![]() 教員名 : 高見 美保
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授業科目名
認知症看護演習
(英語名)
Clinical Assessment and Care of People with Dementia
科目区分
ー
領域別専門科目
対象学生
看護学研究科
学年
学年指定なし
ナンバリングコード
ANNMN5MCA3
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
演習 (Seminar)
開講時期
2025年度後期
担当教員
高見 美保、徳田 幸代
所属
看護学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標3
オフィスアワー・場所
随時アポイントメントを取ること。高見美保(8F)研究室で対応する。
連絡先
高見美保:miho_takami@cnas.u-hyogo.ac.jp
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
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研究科DP
1◎/6◎/3〇
全学DP
ー
教職課程の学修目標
ー
講義目的・到達目標
【講義目的】
認知症を持つ高齢者を多角的に捉える視点を養うとともに,認知症者が生活する施設での演習を通してその人の健康と尊厳ある生活を支援するために必要とされる,認知症看護の専門性と具体的な支援方法を理解する。 【到達目標】 1.認知症を看護の視点から理解し,認知症とともに生きる高齢者の心情を述べることができる。 2.認知症の病因や病態を最新の診断方法および治療方法,および最新の研究知見をふまえ,体系的に説明することができる。 3.認知症高齢者とのコミュニケーションの原則を理解し,症状や特性、状況に適したコミュニケーションスキルを提示することができる。 4.演習を通して認知症高齢者に対するアセスメントの視点と方法を理解し,発症から終末期までの経過に沿った,総合的アセスメントについて述べることができる。 5.認知症の発症から終末期までの経過(ステージ)に応じた看護の実際を説明することができる。 6.家族介護力を把握する方法と家族介護者の支援方法について述べることができる。 授業のサブタイトル・キーワード
キーワード:認知症診断と治療,認知症看護,家族支援,倫理的問題
講義内容・授業計画
当授業は実践的教育に該当する。
【講義】 講義+プレゼンテーションとそれに伴うディスカッションの形式で講義を展開する。 【授業計画】 1. 認知症知症患者の現状を知る(担当:高見美保)(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション) 1) 疫学的、社会的、法律的見地から検討する, 2) 認知症の定義、症状の成り立ちと環境からの影響について検討する 2. 認知症の病因・病態、診断法と治療法について(特別講師:認知症専門医) 1)認知症の病因と前駆症状を示す概念について, 2)認知症の病態構造について(文献・資料を用いた講義とディスカッション) 3. 認知症の病因・病態、診断法と治療法について(特別講師:認知症専門医) 1) 認知症の診断方法について(スクリーニングを含む),2)認知症の治療と合併症について(治療原則、薬物療法、非薬物療法、環境調整)(文献・資料を用いた講義とディスカッション) 4. 認知症の診断法・治療につながるアセスメント(特別講師:公認心理士) 1) 精神・認知機能検査(MMSE,HDS-R,CDR,ADAS,N 式精神機能検査,等)の内容と実施方法(文献・資料を用いた講義とディスカッション) 5. 認知症の診断法・治療につながるアセスメント(特別講師:公認心理士) 1) 精神・認知機能検査(MMSE,HDS-R,CDR,ADAS,N 式精神機能検査,等)の検査結果の解釈と治療や看護に生かす方略について(文献・資料を用いた講義とディスカッション) 6. 認知症と共に生きる高齢者の理解と看護の視点について(担当:高見美保)(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション) 1) 認知症と共に生きる高齢者の世界について, 2) 認知症高齢者の捉え方(病的側面だけでなく,生活者としての理解)について 7. 認知症と共に生きる高齢者の理解と看護の視点について(担当:高見美保)(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション) 1) 認知症と共に生きる高齢者への看護(全人的理解に基づく看護実践)とは 8. 認知症高齢者の生活行動の特徴とアセスメント(担当:高見美保)(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション) 1) 認知症高齢者とのコミュニケーション方法,2) 認知症高齢者とのコミュニケーションを通したアセスメントの方法,3) アセスメントの指標について 9. 地域施設における演習と臨床講義( 療養型施設/介護医療院にて) <演習> 実地指導:兵庫県立大学看護学部 助教,老人看護専門看護師 徳田幸代 1) 療養型施設/介護医療院で生活する認知症高齢者とのコミュニケーション実践,2)認知症の高齢者が“穏やかに暮らす”ための環境づくりと看護介入を体感する (老人看護専門看護師の具体的実践の見学・解説指導を受け,認知症高齢者を尊重したコミュケーションのあり方について具体的に学ぶ) 10. 地域施設における演習と臨床講義 <臨床講義>担当:兵庫県立大学看護学部 助教,老人看護専門看護師 徳田幸代 1) 認知症高齢者が“穏やかに暮らす”環境づくりと看護介入について(文献・資料を用いた講義とディスカッション) 11. 地域施設における演習と臨床講義 <臨床講義>担当:兵庫県立大学看護学部 助教,老人看護専門看護師 徳田幸代 1) 認知症高齢者への個別ケアをチームに定着させるための試み(文献・資料を用いた講義とディスカッション) 12. 