老年看護サポートシステム論

Health Care System in GerontologicalNursing

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領域別専門科目

看護学研究科

学年指定なし

ANNMN5MCA1

2.0単位

講義 (Lecture)

2025年度後期

高見 美保

看護学研究科

日本語

目標3

随時アポイントメントを取ること。高見美保（8F）研究室で対応する。

高見美保：miho_takami@cnas.u-hyogo.ac.jp

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3◎／7◎／6〇

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【講義目的】
諸外国の高齢者に関する保健医療福祉制度や政策の変遷や現状について学び，高齢者の意向を尊重した生活支援に必要なマネジメント能力を養う。また，高齢者に対する医療やケアが円滑に提供されるためのチーム医療に必要な老年看護実践のあり方を考え，提案することができる。
【到達目標】
1.日本と諸外国の高齢者に関する保健医療福祉制度や政策を外観し，その経緯と相違点の背景を説明することができる。
2.慢性疾患（がんや認知症も含む）を有する高齢者の治療・療養の現状と課題を整理し，高齢者が地域包括ケアシステムを有効に用いるために必要なケアマネジメントについて説明することができる。
3.高齢者が療養する多様な場（医療機関、福祉施設、地域在宅環境）で老人看護専門看護師に求められる実践力を明らかにし，チーム医療を実践する上で必要な連携・協働のあり方を説明することができる。

キーワード：保健医療福祉制度，連携・協働，包括的支援

当授業は実践的教育に該当する。
【講義内容】
講義（文献講読・テーマプレゼンテーション）において日本と諸外国の高齢者に関する保健医療福祉制度や政策を外観した上で，ディスカッション形式により必要となるマネジメントやチーム医療における老年看護実践のあり方を考察する。
【授業計画】
1. 高齢者に関する保健医療福祉制度の変遷と動向について，国内外の制度と現状から比較検討する（講義，文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーション）
 1) 日本と欧州（イギリス，ドイツ，フランス），北欧（フィンランド，スウェーデン）等との制度内容と体制を比較する, 2) 日本におけるサポートシステムの変遷と現状（文献・資料から考える）
2. 多職種と共同して高齢者と家族の生活を支える支援の構築（特別講師；介護福祉士・主任介護支援専門員による講義とディスカッション）
 1) 高齢者と家族に対するケアマネジメントの実際
3. 多職種と共同して高齢者と家族の生活を支える支援の構築（特別講師；介護福祉士・主任介護支援専門員による講義とディスカッション）
 2) 老年看護の本質と高齢者の療養と生活を支えるために他職種から求められる専門性
4. 慢性疾患（がんを含む）を有する高齢者と家族の生活を支える看護について（講義，文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーション）
 1) 慢性疾患の治療・療養の現状と課題について
5. 慢性疾患（がんを含む）を有する高齢者と家族の生活を支える看護について（文献・資料を用いた講義とディスカッション）
 2) 地域域包括ケアシステムの利点、課題を検討する
6. チームで取り組む認知症高齢者看護の展開（担当：兵庫県立大学看護学部講師，老人看護専門看護師 中筋美子先生）
1)医療機関や施設における認知症看護実践で生じる困難，課題と求められるケア（講義，文献・資料を基にしたディスカッション）
7. チームで取り組む認知症高齢者看護の展開（担当：兵庫県立大学看護学部講師，老人看護専門看護師 中筋美子先生）
2)認知症高齢者看護の実践力向上をチーム医療で取り組むために行う連携・協働（講義，文献・資料を基にしたディスカッション）
8. 医療機関における高齢者の退院支援について（特別講師；医療機関で活動する老人看護専門看護師）
1) 老人看護専門看護師が行う退院支援と多職種連携について（文献・資料を用いた講義とディスカッション）
9. 医療機関における高齢者の退院支援について（特別講師；医療機関で活動する老人看護専門看護師）
1) 健康状態が急性増悪期から慢性期に移行する高齢者と家族の個別性に応じたサポート体制作りについて, 2) 高齢者が療養する多様な場において，老人看護専門看護師が取り組むサポートシステムの創造／組織化について（文献・資料を用いた講義とディスカッション）
10, 11, 12, フィールドワーク（医療機関で 1 日実施）
1) 医療療機関の地域連携部にて退院調整看護師のシャドーイングを行い，外国籍の高齢患者を含めたグローバルな前方連携，後方連携の実際を学ぶ。
2) 1)をふまえ，地域包括ケアシステムにおける高齢者支援の現状を評価する。
3) 1) 2)について，シャドーイングした退院調整看護師と意見交換を行い，後日レポートにまとめる。
＊フィールドワークを行う医療機関と指導を受ける退院調整看護師への調整は，あらかじめ学生が指導教員と共に実施する。
13. 継続看護の視点とチーム医療における老人看護専門看護師の役割について
1)文献や資料から，公表されている継続看護，チーム医療における老人看護専門看護師の役割について（講義，文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーション）
14. 継続看護の視点とチーム医療における老人看護専門看護師の役割について
 1) 高齢者に対する医療やケアが円滑に提供されるためのチーム医療に必要な老年看護実践とサポートシステムの創造／組織化について考える(講義，文献・資料を基にしたディスカッション)
15.まとめ
日本におけるケアシステム（介護保険制度，医療制度，地域包括ケアシステム）の現状から，2060 年問題を控えた高齢者のサポートシステムの在り方を考える（講義，フィールドワークでの学びの発表とまとめ）

