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教員名 : 橋本 智
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授業科目名
放射光電子蓄積リング論
(英語名)
heory of Electron Storage Rings for Synchrotron Radiation
科目区分
ー
放射光工学分野科目
対象学生
工学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HETMA5MCA1
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
講義 (Lecture)
開講時期
2026年度後期
担当教員
橋本 智
所属
高度産業科学技術研究所/工学研究科・工学専攻・放射光工学分野
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標9
オフィスアワー・場所
随時、ニュースバル放射光施設内居室にて。またはメールにて。
連絡先
hashi@lasti.u-hyogo.ac.jp
対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
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研究科DP
1◎/2〇
全学DP
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教職課程の学修目標
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講義目的・到達目標
【講義目的】
シンクロトロン放射光を発生する電子蓄積リングの概要について説明する他、蓄積リングにおける相対論的電子ビーム力学の基礎理論を習得する。 【到達目標】 本講義の到達目標は、(1)シンクロトロン放射光専用電子蓄積リングの概要を理解し説明できること、(2)ベータトロン振動、シンクロトロン振動、エミッタンスなどビーム力学の基本的な理論を説明できることである。 授業のサブタイトル・キーワード
サブタイトル:安定な放射光発生のために、如何にして蓄積リング内で電子ビームを安定に周回させるか?
キーワード:電子蓄積リング、ビームダイナミクス、ベータトロン振動、シンクロトロン振動、エミッタンス、放射減衰、量子励起 講義内容・授業計画
【講義内容】
本講義では、高エネルギーの荷電粒子を一定の軌道に長時間貯蔵するストレージリング(蓄積リング)の仕組みについて輪講形式で学ぶ,。 放射光光源としての役割を理解した上で、電磁石によるビームの収束原理、高周波(RF)加速によるエネルギー補填、およびビームの太さや寿命を決定する物理過程を体系的に学習する。 【授業計画】 第1部:ストレージリングの概念と荷電粒子の運動 • 第1回:イントロダクション — 放射光光源の役割と構成 ストレージリングの定義(高エネルギー電子を長時間貯蔵する装置)と、主要な構成要素(偏向電磁石、高周波加速空洞など)の概観を学びます,。 • 第2回:基準軌道と座標系 — デザイン軌道の設計 電子が周回する「デザイン軌道」の概念と、軌道に沿って移動する座標系の設定方法について理解を深める,。 • 第3回:磁場中における電子の運動方程式 ローレンツ力に基づく運動方程式を導出し、偏向電磁石内での円軌道形成とエネルギー一定の原則を学ぶ,。 • 第4回:電磁石の多極展開と物理的意味 マクスウェル方程式から導かれる二極、四極、六極磁場の数理的表現と、それぞれのビームへの作用を整理する。 第2部:ベータトロン振動の理論と解析手法 • 第5回:ベータトロン振動の方程式と強収束の原理 Hillの方程式の導出と、四極電磁石を交互に配置してビームを安定させる「強収束(強フォーカス)」の仕組みを学ぶ。 • 第6回:輸送行列(Transfer Matrix)による軌道計算 ドリフト空間や各電磁石の作用を行列形式で表し、要素を掛け合わせることでリング1周の挙動を解析する手法を習得する,。 • 第7回:ベータトロン振動の安定条件と薄レンズ近似 リングを1周した際の輸送行列の跡(trace)を用いた安定性の判定と、計算を簡略化する薄レンズ近似について学ぶ。 • 第8回:Twissパラメータと位相空間の楕円 ベータ関数やCourant-Snyder不変量を用い、位相空間上でのビームの形状(楕円)と動きを記述する方法を学ぶ。 • 第9回:エミッタンスとアクセプタンス ビームの広がりを表す「エミッタンス」と、ビームパイプの内径や磁場誤差で決まる許容領域「アクセプタンス」の概念を理解する。 第3部:ビームの摂動と縦方向の運動 • 第10回:磁場誤差の影響と閉軌道歪み(COD) 電磁石の設置誤差によって生じる軌道のズレ(COD)の発生原理と、ステアリング電磁石による補正方法を学ぶ。 • 第11回:エネルギー分散とクロマティシティ 運動量偏差による軌道のズレ(分散)と、収束力の変化(クロマティシティ)および六極電磁石による補正を解説する。 • 第12回:放射損失と高周波加速によるエネルギー補填 シンクロトロン放射によるエネルギー損失と、高周波加速空洞(RF)による位相安定性の原理(シンクロトロン振動)を学ぶ。 • 第13回:シンクロトロン振動とRFバケット 縦方向(時間・エネルギー方向)の運動方程式を導出し、粒子を安定して保持できる領域「RFバケット」の境界を理解する。 第4部:ビームのダイナミクスと寿命 • 第14回:放射減衰・放射励起と平衡エミッタンス 放射損失による振動の減衰と、光子放出の量子効果による励起が釣り合うことで決まる「ビームの太さ」を学ぶ。 • 第15回:ビームの入射技術と寿命の決定要因 セプタムやキッカーを用いたビーム入射の仕組みと、残留ガス散乱やTouschek効果によるビーム損失のメカニズムを総括する。 対面・遠隔の別
対面
実施方法及び遠隔上限適用対象の別
● 本授業は工学キャンパスにて対面形式で行う。
● 本授業は指示されたテキストを用いて輪講形式で行う。 生成AIの利用
全面的に許可
生成AI注意点
● 生成AIの利用にあたっては『本学の教育における生成AIの取扱いについて(学生向け)』の記載内容について留意すること。
● この授業においては、授業内、予習復習、レポート等を含む成果物作成等において生成AIの利用を全面的に許可しており、生成AIの利用について制限を設けないが、生成AIによる出力結果をそのまま課題・レポートとして提出してはならない。 ● 生成AIの出力した内容について、事実関係の確認や出典・参考文献を確認・追記することが重要である。 ● 使用した場合にその旨をレポート等に記載するかどうか等については、担当教員の指示に従うこと。 教科書
講義の中で随時紹介する
参考文献
講義の中で随時紹介する
事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】授業に際して事前配布する講義資料を事前読み込み(20h)
【復習】レポート作成(2~3回、10h)、講義内容の理解を深め定着させるために講義教材を読み直し(30h) アクティブ・ラーニングの内容
採用しない
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
電子蓄積リングの概要、構成される要素技術、ビームダイナミクスの基礎について説明できる者に単位を授与する。講義目的・到達目標に記載する能力の到達度に応じてSからCまで成績を与える。 【成績評価の方法】 レポート・小テスト(100%)を基準として、総合的に評価する。 課題・試験結果の開示方法
レポートは原則、次の講義内で解説する。
定期試験は、授業評価アンケートの教員コメント欄に試験結果に関するコメントもあわせて記載する。 履修上の注意・履修要件
場合により、別の日時にニュースバル放射光施設にて実施する。
実践的教育
該当しない
備考
ニュースバル放射光施設
http://www.lasti.u-hyogo.ac.jp/NS ビーム物理学研究グループ https://www.lasti.u-hyogo.ac.jp/beam_physics/index.html 英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。
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