、次に出席した講義開始時に、講義担当者に欠席事由の旨を伝えて、その「小レポート」として手渡すこと。

アクティブ・ラーニングの内容
グループワークを取り入れ、学生同士のディスカッションを行うことにしている。
成績評価の基準・方法

【成績評価の基準】
 講義目標・到達目標の到達度に基づき、社会科学研究科規程に従い成績評価の上、単位を付与する。
【成績評価の方法】
 講義への積極的な意欲を前提に、「小レポート」、「グループワーク・プレゼンテーション(課題提出レポートを含む)」と「自主的レポート提出」および「定期試験」のすべてを総合的に評価する。具体的な評価の割合としては、「小レポート」(20%)、「グループワーク・プレゼン等」(20%)、「自主的レポート」(10%)、「定期試験」(50%)という割合である。

課題・試験結果の開示方法

講義終了時に提示した「課題」の解説は次回の講義の冒頭で行う。なお、定期試験結果の開示は履修生からの申し出があれば開示する。

履修上の注意・履修要件

無断欠席は厳禁とする。会社等の事情でやむなく欠席をする際には、必ず事前にその旨通達すること。なお、就職活動における欠席についても特別な扱いはしないので、必ず事前に通達すること。講義への積極的参加として看做されるのは、講義で配布した資料およびユニバーサルパスポートに公開している講義資料等に対する「自主的なレポート」の作成や「プレゼンでの報告」とそれに関する十分な資料集めをしておくことである。

実践的教育
該当しない。


備考



英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。