＊当授業はフィールドワークを除き，面接授業科目である。
＊生成AIをレポート作成で用いることは禁止するが，授業トピックに関する事前学習・事後学習に利用することを許可する。ただし、生成 AI が生成する情報には誤りが含まれていることを 十分理解し，テキストや参考図書，その他の文献と照らし合わせながら利用すること。
＊生成AIの出力した内容をそのままレポートとして提出したことが判明した場合は，単位を認定しない，または単位認定を取り消すことがある。

適宜提示する。

池上直己（2018）：日本の医療と介護　歴史と構造，そして改革の方向性，日本経済新聞社出版
松田晋哉（2017）：欧州医療制度改革から何を学ぶか　超高齢社会日本への示唆，勁草書房
斎藤雅茂（2018）：高齢者の社会的孤立と地域福祉，明石書店
白澤政和（2018）：ケアマネジメントの本質−生活支援のあり方と実践方法−，中央法規出版東京都.

【事前学習】各授業の課題テーマに沿って資料検索を行い，プレゼンテーション資料を作成する（各回，2h程度）。
【事後学習】授業で受けたプレゼンテーションの講評やディスカッション内容を振り返り，自身の思考の整理を行う（各回2ｈ程度）。
＊事前学習と事後学習は反復的に行い，講義内容の理解を深めることを期待する。

・高齢者のケアに関わる他専門職の臨床講義やディスカッション、医療機関の地域連携部でのフィールドワークを含んでいる。

成績評価の基準
　国内外における高齢者に関する保健医療福祉制度や政策の変遷、現状を学べた者に単位を授与する。
　講義目的・到達目標に記載する能力（知識・技能、思考力、判断力、表現力等）の到達度に応じて、SからCまでの成績を与える。
成績評価の方法
　フィールドワーク課題レポート（50%），プレゼンテーション内容（40％）とディスカッション内容（10％）を基準として，受講態度（積極的な質問等）を含めて総合的に評価する。

・課題レポートや各講義回のプレゼンテーションに対して，講義内において講評を返す。また，ディスカッション内容についても討議を進めて理解度を確認し，到達目標の達成状況に対するレベル評価を返す。

講義の進捗状況に合わせ、適宜、事前・事後課題を課すことがある。

臨床や地域社会での老人看護実践の経験があり，老人看護領域の研究や高度老人看護実習の指導を担当かつ，老人看護の学問体系を教授できる教員が講義・討議を担当していること，またフィールドワークにおいて実践家からの指導も受けるため，実践的教育に該当する。

【学生と教員の双方向のやり取りについて】
当事業は，毎回の講義内でのプレゼンテーションや討議において講義内容の理解度を確認し，その内容について教員からフィードバックを行う。又，必要に応じて面談の場を設け，学習内容や達成度に関する質疑応答を行う。