シラバス情報

授業科目名
老年健康生活評価論
(英語名)
Evaluating the Aging Patientand Geriatric
科目区分
領域別専門科目
対象学生
看護学研究科
学年
学年指定なし
ナンバリングコード
ANNMN5MCA1
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2025年度前期
担当教員
高見 美保
所属
看護学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標3
オフィスアワー・場所
随時アポイントメントを取ること。高見美保(8F)研究室で対応する。
連絡先
高見美保:miho_takami@cnas.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
2◎/6◎/7〇
全学DP
教職課程の学修目標

講義目的・到達目標
【講義目的】
高齢者の加齢過程や健康生活に関する基本的な概念や理論を学ぶ。また,老人看護専門看護師による具体的な実践活動事例紹介と看護実践に関する討議を行うことを通し,健康の捉え方や高齢者の生活状況を身体的・精神的・社会的側面から包括的にアセスメントし,評価する方法を修得する。
【到達目標】
1.老年期における健康の考え方を把握し,健康面や生活状況の評価方法の特徴をあげることができる。
2.高齢者の健康状態を身体的・精神的・社会的および包括的に査定することができる。
3.多様な場における老年看護実践の特徴に応じた,看護アセスメントの運用方法を検討できる。


授業のサブタイトル・キーワード
キーワード:健康生活モデル,ICFモデル,総合機能評価
講義内容・授業計画
当授業は実践的教育に該当する。
【講義内容】
高齢者に用いられている身体的・精神的・社会的側面からの健康評価指標,ならびに包括的アセスメントを理解した上で,老年看護実践に用いることができるように講義や事例演習,ディスカッションで学びを深める。
【授業計画】
1. 高齢者の健康状態(Agingと疾患由来の健康障害;慢性的に抱える傷病の種類、内容、程度と、急性期治療に与える影響)について、その動向を確認する(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーション)
2.老年期における健康について、多様な視点から考える(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1)高齢者の健康生活モデル, 2)スミスの健康モデル
3.老年期における健康について、多様な視点から考える(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1) wellnessという健康概念について,  2) 高齢者におけるHolistic Assessment
4. 老年期を生きる人の健康状態をアセスメントする(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1)加齢変化とフィジカルアセスメント (1)フィジカル・イグザミネーションとその方法, (2)フィジカル・トータルアセスメントとその方法, (3)フィジカル・ライフアセスメントとその方法
5. 老年期を生きる人の健康状態をアセスメントする(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1)加齢変化とメンタルアセスメント(1)精神・認知機能検査(MMSE,HDS-R,CDR,ADAS,N 式精神機能検査,など), (2)うつの評価(GDS, BDI, SDS), (3)意欲、モラールの評価(PGC モラールスケール、VASなど)
2)老年看護実践におけるフィジカルアセスメント・メンタルアセスメントの運用
6. 老年期を生きる人の生活機能をアセスメントする(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1)ICFモデル, 2)ADL/IADLの評価とその方法
7.老年期を生きる人の生活機能をアセスメントする(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1) 高齢患者における急性期と慢性期の生活機能評価方法とその違い, 2)老年看護実践における生活機能アセスメントの運用
8. 老年期を生きる人の社会的機能をアセスメントする(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1)ソーシャルネットワークの評価, 2)閉じこもりの評価 など
9. 老年期を生きる人の社会的機能をアセスメントする(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1)家族機能の評価, 2)介護力/介護負担感の評価, 3) 老年看護実践における社会機能アセスメントの運用
10. 高齢者への包括的アプローチに必要なアセスメント(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション)
1)高齢者の総合機能評価(CGA)の内容とその方法, 2)高齢者の健康増進とQOLの評価(SF-36, EuroQol, WHO/QOL-100など)
11. 高齢者への包括的アプローチに必要なアセスメント(講義とディスカッション)
1) 老年看護実践における包括的アプローチの運用と意味
12. 事例展開(高度実践看護実習Ⅰの終了後に実施する)(講義とディスカッション)
1)実習で担当した事例(慢性疾患を抱え、医療機関で入院・加療している高齢者)について,身体的・精神的・社会的側面及び総合機能面からアセスメントを行い,実習中に展開した看護実践との比較・検討を行う。
13. 事例展開(高度実践看護実習Ⅰの終了後に実施する)(講義とディスカッション)
1) 医療機関で治療・看護を提供される高齢者に見過ごされやすい看護の視点,日常の生活に戻るための目標を見据えた看護実践方法を見出す。
14.まとめ 〜レポート発表と討議〜(高度実践看護実習Ⅰの終了後に実施する)
1) 高齢者の機能評価(身体的・精神的・社会的側面および総合機能面に対するアセスメント)を行う意義と必要性についてレポート発表を行い,講評を受ける。
 講評者:中筋美子(兵庫県立大学看護学部 老人看護学講師,老人看護専門看護師)
15.まとめ 〜レポート発表と討議〜(高度実践看護実習Ⅰの終了後に実施する)
1) 老人看護専門看護師から「老年看護実践に求められる具体的なアセスメント視点」について指導を受けるとともに,老人看護専門看護師としての実践事例の紹介を受け,高齢者の機能評価(身体的・精神的・社会的側面および総合機能面に対するアセスメント)を行う意義と
必要性について討議する。
担当者(討議に参加し,講評を行う):中筋美子(兵庫県立大学看護学部 老人看護学講師,老人看護専門看護師)

