シラバス情報

授業科目名
有機反応論
(英語名)
Organic Reaction Mechanisms
科目区分
専門教育科目/教職課程科目
対象学生
理学部
学年
3年
ナンバリングコード
HSSBM3MCA1
単位数
2.0単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2025年度後期
(Fall semester)
担当教員
吾郷 友宏
所属
理学部
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標7/目標9/目標13/目標14/目標15
オフィスアワー・場所
随時・研究棟・316
連絡先
agou@sci.u-hyogo.ac.jp

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
1◎/5◎/6◎
研究科DP
全学DP
1-1◎/1-2◎
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力

講義目的・到達目標
【講義目的】本講義では「有機化学IV」に引き続き、研究活動などに求められる有機化学の基礎をしっかりと固め、到達目標の内容を説明できることを目的に、ラジカル反応、転位反応、および電子環状反応について論究する。また有機化学を中心に触媒化学や材料化学などの関連する専門分野へつなげることを目的に、有機典型元素化学に関連した発展内容についても論究する。
【到達目標】1)ラジカルの性質と反応性を関連付けること、2)種々の転位反応の機構を説明すること、3)共役系の電子状態とペリ環状反応を関連させて表現すること、4)有機典型元素化学における典型元素と化学反応性を関連付けること、である。
授業のサブタイトル・キーワード
キーワード:ラジカル反応、転位反応、ペリ環状反応、Diels-Alder反応、電子環状反応、有機典型元素化学
講義内容・授業計画
【講義内容】
有機化学における重要な反応活性種であるラジカルの性質と反応性を理解し、ラジカルを中間体とする分子変換法を理解する。有機分子の骨格変換法として必要不可欠となる種々の転位反応の機構と、有機合成への利用について理解する。さらに、共役電子系の構造や電子状態と、電子環状反応の関連を理解する。これらの反応に加え、有機化学I-IIIで学んできた有機合成反応を組み合わせた合成戦略に関する演習を通して有機合成化学の基本を身に着ける。
【授業計画】
1.ラジカル反応(ラジカルの発生、ラジカルの構造と安定性、安定ラジカル、ラジカル置換反応)
2.ラジカル反応(ラジカル付加、ラジカル重合、1電子移動によるラジカル反応)
3.ラジカル反応(一電子移動によるラジカルの生成と反応、電極反応)
4.ラジカル反応(重合反応)
5.ラジカル反応(問題演習)
6.転位反応(カルボカチオンの関与する転位)
7.転位反応(ヘテロ原子の関与する転位)
8.転位反応(カルベンの関与する転位)
9.転位反応(転位反応に関連した人名反応)
10.転位反応(問題演習)
11.ペリ環状反応(Diels-Alder反応)
12.ペリ環状反応(シグマトロピー転位)
13.ペリ環状反応(電子環状反応、フロンティア軌道法、Woodward-Hoffman則)
14.ペリ環状反応(問題演習)
15.全体的な問題演習
定期試験

【生成系AIの利用】
本講義では、講義内容に関連したレポート課題を課す。これらは、当該学術分野に関連した基礎知識と作成者の考察を基に作成するものである。生成系AIをレポート作成の参考に用いることは構わないが、生成系AIの出力した内容について、事実関係の確認や出典・参考文献を確認・追記することが重要である。生成系AIを使用した場合は、使用した生成系AIの名称やバージョン、使用日付などの情報、および入力内容や生成系AIからの回答などの情報をレポートに明記すること。また、生成系AIのみを用いて作成されたレポートは受け付けない。
教科書
「有機化学 改訂2版」(奥山格・石井昭彦・箕浦真生 著)丸善
ただし、既に第3版が出ており2版の購入は難しくなっている。
本講義の受講者は第2版を所有していると思われるが、所有していない場合は担当教員に相談すること。
第3版でも問題の変更はほぼ無いので、第3版を所有していても問題は無い。

参考文献
(1) 「ウォーレン 有機化学 上」(CLAYDENGREEVESWARRENWOTHERS 著、野依良治・奥山格・柴崎正 勝・檜山為次郎 監訳)東京化学同人[図書館有](2) 「有機化学 改訂2版 問題の解き方」(奥山格 著)丸善
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業に際して指示するテキストを事前読み込み(15h)
【復習】例題の解答(15h)、演習問題の解答(15h)、講義内容の理解を深め定着させるためにテキスト教材を読み直し(15h)
アクティブ・ラーニングの内容
授業中に問題演習を4回実施し、演習問題や回答に関して討論を実施する。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
講義目的・到達目標に記載する能力の到達度に基づき、S90点以上),A(80点以上),B70点以上),C60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。
【成績評価の方法】
授業中問題演習への取り組み(60%)、定期試験(40%)の成績で評価する。
課題・試験結果の開示方法
演習問題は講義内で解説する。
履修上の注意・履修要件
・「有機化学I, II, III, IV」「有機構造化学」の単位を取得していなくとも「有機反応論」の履修は可能。ただし、講義は「有機化学I, II, III, IV」を履修していることを前提として進める。
・ペリ環状反応の説明においては、無機化学Iや量子化学Iなどで解説される分子軌道法の基本を理解していることを前提とする。
・授業中に指示した宿題や事前・事後学習はもとより、「講義内容・授業計画」に記載したテキスト等の該当箇所などについて、十分な予習・復習をして講義に出席すること。
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。