認知症の発症から終末期までに必要とされるケア(担当:高見美保)(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション) 1) 認知症のステージアプローチとは,2) 認知症の各ステージにおける観察、ケアのポイントと優先順位について, (1) 認知機能に焦点を当てたケア, (2) 精神・社会的機能に焦点を当てたケア 13. 認知症の発症から終末期までに必要とされるケア(担当:高見美保)(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション) 1) 認知症の各ステージにおける観察、ケアのポイントと優先順位について, (1) 身体機能・生活機能に焦点を当てたケア, (2) 認知症看護における倫理的問題と看護師に求められる関りの姿勢 14. 認知症高齢者と家族へのケア(担当:高見美保)(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション) 1) 認知症高齢者にとって家族の意味とは/家族にとって認知症高齢者の存在とは,2) 認知症高齢者と家族に対する支援方法と求められるものとは 15. 認知症高齢者と家族へのケア(担当:高見美保)(講義,文献・資料を用いた学生によるプレゼンテーションとディスカッション) 1) エンド・オブ・ライフ期を生きる認知症高齢者と家族の支援,2) 認知症看護 まとめ *当授業は,面接授業科目である。授業の一部に,臨地の施設等での演習を含んでいる。なお演習は,担当教員の指示に従うとともに,実習ガイダンス資料に準じて実施する。 *生成AIをレポート作成で用いることは禁止するが,授業トピックに関する事前学習・事後学習に利用することを許可する。ただし,生成 AI が生成する情報には誤りが含まれていることを 十分理解し,テキストや参考図書,その他の文献と照らし合わせながら利用すること。 *生成AIの出力した内容をそのままレポートとして提出したことが判明した場合は,単位を認定しない。または単位認定を取り消すことがある。 教科書
中島紀恵子 責任編集(2024):認知症の人々の看護 第4版,医歯薬出版
参考文献
1. 小澤勲(1999):痴呆老人からみた世界 老年期痴呆の精神病理、岩崎学術出版社
2. 日本神経学会 (監修)「認知症疾患診療ガイドライン」作成委員会 著(2017):認知症疾患診療ガイドライン 2017,医学書院,東京都. 3. 平原佐斗司 編著(2013):医療と看護の質を向上させる認知症ステージアプローチ入門 早期診断、BPSD の対応から緩和ケアまで、中央法規. 4. トム・キッドウッド著/高橋誠一訳(2017):認知症のパーソンセンタードケア−新しいケアの文化へ−、クリエイツかもがわ,京都市. 5. 武田雅俊監修(2015):認知症の緩和ケア 診断時から始まる患者と家族の支援,新興医学出版社 6. 平原佐斗司,桑田美代子 編集(2019):認知症の緩和ケア,南山堂,東京都. 7. 鳥羽研二 監修(2021):認知症ビジュアルガイド,学研メディカル秀潤社,東京都. 8. 成本迅,谷向仁 編集(2021):スペシャリストが教える認知症を合併している患者の診かた,関わり方,新興医学出版社,東京都. 9. 中島健二 編著(2018):認知症治療薬の考え方,使い方,中外医学社,東京都. 10. 中島紀惠子(2021):ケアの倫理 認知症ケアの学び返しの旅から,クオリティケア,東京都. 事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【事前学習】各授業の課題テーマに沿って資料検索を行い,プレゼンテーション資料を作成する(各回、2h程度)。
【事後学習】授業で受けたプレゼンテーションの講評やディスカッション内容を振り返り,自身の思考の整理を行う(各回2h程度)。 *事前学習と事後学習は反復的に行い,講義内容の理解を深めることを期待する。 アクティブ・ラーニングの内容
・講義内容の理解向上のため,認知症ケアが提供されている場や施設等に出向く演習および臨床講義が含まれている。また,状況に応じて,認知症に関わる家族会に参加する。
成績評価の基準・方法
成績評価の基準
認知症を持つ高齢者を多角的に捉える視点,健康と尊厳ある生活を支援するための支援方法を学べた者に対し,義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、判断力、思考力、表現力等)の到達度に応じてS(90点以上),A(80点以上),B(70点以上),C(60点以上)による成績評価を行い,単位を付与する。 成績評価の方法 演習(50%)プレゼンテーション内容(40%)とディスカッション内容(10%)を基準として,受講態度を含めて総合的に評価する。 課題・試験結果の開示方法
・課題レポートや各講義回のプレゼンテーションに対して,講義内において講評を返す。また,ディスカッション内容についても討議を進めて理解度を確認し,到達目標の達成状況に対するレベル評価を返す。
履修上の注意・履修要件
講義の進捗状況に合わせ,適宜,事前・事後課題を課すことがある。
実践的教育
臨床や地域社会での老人看護実践の経験があり,老人看護領域の研究や高度老人看護実習の指導を担当し,かつ老人看護の学問体系を教授できる教員が講義,討議を担当するため,実践的教育に該当する。
備考
【学生と教員の双方向のやり取りについて】
当授業は,毎回の講義内でのプレゼンテーションや討議において講義内容の理解度を確認し,その内容について教員からフィードバックを行う。また,必要に応じて面談の機会を設け,学習内容や達成度に関するフォローアップを行う。 *医師および公認心理士による臨床講義がある。 英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
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