*当授業は面接授業科目である。
*生成AIをレポート作成で用いることは禁止するが,授業トピックに関する事前学習・事後学習に利用することを許可する。ただし、生成 AI が生成する情報には誤りが含まれていることを 十分理解し,テキストや参考図書,その他の文献と照らし合わせながら利用すること。
*生成AIの出力した内容をそのままレポートとして提出したことが判明した場合は,単位を認定しない,または単位認定を取り消すことがある。
教科書
適宜、提示する。

参考文献
参考文献(その他、随時追加あり)
1.Joseph J. Gallo, Hillary R. Bogner, Terry Fulmer, Gregory J. Paveza (2006). Handbook of Geriatric Assessment. Fourth Edition. Jones and Bartlett Publishers, Canada.
2.酒井郁子ら(2010):高齢者の生活機能再獲得のためのケアプロトコール- 連携と協働のために-、日本看護協会出版会
3.鳥羽研二ら(2010):高齢者の生活機能の総合的評価、新興医学出版社
4. Alberto Pilotto, Finbarr C. Martin(2018):Comprehensive Geriatric Assessment, Springer 
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【事前学習】学生は,授業で求められるプレゼンテーションに必要な書籍や資料,文献を事前に読み込み(各回2h程度),プレゼンテーション資料を作成する(毎回2h程度)。
【事後学習】学生は、プレゼンテーションに対する講評や教員・学生間での意見交換を整理し,次回のプレゼンテーション準備を行うことで講義テーマを反復的に理解する(毎回2h程度)。
アクティブ・ラーニングの内容
・状況に応じて、各地で活動する老人看護専門看護師から実践事例の紹介を受けたり,テーマディスカッションを取り入れる。
・講義内で学生同士での意見交換を行う。
成績評価の基準・方法
成績評価の基準
 高齢者の加齢過程や健康生活に関する基本的な概念や理論,健康の捉え方や高齢者の生活状況に関する包括的にアセスメントを学べた者に単位を授与する。
 講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能,思考力,判断力,表現力等)の到達度に応じて,、S(90点以上),A(80点以上),B(70点以上),C(60点以上)による成績評価のうえ,単位を付与する。
成績評価の方法
 課題レポート(50%),プレゼンテーション内容(30%)とディスカッション(20%)を基準として,受講態度(積極的な質問等)を含めて総合的に評価する。
課題・試験結果の開示方法
課題プレゼンテーションに対しては講義内で講評を返し,各講義時間内でリフレクションを持つ。
・課題レポートについては提出後に講評を対面にて返し,評価できる点と課題を明確に提示する。
履修上の注意・履修要件
*講義の進捗状況に合わせ、適宜、事前・事後課題を課すことがある。
実践的教育
臨床や地域社会での老人看護実践の経験があり,老人看護領域の研究や高度老人看護実習の指導を担当かつ,老人看護の学問体系を教授できる教員が講義・討議を担当するため,実践的教育に該当する。
備考
【学生と教員の双方向のやり取りについて】
当事業は,毎回の講義内でのプレゼンテーションや討議において講義内容の理解度を確認し,その内容について教員からフィードバックを行う。又,必要に応じて面談の機会を設け,学習内容や達成度に関するフォローアップを行う。
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。