シラバス情報

授業科目名
人間学特論
(英語名)
Advanced Course in Philosophical Anthropology
科目区分
博士前期課程科目
保健体育・栄養教諭専修免許(選択科目)
対象学生
環境人間学研究科
学年
1年
ナンバリングコード
HHHME5MCA3
単位数
2.00単位
ナンバリングコードは授業科目を管理する部局、学科、教養専門の別を表します。詳細は右上の?から別途マニュアルをダウンロードしてご確認ください。
授業の形態
演習 (Seminar)
開講時期
2026年度前期
(Spring semester)
担当教員
西村 洋平
所属
環境人間学研究科
授業での使用言語
日本語
関連するSDGs目標
目標1/目標4/目標10
オフィスアワー・場所
オフィスアワー一覧表(ユニバーサルパスポートに掲示)を参照のこと
連絡先
オフィスアワー一覧表(ユニバーサルパスポートに掲示)を参照のこと

対応するディプロマ・ポリシー(DP)・教職課程の学修目標
二重丸は最も関連するDP番号を、丸は関連するDPを示します。
学部DP
研究科DP
1◎/2〇
全学DP
1-1〇/2-2〇
教職課程の学修目標
目標1:磨き続ける力/目標2:教え、寄り添う力/目標3:協働する力

講義目的・到達目標

【講義目的】

現代アメリカの政治哲学者マーサ・ヌスバウムは、人間が尊厳ある生を営むために必要なものを人間のケイパビリティ(可能力)に基づいて規定し、そのケイパビリティ・リストを充足することが社会的正義であると論じる。本講義は、ヌスバウムの「ケイパビリティ・アプローチ」を取り上げて論じ、人間の本質とは何か、尊厳ある生とは何か、その実現のためにどのような教育や支援が必要なのかを考える。

【到達目標】

  1. ヌスバウムの「ケイパビリティ・アプローチ」の理論・概念を説明し、学校や社会的支援の現場に応用する。

  2. 人間の本質や尊厳とは何か、人間はどのように生きるべきなのかという人間学の根本について、「ケイパビリティ・アプローチ」を通して説明する。

  3. 他者への配慮とケア、他者の尊厳を守るという道徳の本質について、「ケイパビリティ・アプローチ」と関係づける。

授業のサブタイトル・キーワード
人間の本質、ケイパビリティ、尊厳、人間性の教育、ケア
講義内容・授業計画
【講義内容】
本講義では、まずヌスバウムの『ケイパビリティ・アプローチとは何か』を読み、「ケイパビリティ・アプローチ」について理解を深める。次に、『経済成長がすべてか?デモクラシーが人文学を必要とする理由』で論じられる、他の集団や劣った者を排除してしまう傾向を克服するための、人間性涵養のための教育論を取り上げる。最後に、日本やグローバル社会における現代の問題を取り上げて、教育や社会的支援の現場においてどのようにケイパビリティ・アプローチが応用可能かを考える。

【授業計画】

第1回:イントロダクション:ヌスバウムについて

第2回:背景にある正義の問題

第3回:正義を求める女性(『ケイパビリティ・アプローチとは何か』第1章を読む)

第4回:中心的ケイパビリティ(『ケイパビリティ・アプローチとは何か』第2章を読む)

第5回:他の理論との比較(『ケイパビリティ・アプローチとは何か』第3章を読む)

第6回:ケイパビリティ・アプローチの正当化・制度化(『ケイパビリティ・アプローチとは何か』第4章と第5章を読む)

第7回:人間性涵養のための教育(『経済成長がすべてか?』第3章を読む)

第8回:他者と対話することの重要性(『経済成長がすべてか?』第4章を読む)

第9回:世界市民のための教育(『経済成長がすべてか?』第5章を読む)

第10回:現代の問題への応用(1)ジェンダー・障害・老い

【履修者による報告も含めたディスカッション形式】

第11回:現代の問題への応用(2)教育

【履修者による報告も含めたディスカッション形式】

第12回:現代の問題への応用(3)ケア、ヤングケアラーの問題

【履修者による報告も含めたディスカッション形式】

第13回:現代の問題への応用(4)グローバルな社会

【履修者による報告も含めたディスカッション形式】

第14回:現代の問題への応用(5)動物・自然環境

【履修者による報告も含めたディスカッション形式】
第15回:総括  
対面・遠隔の別
対面
実施方法及び遠隔上限適用対象の別
・対面授業のみ
・遠隔授業単位上限の適用を受けない
生成AIの利用
利用する場面を限定し許可
生成AI注意点
生成AIの利用にあたっては『本学の教育における生成AIの取扱いについて(学生向け)』の記載内容について留意すること。
この授業においては、以下の範囲において、生成AIの利用を許可し、これ以外の範囲での利用は禁止する。生成AIの利用については担当教員の指示に従うこと。教員が認める範囲を超えて生成AIを利用したことが判明した場合は、単位を認定しない、又は認定を取り消すことがある。生成AIの出力した内容について、事実関係の確認や出典・参考文献を確認・追記することが重要である。また、生成AIによる出力結果をそのまま課題・レポートとして提出してはならない。
<利用可の範囲>
課題・レポート文案作成、文書の翻訳・校正等
教科書

マーサ・C・ヌスバウム『ケイパビリティ・アプローチとは何か––生活の豊かさを測る』(栗林寛幸・池本幸生訳)勁草書房,2025。

マーサ・C・ヌスバウム『経済成長がすべてか?デモクラシーが人文学を必要とする理由』(小沢自然・小野正嗣訳)岩波書店,2013。
*必要な箇所をコピーして配布する。
参考文献

マーサ・C・ヌスバウム『正義のフロンティア:障碍者・外国人・動物という境界を超えて』(神島裕子訳)法政大学出版局,2012。

神島裕子『マーサ・ヌスバウム––人間性涵養の哲学』中央公論新社,2013。  

事前・事後学習(予習・復習)の内容・時間の目安
【予習】指示されたテキストを読み、要約と問題点の整理、レジュメの準備(30h)、現代日本の社会問題に応用するレポートの準備(5h)
【復習】授業内容の理解を深め定着させるためにテキストを読み直す(15h)、議論で出た問題点を整理し調査する(10h)  
アクティブ・ラーニングの内容
演習形式のため,ディスカッションを中心としたアクティブ・ラーニングを行う。
成績評価の基準・方法
【成績評価の基準】
  • ヌスバウムの「ケイパビリティ・アプローチ」を理解し、批判的に吟味・分析でき、人間が尊厳ある生を送るために必要なことについて自分の考えを根拠とともに示すことができている者については、講義目的・到達目標に記載する能力(知識・技能、思考力、判断力、表現力等)の到達度に基づき、S(90点以上)、A(80点以上)、B(70点以上)、C(60点以上)による成績評価のうえ、単位を付与する。
【成績評価の方法】
  • レジュメの作成・コメントシート60%と、レポート40%を基準として、総合的に評価する。

課題・試験結果の開示方法
授業で課すレジュメやレポートについては授業の場で講評する。
履修上の注意・履修要件
  • 事前に指定されるテキストをよく読み、十分な予習・復習をし、自分の考えや問題意識を持って毎回の授業に臨んでください。
実践的教育
該当しない
備考
英語版と日本語版との間に内容の相違が生じた場合は、日本語版を優先するものとします。